多汗症や汗のニオイに悩む方のためのブログ(五味クリニック)

わきが多汗症治療に長年携わってきた五味クリニック院長が、汗に悩む方の心のケアを重視した、様々な対策や治療法をご紹介します。

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新着情報
  • 汗とにおい
  • 暑い夏に備えて汗対策をしよう
  • 汗っかきと汗の臭い
  • 汗をかかないことが冷え・うつ・脳梗塞まで引き起こす万病のもと
  • 汗はメタボのバロメーター
  • 気になる「汗」と「におい」を解決!
  • 自然塩入浴で「寝たふり汗腺」を呼び起こそう
  • Q.暑くもないのに滝のような汗。気にすると、もっと出るような気がする。汗のにおいも気になる。
  • よい汗をかく生活法
  • Q2 汗にもベタつく汗とサラサラ汗があるような…。それって何が違うの?
  • 多量の汗に潜む病気
  • Q1 そもそもなぜ夏はたくさん汗をかくの?
  • いい汗かいてニオイにさよなら!〜汗を正しく理解する〜
  • どうにかしたい!汗のニオイ
  • 汗のにおいで病気がわかる?
  • あなたは汗についてどの程度知っていますか?汗に関する10項目
  • よい汗をかくために注意したいこと7か条
  • 単なる体内の水分排出ではないさまざまな汗の役割
  • 汗をかかないと、低代謝に。もっともっと、よい汗をかきましょう
  • 今日もワキ汗がすごいんです 私って多汗症!?

汗とにおい

なぜ太っている人は汗をかきやすいの?

冷房のきいた部屋にいると夏でもあまり汗をかきません。
汗は新陳代謝など健康維持には欠かせない存在なので日頃からしっかりかくように心がけたいもの。
しかし汗を多くかけば健康というわけではありません。
じつは汗には「良い汗」と「悪い汗」があり身体のにおいとも深く関係しているのです。


暑くなると汗をかくのは熱を発散させて体温を保つため

 暑くなると汗をかくのは、体内にこもった熱を水分と一緒に発散させるため。身体は汗によって体温上昇を防ぎ、つねに一定に保っています。
 では、なぜ太っていると汗をかきやすいのでしょうか。それは皮下脂肪が身体の「断熱材」となって熱がこもり、体内温度が上がりやすいから。また太っている人は「身体の表面積」が大きく、その分、汗を分泌する汗腺の密度が低くなり、ひとつの汗腺から大粒の汗が出やすくなります。汗の粒が大きいと蒸発しづらく、ダラダラと流れるので、身体に必要なミネラルまで失われやすくなります。これは汗の専門家にいわせれば「悪い汗」。太っていて汗かきの人は、悪い汗をかきやすいといえるでしょう。

 
太っている人は汗をかきやすい

理由1 体内に熱がこもりやすい
体内温度を下げるために、たくさん汗をかく。
皮下脂肪が断熱材となり熱がこもる

理由2 汗腺の密度が低い
ひとつの汗腺から大粒の汗が出る。
良い汗と悪い汗 違いは再吸収力

 良い汗と悪い汗の違いは、血管がどれだけミネラル成分を再吸収できるかで決まります。少し専門的な話になりますが、汗は血液の血球を除いた血漿(けっしょう)で、その中に含まれるミネラル成分を、再び血管に戻して残りの水分を汗として出すという働きをしています。この再吸収の力が強い汗腺は、水に近いサラッとした「良い汗」をかけます。一方、再吸収の機能が低下すると血漿の成分がそのまま出てしまう「悪い汗」となります。良い汗は、濃度が薄くサラッとしていますが、悪い汗は塩分が多く、濃度の濃いベトベトしたものとなり、夏バテや慢性疲労の原因にもなります。また悪い汗にはアルカリ分が含まれ、弱酸性の皮膚表面をアルカリ化してしまうことにより、雑菌が繁殖しやすく、汗のにおいが強くなるといわれます。 
 ふだん何気なくかいている汗ですが、健康のために自分の汗を確認してみては?


良い汗と悪い汗の比較

悪い汗                良い汗
             
濃度が濃くベトベトしている    濃度が薄くサラッとしている
             
粒が大きくダラダラ流れる     粒が細かく蒸発しやすい
             
においやすい            においがない
             
汗をかくと疲労感がある      汗をかくと爽快になる


汗腺のしくみ

血漿のミネラル成分を再び血管内へ戻すことで、残りの水分を汗として体外へ排出する。


良い汗をかくための「汗腺トレーニング」

衰えた汗腺機能を活発にする方法

 良い汗をかくためには、汗腺機能を鍛え、再吸収の力を高めることが大切です。スポーツや岩盤浴などで汗腺機能を活発にするのもいいですが、もっと簡単で効率のよい方法として、お風呂で行う「汗腺トレーニング」があります。2週間ほど続ければ、徐々に汗腺機能が高まり、気持ちいい汗をかけるようになります。また、汗によるにおいの改善にもつながります。ふだん汗をあまりかかない人も、衰えた汗腺機能を活発にするために、ぜひ「汗腺トレーニング」を始めましょう。


STEP1 高温で手足浴
熱いお湯(43〜44度)を湯船に少なめに入れ、ひざ下とひじ先を10〜15分つけます。手足は汗腺が多いので、集中的に温めるのが効果的です。

STEP2 ぬるま湯で全身浴
湯船にぬるま湯をたして36度くらいにし、再び10〜15分ほどつかります。

STEP3 お風呂上がりに
扇風機やエアコンで強制的に身体を冷やしたりせず、自然に汗が蒸発するまで待ちます。汗をかいた分、水分補給をしましょう。冷たすぎる飲みものは避け、リンゴ酢や黒酢などのドリンクを飲めば効果的です。


読者アンケートより
汗とにおいQ&A

Q スポーツでかく汗と、緊張してかく汗は違うの? (20代女性)

A スポーツは体内でエネルギーを燃やし身体が温まることによって徐々に汗をかくので「良い汗」。遠赤外線効果で身体をじんわり温める岩盤浴なども、「良い汗」をかく  方法としてお勧めですよ。一方、緊張などによって一気にかく汗は、ミネラル成分などが排出されやすく、汗の質という観点においては「悪い汗」といえますね。


Q ワイシャツの汗じみやにおいが気になります。 (30代男性)

A パンのふくらし粉として使われる「重曹(じゅうそう)」には、消臭や消色の作用もあるんです。汗をかきやすいワキなどに重曹の粉を直接塗ったり、衣類の内側に軽く  塗るだけで、においや汚れを押さえることができますよ。


Q よく寝汗をかくのですが。 (50代男性)

A お風呂上がりにエアコンで無理に身体を冷やし、すぐ寝床に入ると、体内に熱がこもったままとなり寝汗をかきやすいので、自然に汗を蒸発させるのが大事ですよ。それ  でも一晩中、だらだら汗をかくようなら、疾患の疑いもあるので医師に相談してください。

 

あなたは大丈夫? 気になる汗のにおい

防臭や消臭グッズが人気を集めているように、現代人はにおいに敏感です。
「悪い汗」のほかにも、汗と関係する気になるにおいをピックアップ。


ワキガ わきから発する強いにおい

汗腺のひとつ「アポクリン腺※」が活発に働くことが原因です。においの強さは、アポクリン腺の数や大きさに比例し、非常に個人差が大きいのが特徴。日本人はワキガの人が少なく、10〜15%といわれています。
※汗腺には「エクリン腺」と「アポクリン腺」があり、通常の汗は「エクリン線」から出る。

対策 においの改善には、醸造酢や黒酢を加えた「酢風呂」が有効です。それでもにおいが気になる場合、治療法として、毛根に電流を通してアポクリン腺を熱凝固させる方   法、アポクリン腺を取り除く方法などがあります。


足の裏のにおい 時間がたつとすっぱいにおいに

足の裏には汗腺が集中しています。このため靴や靴下で長時間密閉されると、汗がこもり、皮膚の雑菌によって汗が分解され脂肪酸に変わるとすっぱいにおいを発します。さらに皮脂と混ざりあえばにおいが強まります。

対策 40度以上のお湯を入れた風呂桶にコップ1杯の酢を注ぎ、10〜15分足をつけます。血流を良くして雑菌の繁殖を防ぐことで、においを抑えます。


更年期の多汗 ぐっしょりかいてベタつく

女性ホルモンの減少によって、体温調節機能や汗腺機能が衰えることが原因とされています。手足は冷たいのに、顔や首、胸などにぐっしょりと汗をかくことも。汗はベタベタして蒸発しにくく、においを発しやすくなります。

対策 汗腺トレーニングで汗腺機能を鍛えます。体内に乳酸が増えると、汗の中に尿素とアンモニアが増え、においが強くなるため、乳酸の生成を抑えるすっぱい食べものを   多く摂りましょう。


加齢臭と汗の意外な関係

 加齢臭のもとは皮脂腺から出る脂肪酸ですが、じつは汗腺からも加齢臭が出ることがあります。原因は腸の老化によって悪玉菌が優勢となり、アンモニアなど「におい成分」が多くつくられ、汗となって排出されるため。悪玉菌を抑えて善玉菌を優勢にするには、乳酸菌やオリゴ糖をしっかり摂り、腸内環境を整えるように心がけましょう。




健保と家庭を結ぶ健康PR誌
けんこう 2009年夏号


多汗症についての相談(回答内容別)
多汗症についての相談(質問内容別)

暑い夏に備えて汗対策をしよう

あなたはいくつ当てはまる? 
汗チェック

□一日中エアコンの効いた部屋にいる
□あまり運動をしない
□肉類や味の濃い食べ物が好き
□タバコを吸う
□ストレスがある
□バスタイムはシャワーで済ませがち
□夏場は冷たいものばかり食べがち

チェックの多い人ほど、上手に汗をかくのが苦手かも?


現代人は汗をかくのが苦手

 強い太陽が照りつけ気温が上がる夏は、大量の汗をかく"汗の季節"でもあります。「ビショビショして気持ちが悪い」と嫌がる人も少なくありませんが、汗は体内の熱を発散させて体温の調整を図ったり、皮膚の乾燥を防ぐなど、とても重要な役割を果たしています。
 人間には200万〜500万の汗腺があり、汗はその汗腺から流れ出します。汗腺には活発に働いている能動汗腺と、休んでいる休眠汗腺があり、普段から汗をかいていないと活動する機会を奪われて休眠汗腺が増えてしまいます。
 今の私たちはエアコンの効いた部屋で一日中過ごしたり、体を動かさないなど、昔に比べあまり汗をかかなくなっています。こうした生活を続けていると、休眠汗腺が増えてしまい、「健康な汗かき」を妨げてしまいます。


さらさら、べたべた
あなたの汗はどちら

 汗はそのほとんどが水分でできています。能動汗腺が活発に働いている場合には、水分以外のナトリウムやカルシウムといったミネラル成分などはあまり汗と一緒に出てきません。しかし休眠汗腺が増えると、ミネラル成分などが汗と一緒に吹き出してしまいます。
 汗が不快なにおいを発するのは、汗腺から出るミネラル成分などに細菌が作用するためです。問題はにおいばかりではありません。細菌がついてべとべとした汗は、皮膚の表面が汚くなり、体温調節機能に影響を与えてしまうのです。
 同じ汗でも健康によい汗は水分が多く、さらさらしていて、タオルできれいに拭き取れます。一方、健康に悪い汗はミネラル分が多く、べとべとしていて、体にまとわりつき体温調整を妨げます。
 夏の健康づくりのポイントは、良い汗をかけるような生活習慣を身につけることといえるでしょう。
 上記の汗チェックで、いくつか当てはまった人は上手に汗をかけていないかもしれません。左ページで解説する汗かきトレーニングを実践して、べとべと汗でなく、さらさら汗をかけるようになりましょう。


上手に汗をかこう
汗腺を鍛えて夏バテ知らず

 よい汗をかく最も効果的な方法はウォーキングやジョギングといった適度な運動をすること。ただし、日中に運動をするときは、熱中症に気をつけましょう。
 普段からエアコンに頼りすぎない生活をすることも大切です。涼しい朝方にはエアコンをつけない時間を設けるなどの工夫を。また、暑い夏はついシャワーだけで済ませがちですが、湯船に浸かって体の芯からしっかり温め、新陳代謝を促しましょう。代謝を高める上で、冷たいものの食べ過ぎ、飲み過ぎは胃腸の働きを低下させる原因になるので控えめに。また、汗をかいた後は充分な水分補給も忘れずに。汗をかくことを嫌がらず、気持ちよく汗をかいて健康体でいましょう。


夏におすすめ 汗かきトレーニング

■バスタイム

【半身浴】
おへそから握りこぶし1個上くらいまでのぬるめのお湯にゆっくり浸かれば、夏の疲れの解消にもなります。

【足浴】
くるぶしまで入る洗面器を用意。43〜44℃の熱めのお湯を注ぎ、15分くらい足を浸します。

清涼感のあるハッカやレモンなどのアロマオイルを湯船に数滴入れたり、バスソルトを入れるのもオススメです。入浴後はコップ1杯程度の水を飲んで汗で失った水分を補うとともに、バスローブなどを着てエアコンの効いていない部屋で涼みましょう。


■飲みもの・食べもの

お酢 梅干 グレープフルーツ

 汗を多くかくと、乳酸という疲労物質がたまりやすくなります。クエン酸を含んだお酢、梅干、グレープフルーツなどを摂れば乳酸を代謝させ、夏バテ予防にもなります。


■運動

 室内でエアコンはかけず、窓を開けてヨガやストレッチを。
 日が落ちてからのウォーキング。20分くらいを目安に。

 


汗のにおい対策は、「清潔」が一番

 夏場は汗の量が増えるだけでなく、温度と湿度の上昇もあって皮膚にいる細菌が繁殖しやすくなり、汗のにおいが出やすくなります。
 汗のにおいが気になるときは、ウェットティッシュや水で濡らしたタオルで汗をこまめに拭きましょう。においのもとを汗と一緒に拭き取ることができます。まめに着替えたり、清潔な衣類を身につけるなど、常に清潔を保つことも大事です。制汗剤やデオドラント剤もにおいを抑える効果が期待できます。
 しかし、中には他の人にはにおっていないのに、自分で汗のにおいが強いと思い込む人が増えています。あまり気にし過ぎないようにしましょう。

 

 

健康のちからこぶ 2009年7月号 より


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汗っかきと汗の臭い

 現代人は昔にくらべて汗の臭いが強くなっているといわれます。これだけ世の中が清潔志向になっているのに、なぜでしょうか? それでなくても、夏は自分や他人の汗の臭いが気になる季節。それぞれに汗対策を講じているでしょうが、ただ汗を目の敵にしているだけではこの問題は解決しないようです。 


かいたばかりの汗は臭わない

 なぜ私たち人間は汗をかくのかというと、その一番の目的は体温調節にあります。人間が他の動物と大きく異なるのは、飛躍的に発達した脳を持っていることです。脳はいうまでもなく、思考したり、記憶したり、また生命維持にかかわる重要な中枢がある場所ですが、熱に弱いという弱点があります。そこで、常に体温を一定に保って大事な脳を守ることが、体温調節の究極の目的なのです。
 そのために、人間は暑くなると、血管を流れる血液中から水分をとりだして汗腺から皮膚に放出し、その気化熱によって体温を下げるというテクニックを身につけたのです。これが汗です。
 脳を守るために作られたともいえる汗腺は、人間の器官の中では新しく、まだ発展途上の未熟な器官といえます。そのため、汗を出すときには水分だけでなく、血漿に含まれる大切なミネラル分や、尿素、窒素、アンモニアなどの臭いの成分も一緒に出てしまいます。
 ただし、これらの成分は僅かな量なので、かいたばかりの汗は無臭です。ところが、汗が皮膚の上にとどまったまま1〜2時間経つと、そこに皮膚の常在菌が繁殖して臭い物質を生成し、汗臭くなってしまうのです。


エクリン腺とアポクリン腺

 汗には2種類あります。1つは、全身に分布しているエクリン腺という汗腺から出る汗です。エクリン腺は、多い人では全身に500万もあるとされている、肉眼では見えない小さな汗腺です。ここから出る汗は99%以上が水分で、割合サラッとした汗です。僅かに塩分や尿素、アンモニアなどが混ざっていますが、ほとんど臭いません。  もう1つは、わきの下や、おへその周り、耳の外耳道、乳首の乳輪や、性器、肛門の周りなど、体の特定の部位にだけあるアポクリン腺から出る汗です。
 エクリン腺は単独の汗腺ですが、アポクリン腺は毛穴と出口がいっしょで、ここから出る汗は、たんぱく質、脂質、糖質、グルコース、コレステロール、アンモニア、鉄分、色素リポフスチン、ピルビン酸などの多種の成分を含んだ、やや粘り気のある汗です。栄養分を多く含むので皮膚の常在菌が繁殖しやすく、その醗酵臭が、ワキガと呼ばれる独特の臭いになります。動物はこのアポクリン腺が発達しており、ここから出る汗の臭いは異性を惹きつけるフェロモンのような役目もしていますが、人の場合、強いワキガ臭は嫌われます。


汗にも“いい汗”と“悪い汗”がある 

 ところで、汗にもいい汗と悪い汗があります。エクリン腺の汗はほとんどが水分で、サラサラしているため蒸発しやすく、ほとんど臭いません。このような汗は“いい汗”と言えます。
 これに対して、“悪い汗“もあります。それは血漿の成分がたくさん出てくる濃度の濃い汗です。濃度の濃い汗はねばねばしていて蒸発しにくいので、体温調節には不向きです。しかも、このような汗をかくと、ミネラル分が多く失われるので体が疲れやすくもなります。また、臭い成分もたくさん含まれているため、汗の臭いが強くなります。
 本来、かいたばかりのの汗は臭わないはずなのに、最近はそうではない人が増えています。つまり、現代人は、かきたてから汗が臭う人が多くなっているのです。その理由は、このような悪い汗をかく人が増えているからです。


現代人の汗は臭くなっている
そのわけは?

 現代人が悪い汗、つまり濃度の濃い汗をかくようになったのには3つの理由が挙げられます。
 1つは汗腺を使わなくなったために、汗腺機能が衰えてしまったことです。ふだんから運動不足で汗をかくことはめったになく、本来ならたくさん汗をかくはずの夏も、エアコンの普及であまり汗をかかないし、むしろ汗をかくことを嫌っているのが一般的な現代人の姿ではないでしょうか。
 体の機能を使わなくなったためにその働きが低下してくることを廃用症候群と言いますが、汗腺は特にその傾向が強く現れます。汗腺が廃用症候群になると、血液から水分を取り出した後、血漿成分を元に戻すことができなくなって濃い汗をかくようになるのです。
 汗が臭くなった2つめの理由は、腸内環境が乱れて悪玉菌が増えたことです。実は、汗は食べ物とも大きくかかわっています。食べたものは腸で分解されますが、炭水化物はほとんどが善玉菌によって二酸化炭素に分解され、臭いません。それに対して、肉類などに多く含まれるたんぱく質は悪玉菌によって分解され、インドール、スカトール、硫化水素、アンモニアなどといった悪臭の元が発生します。つまり、悪玉菌が増えれば、当然、臭いの元も大量に発生するというわけです。
 このような臭い物質、一部は便とともに排泄されますが、一部は腸で吸収されて肝臓に送られ、ここで無臭化されます。ところが、年をとって肝臓の機能が衰えてくると、無臭化しきれなかった臭い物質が血液中に混じって全身に回ります。それが呼気とともに出れば口臭に、汗とともに出れば、いわゆる加齢臭となります。
 悪玉菌が増えて腸内環境が悪化する原因は、老化や肉食に偏った食生活が挙げられます。老化は生理現象なのでしかたがないとしても、肉食に偏った食生活は、まさに現代人に当てはまります。


一気に出る汗は臭い
 
 現代人の汗が臭くなった3つめの理由は、急激に汗をかくことが多くなったためです。内臓や脳の中にある体の深部の温度センサーが働いてゆっくりじっくり汗をかけば、いったんくみ出された血漿成分が再び血液中にもどる時間があるために、汗で出ていく臭い成分も少なくなります。岩盤浴などで身体の芯から温まって出る汗や、ジョギング、ウォーキングなどの有酸素運動で出る汗はこのような汗です。
 ところが、急激にどっと汗をかくと、血漿成分も多く出てしまって、濃度の濃い臭い汗になります。たとえば、緊張した時にはどっと汗が出ますが、手のひらやわきの下にかくこのような汗はじっとりと濃い汗です。クーラーの効いた室内から真夏の炎天下に出たときも同じです。このような時は体の深部のセンサーではなく、皮膚のセンサーが外気温に反応して一気に汗が噴き出します。これも濃い汗で、臭いが強くなります。
 汗をかく機会がなくなったこと、食習慣、空調の完備など、いってみれば文明の恩恵が、私たちの汗を臭くしているといえるでしょう。


ワキガは治療すれば簡単に治る

 汗臭さの代表といえばワキガでしょう。臭いの強い汗を出すアポクリン腺は、人種や個人によって差があり、もともと多い人と少ない人がいます。ワキガの人は、このアポクリン腺が多い人です。
 単なる汗の臭いをワキガと思って悩む人もいますが、判断の手がかりになるのが耳垢です。溶けたキャラメルのような耳垢、いわゆるあめ耳の人は、外耳道のアポクリン腺の働きが活発な証拠で、このような人はワキガ体質と思って間違いありません。逆に、カサカサ乾いた耳垢の人はワキガ体質ではありません。また、白い下着やシャツを着ていると、いつの間にかわきの下が黄ばんでくる人もワキガ体質のことが多いようです。
 ワキガといってもその程度はさまざまです。軽ければ、制汗剤を使ったり、わきの下の毛を剃るだけでもそれなりの効果があります。それでも臭いが気になるなら手術という方法もあります。
 わきの毛の1本1本に細い電極針を指して高周波電流を通し、毛根組織を熱で凝固させる電気凝固法は、軽度のワキガで、メスを入れる手術には抵抗があるという人に向いています。永久脱毛もできます。
 ボトックスもあります。ボトックスとは、最近は顔のシワ取りに使われている技術としてよく知られていますが、ボツリヌス菌の毒素を無毒化してわきの皮下に注射するものです。これによって汗の出が5〜7割程度減り、臭いも抑えられます。ただし、ボトックスは約半年ほどしか効果が持続しませんから、一時的な治療です。ワキガを根治したいなら、手術でわきの下のアポクリン腺を摘出する方法が最も確実です。
 いずれにしても、ワキガであれば、原因がはっきりしているし治療法も確立されているので、比較的簡単に治すことができます。


汗をかいたらすぐに拭くのが原則

 汗が臭くなるのは、時間がたって雑菌が繁殖するからです。臭いを抑える最も手っ取り早い方法は、汗をかいたらすぐにシャワーを浴びたり、体を拭いたりして清潔にすることです。仕事中にシャワーを浴びるのは無理ですから、その場合はウエットティッシュなどで拭くといいでしょう。それだけで汗臭さの問題はかなり軽減します。 
 それと同時に、臭いの強い“悪い汗”をできるだけかかないようにすることです。汗が臭くなる原因は先に述べたように、「汗腺機能の低下」、「腸内環境の悪化」、「急激に汗をかく」の3つですから、これらをなくすように努力すればいいのです。
 夏は「汗臭くなるのはいやだからできるだけ汗をかかないようにしよう」と思いがちですが、そうするとますます汗腺機能が衰えて汗が臭くなります。夏はできるだけ汗をかいて汗腺を働かせた方がいいのです。部屋の中をクーラーでガンガン冷やすのはやめて、外気温との差は5℃以内に留めましょう。そして、汗ばむくらいの軽い有酸素運動をすることも大事です。
 機能の低下した汗腺を積極的に鍛える「汗腺トレーニング」もおすすめです。浴槽に37〜38度のぬるめのお湯を張り、みぞおちの深さまでゆっくりつかる半身浴は家庭で簡単にできる汗腺トレーニングです。
 汗の臭いを抑えるには、食物繊維、オリゴ糖、プロバイオティクスである乳酸菌をとって腸内環境を整えることも大事です。とくに乳酸菌は、皮脂腺から出るノネナールという成分の加齢臭を抑えてくれます。「オヤジ臭」とも呼ばれる加齢臭は汗からも出て、汗の臭いを強くしている要因の1つですが、これは何もオジサンだけに限ったことではありません。女性も更年期以降は女性ホルモンが減って男性ホルモンが増えるために、皮脂腺からの加齢臭が強くなります。
 また、急激に汗が噴き出すのを防ぐには、冷房の効いた場所から炎天下に出る時には、階段の踊り場やロビーのようなところで5分間ぐらい体温を調節し、汗腺を慣らすようにするといいでしょう。


自分にふさわしい制汗剤を選んでいますか?

 夏になるとドラッグストアの店頭には種々のデオドラント剤が並び、どれを選べばいいか迷います。それだけ汗の臭いを気にする人が多いということでしょう。このデオドラント剤もさまざまありますから、自分にふさわしいものを選ばないと逆効果になってしまいます。
 耳垢が溶けたキャラメル状の人は強いワキガ体質ですから、塩化ベンザルコニウムなどが入った殺菌作用の強力なものがいいでしょう。耳垢が単に湿っているだけの中等度のワキガの人は、殺菌作用が比較的マイルドなフェノールや銀などの入ったものがおすすめです。そして、耳垢がカサカサしていてワキガでない人は、植物抽出エキスなどを配合した制汗剤を使ったり、ウエットティッシュで拭くだけでも十分です。ワキガではない人が殺菌作用の強い制汗剤を使うと、皮膚の常在菌が死滅してもっと強力な悪玉菌が繁殖し、かえって汗の臭いが強くなってしまいますから、自分に合った制汗剤を使うことが大事です。
 また、制汗剤はわきの下に局所的に使うものなのに、全身に塗る人がいます。これは常在菌を殺してしまったり、体にある汗腺をふさいで体温調節をできなくしてしまうので、決して全身には塗らないようにしましょう。


汗の臭いで病気がわかることも

 汗の臭いは時として病気のサインとなることもあります。加齢臭の原因となるノネナールは中高年になると誰にでもできますが、まだ若いのに加齢臭が強い人や、それまであった加齢臭が急に強くなった時は要注意です。ノネナールが作られるのと、生活習慣病が起きる過程はまったく同じで、加齢臭は別名“メタボ臭”ともいえます。加齢臭が急に強くなったら生活習慣病にかかっている可能性があります。
 ほかにも、汗の臭いで病気がわかることがあります。汗の臭いが甘酸っぱくなったら糖尿病の可能性があります。アンモニアの臭いが強くなると腎臓の病気、卵の腐ったような臭いなら胃腸の病気、肉が腐ったような臭いの場合は肺の病気が疑われます。まさに、汗は健康のバロメーターです。
 汗をかかなくなった現代人は汗が臭くなっているといいましたが、もっと深刻な問題があります。汗をかかなくなると体温を下げられなくなるので、体は体温を上げないようにエネルギー代謝を落とします。代謝が低くなると新陳代謝が悪くなって血行も悪くなり、さらに代謝が落ちるという悪循環に陥ります。その結果、低体温になったり、また、体温調節がうまくできないために、外気温に合わせて体温が上がったり下がったりする、まるで変温動物のような体になってしまいます。炎天下ですぐに倒れてしまう子どもなどはその典型です。自律神経失調症やうつ病なども、さかのぼれば、このように汗をかかなくなり、体温調節がうまくいかなくなったことと大きく関係しています。
 夏本番の今こそ、汗を毛嫌いせず、大いに汗をかきましょう。もちろん、かいた汗は早めに拭いて清潔にするのはいうまでもありません。



あすの健康にむかって「ヘルシスト」2009年7−8月号より


多汗症についての相談(回答内容別)
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汗をかかないことが冷え・うつ・脳梗塞まで引き起こす万病のもと

汗をかくことで一定の体温に保つ

人間の体は熱に弱く、特に脳は40度を超える高熱にさらされると、数十分で大きなダメージを受けてしまいます。

そのため、体の内外で熱が生じたときは、すみやかに冷却しなければなりません。水分が蒸発する際に、熱を奪う作用があります。この性質を利用して、体温調節の機能を果たしているのが「汗」です。

どんなに暑い日でも、発汗によって私たちの体温変化は1度以内に抑えられ、たいせつな脳は守られます。これは、人間特有の優れた機能です。

ところが現代では、“普通に汗をかける”人が少なくなり、極端に汗かきだったり、ほとんど汗をかかなかったりという人が急増。冷房の普及や運動不足などで、汗をかく機会が失われているのが原因です。

一般に「汗=汚い」というイメージが広がっているせいか、「汗をかかないのはいいことだ」と思っている人も少なくないでしょう。

しかし、汗をかかないのは、皆さんが思う以上に危険なことなのです。汗と同じ冷却機能を持つものに、車のラジエーターがあります。これが壊れるとオーバーヒートしてしまいますが、車の場合ならエンジンを止めれば危険を回避できます。

では、人間の場合はどうか。いくら汗をかけなくなったからといって、呼吸や臓器の動きを停止させることはできません。仕方がないので、なるべく熱を出さないように、代謝活動を抑えるしかないのです。

代謝を抑制するというのは、体内でのエネルギー消費をへらすことになります。すると体温が下がって血行が悪くなり、末端の細胞にまで酸素が行き渡らなくなってしまいます。これが冷え性の始まりでもあるのです。

血液循環は私たちが生きるために欠かせないもの。ですから、血流が悪くなれば、必然的に体全体の機能にも悪影響を及ぼします。

例えば、自律神経(自分の意志とは関係なく働く神経)を調節する中枢が悪影響を受け、体に必要なホルモンがうまく分泌されなくなることも。

思考や感情をコントロールするホルモンが不足すれば、イライラしたりうつになったりするなど、精神的なバランスを狂わせてしまいます。血管性の疾患を引き起こす危険も高まりますので、脳梗塞や心筋梗塞にもなりやすいのです。

汗をかかないのは、まさに万病のもと。だからといって、単純に汗をかけばいいというわけではありません。

同じ汗でも、「いい汗」と「悪い汗」があるからです。

いい汗とは、サラッとした水に近いもの。汗の粒自体が細かいため、肌の上ですぐに蒸発してしまうのが特徴です。一方、塩分が強かったり、嫌なにおいのするものは悪い汗。不純物を多く含むので、ベタベタして不快感があります。

蒸発しにくい大粒の汗も×。体温が下がらなければ、いつまでも汗が止まらず、体内の水分を不足させたり、疲労を伴うのです。

そもそも汗は血液中の「血漿」から作り出されますが、血漿そのものを分泌してしまっては、心身の維持に必要なミネラルなどの成分が失われすぎてしまう。それに体温を下げるには、水分だけ蒸発するほうが都合がいいのです。

こうした理由から、血漿に含まれる成分のほとんどは血管に再吸収させ、なるべく純粋な水分だけを汗として出すことがたいせつなのです。

ところが、汗をかく機会がへると、「エクリン腺」(汗腺の一つで発汗によって体の熱を放出する)という汗腺の働きが悪くなり、再吸収の作業がスムーズに行われなくなる。すると、血漿の成分もいっしょに対外へ出てしまいます。

寒暖の差を緩やかにすること

私たちの全身には、多い人でおよそ500万ものエクリン腺が張りめぐらされています。これは体のなかでも未発達な器官。使わなくなるとすぐに退化してしまうのです。

先ほど、冷え性の人は汗をかきにくいといいましたが、その反面、一定の温度を超えるとドッと大汗をかくことも。急激な汗には血漿の成分を再吸収させる時間もないため、やはり悪い汗になってしまいます。

いい汗はゆっくり出すもの。冷え性の人に限らず、寒暖の差はなるべく緩やかにしなければなりません。

特に真夏は冷房の効いた寒い部屋からいきなり暑い屋外へ出たりせず、5分ほど中間温度で体を慣らしてから移動するといいでしょう。

また、この時期には汗をかきすぎるという相談も多いのですが、どうしても困ったときには、一時的に発汗を止めるのも有効な手段です。左右の胸から5cmほど上のあたりをそれぞれ親指で強めに指圧すれば、上半身の汗が一時的にストップ。逆に下半身の汗を止めたい場合は、ベルトの位置を少しさげてキュッと締めます。

多汗症の人は、「汗をかたらどうしよう」という緊張や不安を抱えていることが多く、そのことがさらに発汗を促します。それにはまず、精神的な不安を取り除くことが重要。一時的でも汗を抑えることができれば安心感や自身につながり、徐々に汗の量も普通になっていくのです。

リラックス効果のあるものとしては、指先でトントンとたたく「タッピング」などもお勧めです。

汗の出やすい頭皮やわきの下、首周りにタッピングするのも、緊張をやわらげて汗を抑える作用が期待できます。

それでも気になる場合は、ミョウバンや重曹を使った手作りの消臭制汗剤を使うのも手。どちらも食品に使われているものですから安心して体につけられるうえ、スーパーなどで簡単に購入できます。

作り方は、ミョウバンや重曹を好みの濃度で水に溶かすだけ。布にしみ込ませて肌を拭きたい場合は、やや濃いめに。薄めに溶かして洋服にスプレーすれば、消臭効果を持続させることもできます。

アンモニア系の強いにおいがする人はミョウバン水、加齢臭や皮脂のにおいが気になる場合は重曹水を使うのがいいでしょう。

暑いからといって、いたずらに汗を抑えようとするのは逆効果。冷房ばかりに頼らず、ちょっとした工夫で不快指数をへらしながら、上手に夏を乗り越えてください。

 

ゆほびか 2009年9月号より

 


多汗症についての相談(回答内容別)
多汗症についての相談(質問内容別)

汗はメタボのバロメーター

暑さも本番、汗の季節を迎えました。とはいえ、自宅も電車もオフィスもエアコンで、特に運動習慣もなし……これではほとんど汗をかくことがありません。汗をかくことが少ないと、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)にもかかわってくるとか。しっかりと健康的な汗をかけるように、汗(汗腺)のトレーニングを始めましょう。


汗をかかない生活は、メタボの危険

さまざまな機能が集中する脳は、温度が37度弱で最もよく働きます。これに合わせてヒトの体温は通常37度弱に保たれ、超える場合は汗で冷やすしくみになっています。ところがエアコン漬けになっていたり、運動不足などで、汗をかくことが少ないと、汗をかく機能が衰えて(退化して)しまいます。
すると体は、汗を必要としないように、体温を上げない。すなわち熱を発生させない体質に変わっていきます。そうなると、脂肪の燃焼には熱が必要なのですが、これも抑えてしまうため、肥満やメタボリックシンドロームの危険性が高まります。


体自身が作る熱での発汗は「いい汗」

では、健康的な汗をかくにはどうしたらよいのでしょう。まず、ウォーキングなど外気に触れながらの軽い有酸素運動を行いましょう。体自身が作る熱によって発汗する習慣が身に付きます。老廃物などが少ないサラサラした「健康的な汗」です。
このほか、汗腺を刺激して自然な発汗を促すのによ、下記のような「汗腺トレーニング」を取り入れてみましょう。


汗腺トレーニングで「いい汗」かこう

1.お風呂は半身浴
・お湯の量はみぞおちがかくれる程度。
・お湯の温度は38度くらいのぬるめ。
・首までつかってしまうと、入浴中に汗をかけない。

2.湯上がりにはうちわ
・入浴後にクーラーで急に体を冷やすと、汗腺が働かず、床に就いてから(就寝中に)汗をかきやすくなる。
・うちわであおぐ程度にして、自然な発汗で体が冷めるのを待つ。

3.根菜類、大豆製品をしっかりとる
・大根、にんじん、ごぼうなどの根菜類や大豆製品の多くは体を温める。
・すったしょうがをガーゼでこした汁を、お湯や紅茶に入れて飲む。

冷房の効きすぎは自然な発汗を妨げます。冷房の温度に気をつけ、室温と外気温の差は5度(猛暑でも7度)以内に抑えましょう。


ふき出す汗はぬれタオルでふいて

肌がしっとりぬれる程度の汗には、塩分がほとんど含まれていないために、汗ふきは乾いたハンカチやタオルで十分です。しかし、ふき出すような汗には塩分が多く、肌に付いた塩分が水分の蒸発を妨げることになるため、ぬれタオル(おしぼり)でふき取りましょう。


健康のひろば 2008年6月21日号より

 


多汗症についての相談(回答内容別)
多汗症についての相談(質問内容別)

気になる「汗」と「におい」を解決!

◎汗とにおいについて知っておこう!


暑いと汗が出るのはどうして?からだがにおうのはなぜ?知っているようで知らない、私たちの汗やにおいのこと。きちんと対策をするためにも、まずは汗とにおいについて正しく知っておきましょう。


○汗の種類と役割 ― 汗は熱を発散し、体温を下げる
汗は、皮脂にある汗腺(エクリン腺とアポクリン腺)から出る分泌物です。
私たちがふだん“汗をかく”というときはエクリン腺の汗のこと。エクリン腺は全身にあり、暑いときの体温調節をはじめ、緊張したとき、辛いものを食べたときなどに汗を出します。一方、アポクリン腺は、フェロモンのように異性をひきつける役割でしたが、進化の過程で退化し、現代ではわきや性器の周辺に存在するだけです。

・エクリン腺は全身にあり、皮膚表面に直接汗が出ます。アポクリン腺は主にわきの下に多く、汗は毛穴を通って出ます。また、わきの下の毛穴には皮脂腺もあって油脂成分が分泌。

○汗がにおう理由―汗そのものは、におわない
エクリン腺の汗もアポクリン腺の汗も、からだの中では無臭。汗がにおうのは、皮膚表面の細菌に分解・酸化されるためです。エクリン腺から出る汗はほとんど水分のため、においが発生するまでにしばらく時間がかかります。けれども、アポクリン腺の汗は、たんぱく質や脂肪酸などの物質を含み、皮脂腺から出る皮脂と混ざりやすいので、皮脂表面に出るとすぐに強いにおいを発します。

○においやすい場所 ― わきの下、足の裏がにおいやすい
アポクリン腺が最も多いわきの下は、皮脂や雑菌の繁殖も早いため、においやすい場所です。性器周辺にもアポクリン腺がわずかですが存在し、生理などもにおいの原因になります。エクリン腺が多いのが、手のひら、足の裏、ひたい。とくに足の裏は、靴や靴下などでムレるため、雑菌が繁殖しにおいが発生しがち。皮脂腺が多い頭部や、周囲のにおいを吸着しやすい髪にも気をつけてください。

・汗をかきやすいココに注意!
頭−頭の皮膚に皮脂腺が多いので、においが発生しやすい場所です。また、においを吸着しやすい髪は、周囲のにおいもつくので要注意。
わき−アポクリン腺が集中しているうえ、皮脂や雑菌が繁殖しやすく、においが強くなる可能性が。
また−性器にはアポクリン腺がわずかに存在するので、においやすい場所。生理などによるにおいも気になります。
足の裏−エクリン腺が密集し、靴下やストッキング、靴など、蒸れてにおいが発生しやすい条件がそろっています。

one point advice ― ストレスによるにおいに注意
忙しすぎたり、人間関係がつらかったり・・・、こうした過度のストレスを感じつづけると、からだの中の活性酸素が増えてしまいます。活性酸素によって酸化された脂質が、皮脂腺から出る脂肪酸と結びつくと、いやなにおいの原因となりますので気をつけて。

 

◎汗対策と体質改善で、におわないからだに!


体温を調節するなど、人にとって汗をかくことは重要なことです。でも、汗をかいたままでは、においのもとに!汗対策のポイントは、汗をかいたあとのケアと、においにくい体質に改善することです。


解決1 ― 汗をかいたら、すぐふく!
エクリン腺からの汗は、1時間以内にふけばにおい防止になります。というのは、約1時間で雑菌が繁殖し、汗を分解・酸化してにおいが発生するからです。また、汗をかけばかくほど塩分濃度が濃くなり、ネバついてほこりなどがつきやすくなるので、早めにふきましょう。

[汗はすぐふく]
乾いたハンカチで、汗を押さえつけるようにふきます。何度も汗をかいてネバつくようなら、ぬらしたタオルで。

解決2 ― サラサラ汗をかく習慣をつける!
汗も、サラサラとした「いい汗」と、ドロドロとした「悪い汗」があります。運動不足で空調の整った部屋にいることが多い人は、血行が悪くなり、乳酸という疲労物質が大量に生産されます。この乳酸は、においのもとであるアンモニアの分泌を増加するため、においの強いドロドロとした「悪い汗」となるのです。逆に「いい汗」は、スポーツのあとやお風呂上がりにかく、サラサラとした汗です。普段から汗をかく習慣をつければ、水に近いサラサラ汗になります。

[クーラーに頼りすぎない]
クーラーに頼って、夏でも汗をかかない生活を送っていると、どんどん「悪い汗」になっていきます。ときどきはクーラーを切って、自然に汗を出しましょう。

[運動して汗を出す]
普段から運動をして、「いい汗」をかく習慣をつけましょう。積極的に汗を流すことで、汗腺をよく働かせて、ドロドロとした「悪い汗」を減らすことができます。


解決3 ― 吸湿性の高いインナーでサラサラ肌に!
オシャレなブラウスなのに、汗じみやベタつきは気持ちよくありません。しかも、汗をそのままにしては雑菌のエサになり、においのもとに。夏にインナーを着ると、よけいに暑い気がして素肌に直接アウターを着る人が多いですが、インナーをうまく使えばサラサラ感を高め、心地よく過ごすことができます。ポイントは、通気性が高く、汗をよく吸いとって素早く発散させるものを選ぶこと。消臭効果や抗菌作用のあるインナーも開発されているので、夏こそインナーが大切です。

解決4 ― アルカリ性食品でにおいのもとを絶つ!
酸性食品の肉類や添加物の多いインスタント食品ばかりを食べていると、抵抗力が無くなり、においの原因となります。アルカリ性の食品は、それらの食品を中和するので、においのもとを絶つことができます。においに効果があるアルカリ性食品は、梅干しやお酢、海藻類、緑茶などです。なにより、バランスよく食べて健康を保つことが、からだの不調によるにおいを予防することにつながります。

[消臭効果のある食品] 梅干し 緑茶 お酢 海藻類
梅干しやお酢は食品として酸性ですが、からだの中で燃焼するとアルカリ性になります。また、海藻類に多く含まれる食物繊維は、アンモニアなどのにおい成分を体外に排出してくれます。緑茶には、ポリフェノールの一種であるカテキンが含まれていて、口臭予防に効果があります。

[におうもととなる食品] ハンバーガー インスタント食品 肉類
肉類やファストフードなどの脂肪分は体内で酸化して、におい物質を発生します。そのうえアポクリン腺や皮脂腺の発達につながることも。インスタント食品は、食品添加物がにおいのもとになるといわれています。


解決5 ― お風呂で、汗腺機能を回復!
汗腺は汗を出すだけでなく、汗と一緒に分泌されたからだに必要なミネラル成分などを体内に再吸収しています。再吸収がきちんとされていれば、汗はほとんど水分と塩分のサラサラした「いい汗」でにおうことはありません。しかし、汗をかかない生活を送っていると汗腺機能が弱まり、必要な成分が再吸収されずに肌表面に残ります。これがベタつきやにおいの原因に。そこで毎日の入浴で汗腺をトレーニングして、汗腺機能を高めましょう。

1.高温の手足浴で、汗腺を目覚めさせて43℃くらいの熱めのシャワーを、ひじ先とひじ下に10〜15分かけます。バスタブにお湯をはって手足をつけてもOK。5分程度で汗腺が働きはじめ、汗が大量に出てきます。

2.ぬるめのお湯につかり、リラックス。バスタブに36℃くらいのぬるめのお湯をはって、ゆっくりと10〜15分つかり、高まった交感神経をしずめます。半身浴でも全身浴でも好きなほうで。お酢をコップ1杯入れると、さらに汗腺機能回復に効果的。

3.自然に乾かして、働きだした汗腺を休ませない
お風呂から上がったら、出ている汗はタオルでふきとります。あとは、すぐに服を着ないで自然に蒸発させて乾かします。扇風機やエアコンで強制的にからだを冷やしてもいけません。リンゴ酢や黒酢などのお酢のドリンクで水分を補給すると、におい予防にも。

ONE POINT ADVEICE
指を水に長くつけていると白っぽくふやけますが、顔の肌も同じ。顔は角質層が薄いために、白っぽく見えないだけです。水分でふやけた肌は角質層が壊れやすくなっています。また、水分は蒸発するときに、肌の天然保湿成分も一緒に奪っていきます。顔の汗はそのままにせず、すぐにふき取りましょう。ゴシゴシふくと肌を傷めるので、必ず押さえて吸い取って。



◎パーツ別 汗・におい対策


からだの中でも、とくににおいやすい場所があります。
気になるのは、やはり、わき、足、頭。それぞれの対策方法を。

○夏場はとくに気になる「わき」
電車のつり革につかまるときや、ちょっと腕を上げたときなど、とても気になるのが、わきの汗とにおい。6ページでも紹介したように、汗をすぐふき取ることが第一ですが、さらに、におい予防には、わきのお手入れや服にしみこませないことなども大切です。

ワキガ体質チェック
最近、ワキガでは・・・?と悩んでいる人が増えているそうです。自分ではわかりづらいものだけに、まずは簡易チェックをしてみましょう。当てはまるものにチェックをしてください。

□耳あかがネバついて湿っている
□インナーや服のわきが黄ばむ
□わきにかく汗が多く、粘りけがある
□家族にワキガ体質の人がいる
□わきの毛が多い、もしくは太い
□肉類中心の生活をしている

当てはまる項目が多かった人、もしくは「耳あかがネバついて湿っている」にチェックがついた人は、ワキガ体質の可能性が高いです。
3つ以下なら、単なる汗のにおいであることが多いので、きちんと汗対策をすれば大丈夫です。
*ワキガ体質の人はアポクリン腺が活発に働いています。どうしても気になるようなら、ワキガ治療を行っている病院やクリニックでアポクリン腺の検査ができます。


解決1 ― 制汗デオドラント剤で殺菌・消臭!
デオドラント剤には、いろいろなタイプがあります。強いにおいに悩んでいる人は、雑菌が増えないように殺菌効果のあるものを。汗や汗くささをおさえたいだけなら、殺菌効果のないマイルドな制汗剤で充分です。また、使いやすいスプレータイプ、外出先でふき取るのに便利なシートタイプ、皮膚に均一に塗れるロールオンタイプ、皮膚へ密着度の高いジェルタイプ、制汗作用の高いパウダータイプなどもあります。どれも、つけたあと、薬剤を乾燥させることがポイントです。デオドラント剤の使いすぎは、すべての雑菌を殺してしまい、もっと強い雑菌が繁殖してより強いにおいになったり汗腺をふさいでしまうこともあるので、週に2日ほどは使用を休みましょう。

解決2 ― わきの下のお手入れで、雑菌の繁殖を防ぐ!
わきの毛を伸ばしたままだと、アポクリン腺から分泌された汗や皮脂が付着しやすく、雑菌も繁殖しやすくなります。これでは、においが発生する環境を作っていることになり、どんな制汗剤を使っても効果は半減。わきのにおい防止のためにも、ふだんからムダ毛処理をしておきましょう。

解決3 ― わきパッドなどで、洋服に汗をしみこませない!
インナーやアウターなどの衣類に汗がしみこむと、においが発生しやすくなります。わきパッドなどを利用すると、衣類に直接汗がつかないので、においが気にならず快適に過ごせます。6ページで紹介したように吸湿性の高いインナーを着て、アウターまで汗を通さないという方法も効果的。さらに夏場はアウターも、綿や麻などの放熱性や放湿性の高いものが汗とにおい対策におすすめです。

 

○汗をよくかき、靴でむれる「足」
足の裏や足の指のまわりは、からだの中でも最も汗腺が多いので、汗をかきやすい場所です。また、靴を履くために高温多湿になり、細菌が繁殖しやすい環境にあります。ふだんから清潔にしておくことが大切です。

解決1 ― 足は常に清潔にしておく!
足のにおい防止には、なんといっても洗うことです。足の指や爪は、意外と手入れを忘れがち。においの原因となる汗やほこりは、指1本1本ていねいに洗い流しましょう。洗ったあとに湿気が残っていると細菌が発生しやすくなるので、ゆびの間までよくふき取ります。

1.指の間をていねいに洗う
足の指と指の間に、手の指を入れるようにして、石けんなどをよくあわ立てて洗います。1本1本ていねいに。
2.爪ブラシで汚れをとる
足の爪の隙間は、爪ブラシなどを使って汚れを取り除きます。かかとや足の裏、爪のまわりにある余分な角質も落とします。
3.湿気をふきとる
乾いたタオルで、足をよくふきます。指の間にも湿気が残らないように、ていねいにふいて。
4.クリームなどでケア
最後に汗やにおいをおさえる効果のあるクリームやパウダーなどを塗ります。塗ったらきちんと乾かしましょう。

解決2 ― 出かける前にお酢で足浴を!
お酢は足のにおいにも有効。出かける前に、洗面器にお湯を入れてお酢をたらし、足をひたしますす。お酢の殺菌効果で細菌が減り、におい防止に。おすすめは、炭を作るときにできる竹酢液や木酢液です。

解決3 ― 靴をお手入れして防臭!
足のケアをしても靴ににおいがあると足にうつってしまいます。1日にコップ1杯もの汗をかく足にはいている靴は、1日はいただけでかなりの湿気に。脱いだ靴は、消臭剤をスプレーしてから、乾燥剤を入れて陰干をし、よく乾燥させます。できれば、毎日同じ靴を履くのは避けて、2日おきぐらいに履きましょう。吸汗性のあるインソールを靴に入れたり、1日のうちでも履き替えたりするとむれを軽減できます。


○いろいろなにおいがつきやすい「髪」「頭皮」
頭もにおいが気になる部分。頭のにおいの原因には、大きく2種類あります。皮脂腺が多く、においが発生しやすいのが頭皮、周囲のにおいを吸着しやすいのが髪の毛です。

解決1 ― 髪の洗い方に注意!
におうからといって髪をゴシゴシ洗っては、キューティクルを傷つけ、かえってその傷に周囲のにおいが吸着しやすくなります。また、髪の洗いすぎもキューティクルが流れ落ちるので、毎日のシャンプーは避けて、ときどきはお湯で流すだけにしてあげましょう。髪が生乾きの場合は、においがより付着しやすいので、朝に洗髪する場合は、しっかりと髪を乾かしてから出かけるようにしてください。

解決2 ― 洗髪後にミネラルウォーターをスプレー!
髪を洗ったあとで、スプレーボトルに入れたミネラルウォーターをシュッとふりかけます。それからドライヤーなどで乾かして。ミネラルウォーターに含まれるミネラル分が、キューティクルの傷をふさぐ役目を果たし、においの吸着を阻止してくれます。外出前にさっとスプレーするのもにおい予防に効果的です。できるだけカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が多い硬水を選ぶといいでしょう。

 

FELISSIMO 桜なでしこ 2005年4月  より


多汗症についての相談(回答内容別)
多汗症についての相談(質問内容別)

自然塩入浴で「寝たふり汗腺」を呼び起こそう

人間の知的活動は汗の賜物である

最近汗をかかない人が増えているといいます。あるいは臭くなる、ベタベタするといって汗をかきたくないという人も多いそうです。この状況は専門家から見れば、「文明の危機」と言っても過言ではありません。
汗ごときで文明の危機とは大きく出たものだと思われるかもしれませんが、この文明社会をつくり出したのは人間の脳、その脳の働きと汗とは非常に密接な関係にあるのです。
人間は恒温動物であり、ある一定の範囲内で体温を調節して生きています。なぜ体温をある程度一定に保たなければならないかというと、脳細胞が温度変化に弱いからです。
運動前に準備体操をしてウォーミングアップするように、筋肉にしろ、臓器にしろ、私たち人間の体は温めたほうがよく機能します。しかし、脳だけは例外です。誰しも経験があると思いますが、平均体温が37度の人が38〜39度に上昇した時、会社に行くことはできても頭はボーっとして、じっくりものを考える、細かい計算をやる、難しい資料を読みこむなどといった頭を使う仕事は困難になります。これは体温の上昇と同時に脳の温度も上昇しているからです。
この事例からわかるように、脳の温度が1℃でも2℃でも変化すると人間は思索する、哲学する、文明を発達させるような発明・開発に取り組むなどといった知的活動が行えなくなります。そこで人間の体温、というよりも脳の温度を一定に保つために重要な働きをしているのが汗なのです。
ここで体内における熱と汗の関係を簡単に説明しましょう。
人間は生きていくためにエネルギーが必要であり、このエネルギーを生みだす働きを「代謝」といいます。車のエンジンが回り出すと熱くなるのと同じ原理で、代謝をすると体内に熱を生じます。するともっと代謝が活発になります。つまり、代謝する→熱が出て体温が上昇する→もっと熱が出て、さらに体温が上昇する・・・というように、放っておくと人間の体温はらせん状に上昇していくことになります。
しかし実際に体温が上昇し続けることはありません。それは次の3つの方法で熱を外へ放出しているからです。
1つは放射といって、体温より外の温度が低い時、熱は自然と体外へ出て行きます。2つ目は伝導といって、豚や象、カバの水浴びなどがそれに相当します。例えば豚が泥水の中でゴロゴロしているのは、ただ泥んこ遊びをしているのではなく、冷たい水に触れることで体内の熱を放出しているのです。要は打ち水の原理です。しかし人間は体温が上昇したからといって、いちいち水浴びをしていられるほど暇ではありません。もっと効率的に熱を放出しなければなりません。それが発汗なのです。


良い汗・悪い汗

私たちはエクリン腺という汗腺から汗を出していますが、人体の発達段階からみると非常に未熟な器官です。重要な役割を担っていながら怠け者で、実際に「汗を流して」働いているのは半分程度。子どもの頃から空調の整った環境で育った現代人は汗腺を使う機会が減っているため、エクリン腺がどんどん退化しています。
しかし、汗もただたくさんかけばいいというものではありません。汗にも良い汗と悪い汗があるのです。次の項目でみなさんが普段かいている汗が、良い汗なのか悪い汗なのかチェックしてみてください。

○平均体温が低い
○汗はめったにかかないが、かくときは玉のような大粒の汗がとめどなく流れる
○汗をかいた後はベタベタして臭う
○慢性疲労である
○冷え症である

これらに該当した方は、おそらく悪い汗をかいているのではないかと思われます。
そのメカニズムを簡単に説明しますと、人間には適応能力があり、うまく汗をかけないとなるべく熱を出さないよう、低代謝で低体温の体質へ変わっていきます。発汗による体温調節ができませんから、外気温が上がれば一緒に体温も上がり、下がれば下がる。つまりカエルやトカゲなどの変温動物と何ら変わらなくなるのです。
機能している汗腺が少ないと、いざ体温が上昇した時、限られた働き者の汗腺から一気に汗を出さなければなりません。本来、脳の温度を下げるためにかく汗はさらさらしていて水に近いのですが、どっと噴き出した汗には体内のいろいろな成分が含まれ、ベタベタや汗の臭いの元となります。また、人間の元気の源であるミネラルまでもが流失してしまうため、慢性疲労に陥りやすくなってしまいます。
ベタベタする、汗臭くなる、するとますます汗をかきたくなくなる。ますます代謝をしなくなる。その結果血行不良になり、冷え症になって、さらには体内の血液が濃くなり血栓ができやすくなります。当然、脳梗塞や心筋梗塞への危険性が高まっていきます。
また、脳の視床下部には体温を調節する中枢がありますが、その温度が上がったり下がったりして乱れると、隣接する自律神経の中枢やホルモンの中枢も乱れます。最近、自律神経の失調やホルモン系のいろいろな失調を訴える人が増えているのも、汗をうまくかけないからだと指摘する専門家も少なくありません。
汗が私たちの体にとって非常に重要な存在であることを認識していただけたと思います。冒頭で、「汗をかかなくなったことは文明の危機」と申し上げたのも納得いただけるでしょう。


自然塩入浴で汗腺トレーニング

日本には四季があり、かっての日本人は夏には夏の、冬には冬の皮膚感覚で、五感を働かせて汗をかいていました。空調機能が整った現代でも、外気温との差を5℃に設定したりするなど汗腺を眠らせない努力が必要です・・・、などと昔を懐かしんだり、現実味のないことをいっても始まりません。
この冷房列島日本では汗腺機能を高める積極的な方法を考えなくてはなりません。そこでお勧めするのが、「自然塩入浴」です。
自然塩をお風呂に入れるだけ、という至って簡単な入浴法ですが、その効果は絶大です。
何と言っても、塩には温熱効果があり体の芯まで温まります。お湯だけの場合、最初に皮膚表面が温まりますが、芯まで温まるには時間を要します。皮膚表面が温まって出る汗はどっと噴き出すベタベタ汗、芯から温まって出る汗は、粒状でうっすら皮膚に浮かぶ水のようなサラサラ汗です。
冷え症や冷房病などは体の芯が冷えているため、内臓部に一所懸命血液を集め、手足に血液を届けられないことが原因です。芯から温まれば自然と改善されるでしょう。
ただ汗をかくだけならば精製塩を使った入浴でもいいのですが、先ほどお話しした通り、汗と一緒に体内に必要なミネラルも流失してしまいます。それを補うために、ぜひ海水のミネラルが入った「自然塩」を使っていただきたいのです。
また、自然塩入浴には体内の毒素を排出する働きもあります。
毒素にも体内でできるものと、体外から入ってくるものの二通りあって、体内でできた毒素、つまり老廃物は腎臓でほとんど分別され、尿と一緒に排出されます。
しかし、現代社会では環境汚染によって水銀や鉛、カドミウムなど、体外から入ってくる有害金属があります。これらの物質は腎臓がその働きを完成させた500万年前には存在しなかったため、尿として排出することはできません。
一方、前述の通り汗腺は、未熟な器官であるため、あれこれと分別することもなく、体内に入り込んできた有害金属を汗と一緒に排出するのです。かって水俣病が問題になった時、水銀中毒の患者に発汗を促して水銀を体外に排出させたことをご記憶の方もいらっしゃるでしょう。
また、自然塩入浴では皮脂腺の毛穴を広げてくれる作用があります。有害金属は脂肪とくっつきやすいため、毛穴が広がって皮脂が出やすくなる分、有害金属も一緒に排出されるのです。自然塩入浴で眠った汗腺を呼び起こし、トレーニングさせることによって、日常的にいい汗をかけるようになるでしょう。

自然塩入浴を効果的に行うために

さてここで、「自然塩入浴」を行う際の留意点やポイントをいくつかお話ししておきます。

(1)自然塩を使う
前述の通り、流失するミネラルを補うためにも自然塩を使いましょう。精製塩を使用する場合は、「にがり」を入れて、ミネラルを補完してください。

(2)自然塩の量は約30〜50g
浴槽の大きさやお湯の量によっても異なりますが、家庭の標準的な浴槽の場合、30〜50gが適当。

(3)お湯の温度は38〜39℃程度
自然塩によって温熱効果が高まるので、38〜39℃くらい。ぬるくても十分体は温まり、汗が出てきます。

(4)入浴時間は約15〜20分
慣れないうちは長く入っていると皮膚がふやけて、汗腺の出口をふさいでしまうので、15〜20分が目安です。うまく汗腺が働くようになるとそういうことはなくなるので、徐々に長くしていけばいいでしょう。

(5)お風呂あがり、要注意!
「ああ、暑い、暑い」と言って、すぐビールを飲んで冷房のきいた部屋で過ごしていませんか?実はこれが一番よくないのです。お風呂あがりはまだ体温は上昇したままで、タオルで拭いてもまだ汗は出てきます。しかし、そこで服を着たり、冷房を浴びると皮膚のセンサーが「汗を止めろ!」という指令を出し、止めてしまいます。体は熱を持ったままなので、睡眠に入ってからどんどん汗が出てきます。それが寝汗となって、明け方寝冷えするのです。出る汗は出しきってから服は着たほうがいいのです。

(6)水分補給はたっぷりと
自然塩入浴はたくさん汗をかくので、その前後はしっかりと水分を取ってください。酢に含まれるクエン酸は代謝を促進させるので、リンゴ酢や黒酢など摂取するとより効果が上がるでしょう。
繰り返しますが、汗は人間が生きていくのに欠かせない存在です。いきいきと知的生活を送っていくためにも、汗をかかない低代謝、低体温のサイクルを断ち切っていかなければなりません。空調が完成されたこの現代社会で、いい汗をたくさんかくことが心身ともに健康に生きる秘訣です。



致知 2005年9月号より

 


多汗症についての相談(回答内容別)
多汗症についての相談(質問内容別)

Q.暑くもないのに滝のような汗。気にすると、もっと出るような気がする。汗のにおいも気になる。

「これが噂に聞いていた更年期の大汗!?」という感じで、周囲の人が平気なことでも、私だけ大汗が止まりません。恥ずかしいので、「汗よ止まって!」と思うと、余計にダラダラ出てくるような気がします。粘っこい汗で、特に頭、顔、首がひどい。時間がたつと自分でも汗臭さが気になります。これって、更年期が落ち着くまで、仕方がないことなのですか? (55歳女性)


A.一度、産婦人科に相談を。HRTなども有効。かいた汗は、“みょうばん水”で拭きとって。

汗なんか、病気のうちに入らないと思うかもしれませんが、「人前で汗をかいてしまったらどうしよう」「汗がにおってしまったらどうしよう」といった不安が、生活に支障を来すようなレベルなら、一度医師に相談したほうがいいですね。

一般的な多汗症は形成外科やペインクリニックなどを受診しますが年齢的に更年期前後であれば、まずは婦人科医に相談してみるのがいいでしょう。ホルモン補充療法(HRT)や漢方治療などを受けるうちに「汗が気にならなくなった」というのはよくある話です。

また、「止めようと思えば思うほど汗が止まらなくなる」というのは精神的発汗の特徴的な症状です。精神性発汗とは、緊張したときや不安を感じたときなどに大汗をかいてしまうこと。更年期は独特のイライラ感や不安感があり、この精神性発汗が強く出やすい時期だといえます。ストレスを強く感じるときは、カウンセリングや自律訓練法などの心理的療法を受けてみるのも選択肢の一つです。

さて、においの問題ですが、「粘っこい汗」「汗臭さが気になる」というのは気のせいではありません。

実際、更年期の汗はスポーツなどでかくサラサラした汗と違って、ベタベタしがちでなかなか蒸発しません。また、更年期の汗にはアンモニアなどのにおい物質が多く含まれていて、汗が酸化して臭くなるだけでなく、汗そのものがにおいの原因になりやすいのです。

「できるだけ気にしない」というのは、実際にはなかなか難しいので、ここは一つ、「汗をかいても大丈夫」と思える対策を講じておきましょう。用意するのは、“みょうばん水”と小さめのタオルです。みょうばんにはアンモニア系のにおいを中和して消す効果があります。

みょうばん水はミネラルウォーター2リットルに対して50gのみょうばんを溶かします。これを含ませたぬれタオルを持ち歩いて、汗をかいたらすぐ肌を拭いてしまいましょう。みょうばんは、薬局などで買えます。

また、顔や頭の汗を「一時的に止めたい」というときは、人体の“発汗反射”を利用する方法があります。人の体は一定の部分に圧迫を受けると、一時的に汗をかかなくなる仕組みになっています。顔や頭の汗を止めるなら、両乳首の5cm上ぐらいをギュッとつねるか、指で強く圧迫します(皮膚への刺激がポイントなのでバストトップが下がっていてもこのくらいの位置でOK)ブラジャーのホックをいつもよりきつくするのも有効でしょう。

ただし、体全体の汗の量が減るわけではないので、顔の汗が減った分、他の部分の汗が増えるということも覚えておきましょう。




日経ヘルス・プレミエ 2009年12月号
明るいメノボ相談室


多汗症についての相談(回答内容別)
多汗症についての相談(質問内容別)

よい汗をかく生活法

Q.よい汗をかくためには「汗をかき慣れること」が必要だそうですが、どうすればよいのでしょう?
日常生活に気軽に取り入れられるヒントを教えてください。

A.季節ごとに変わる温度や湿度を肌で感じることが第一。夏はとくにエアコン漬けに注意しましょう。

 

現代人の汗が臭いのは、濃度の濃い汗をかいているからだと前号でお話ししました。悪い汗をかく理由は、汗をかいても汗腺を使用しないから。エアコン依存や運動不足によって汗をかかなくなったことから、現代人の汗腺機能は低下し、ネバネバした濃度の濃い汗をかくのです。

におわないよい汗をかくためには、何はさておき、汗をかく訓練を日常的にすることです。そのためには、季節ごとに変わる温度や湿度を肌で感じられるようにすることが第一。エアコンに頼りがちな昨今ですが、外気との差は5度以内にするなどルールを決めれば、その時々の温度や湿度に応じた量の汗をかくことができます。とくに、夏は暑気と寒気を短時間で交互に受けることが多いため汗腺疲労がおき、夏バテの原因となります。エアコンの効いた部屋と暑い戸外を行き来するときは、すぐに暑気や寒気にあたらず、5分ほど玄関先や階段の踊り場などにとどまり汗腺を慣らしてください。

正常に機能するためには、汗腺も慣らし運転が必要なのです。

さらに、有酸素運動などで積極的に体を動かし、内側から沸いてくるエネルギーであせをかきます。体の中を温めて汗腺機能の働きをよくしてかく汗は、においません。エアコン漬けになっている人は、シャワーだけでなく、入浴で体の芯を温めるとよいでしょう。ただし、湯船に浸かっているときは汗が出ても蒸発しないので、体の中に熱がたまっています。風呂上がりはすぐエアコンにあたらず、うちわなどであおいで汗を十分蒸発させ、熱を逃がしてから服を着ましょう。

より積極的な「汗腺トレーニング」は、入浴前に腕と足だけを42〜43℃くらいの熱めの湯に5分ほど浸してから微温浴をする方法です。腕と足の汗腺は老化しやすいので、腕と足の汗腺機能が高まると体全体でまんべんなく汗をかけるようになります。2週間くらい続けると、におわないよい汗がかけるだけでなく、体温調節機能が高まり、熱中症の予防にもなります。



へるすあっぷ21 2009年8月号


多汗症についての相談(回答内容別)
多汗症についての相談(質問内容別)

Q2 汗にもベタつく汗とサラサラ汗があるような…。それって何が違うの?

A.汗に含まれる成分や濃度が違い、体温調節の効力にも差があります。

汗の原料は、血管を流れる血液から汲み取った血漿。その血漿から、ミネラルなど体に大切な成分をろ過して血管に戻し、残りの水分を汗として放出します。

血漿成分の再吸収力が高ければ、出る汗は小粒で濃度が薄く、サラサラ。ところが、再吸収が不完全で汗の中に体に必要な成分が残っていると、大粒で濃度の濃い、ベタつく汗になってしまうのです。

私は便宜上、前者を“いい汗”、後者を“悪い汗”と呼んで区別していますが、いい汗は蒸発しやすいので効果的な体温調節が可能。悪い汗は流れるだけのムダ汗になりやすいといえます。



美的2009年8月号 別冊附録
夏の「涼感Body」パーフェクトケアBook より


多汗症についての相談(回答内容別)
多汗症についての相談(質問内容別)

多量の汗に潜む病気


「いくら暑いといっても、最近汗がすごいわね」と妻から言われたDさん(43歳)。汗のかき過ぎは何か病気と関係があるのだろうか。

暑さが増すこの季節、汗や臭いが気になる。実は、汗のかき方や臭いは、病気のサインになることもある。いつもと違った汗のかき方であれば、たかが汗と思わず注意してほしい。


例えば寝汗。寝入りばなや夢をいている時にかく汗は、生理的なもので、量が多くても心配ない。しかし、寝ている間中、汗腺から漏れ出すようにぐっしょりと汗をかくなら、結核や白血病といった病気の可能性もある。その場合の汗は、ミネラルなどの血漿成分が多く、ベタベタしてアンモニア臭がするのが特徴だ。


起床時も含め、全身に異常に多くの汗をかく場合には、ホルモンの分泌異常が考えられる。甲状腺機能亢進症(バセドウ病)では、過剰に分泌される甲状腺ホルモンの作用で代謝が高まり、多量の汗をかく。多汗と同時に動機や体重の減少、イライラなどがあれば、甲状腺機能亢進症が疑われる。

副腎の腫瘍である褐色細胞腫では、交感神経を刺激するアドレナリンが多く分泌されて、汗腺が刺激さあれるために多汗になる。このほか、肺の疾患や心不全などでも全身の汗が増える。

部分的に汗が増える病気もある。代表的なのが女性の更年期のホットフラッシュで、顔などの上半身に急激に汗をかく。糖尿病でも、上半身の発刊が増えることがある。これは、糖尿病で末梢神経が障害を受けて四肢の汗が減り、それを補うための代償性の汗が出ることによるおのだ。


汗をかきにくい病気も

女性よりも男性の方があせをかきやすい。それは、男性ホルモンが発汗を促すからである。そのため、男性ホルモンの分泌が低下して起こる男性の更年期障害では、汗をかきにくくなる。また、鬱病の場合にも発汗が抑えられることがある。50歳前後の男性で汗をかかなくなったという場合には、更年期障害やそれに伴う鬱病が考えられるので、専門医を受診するといい。

病気ではない多汗もある。会議の発表の前などに手や脇の下に多量にかく汗は、精神性発汗だ。緊張による汗のため、気にすれば気にするほど発汗するので、開き直るのが一番の解決策である。どうしても気になるなら、ボトックスという治療が有効だ。ボツリヌス菌由来の神経毒を製剤化したものを注射し、発汗を促す神経を抑制、麻痺させる。効果は3〜6カ月持続する。

一方、この時期、特に外回りの多いビジネスパーソンは、冷房の利いた室内と暑い屋外を頻繁に行き来することで自律神経が失調し、体調を崩しがちになる。しかし、上手に汗をかける体作りと日常のちょっとした工夫で予防はできる。まずは、日頃から運動や下半身浴などでしっかりと汗をかける体にすることが大切だ。また、温度差の激しい場所に移る際には、いったん玄関や踊り場などの中間の温度の場所で数分間体を慣らす。それだけでも夏バテ防止になるだろう。



日経ビジネス 2009年7月20日


多汗症についての相談(回答内容別)
多汗症についての相談(質問内容別)

Q1 そもそもなぜ夏はたくさん汗をかくの?

A.暑さで体温が上昇しすぎないよう、大量の発汗で調整しているのです。

人間が汗をかくのは、熱に弱い脳の酵素を外気の温度変化から守るためです。
脳にとっての適切な体温は37℃くらい。それより1℃でも上がると、頭がぼ〜っとしてくるはず。
脳の温度が上昇する前に体内の熱を蒸散させ、気化熱として放出させることが、汗の使命なのです。

体温調節のための専門汗腺、エクリン腺の進化は、脳の中枢神経が発達している“ヒト”だけの特徴。夏にたくさんの汗をかくのは、“ヒト”ならではの体温調節がきちんと機能している証拠です。






美的2009年8月号 別冊附録
夏の「涼感Body」パーフェクトケアBook より




多汗症についての相談(回答内容別)
多汗症についての相談(質問内容別)

いい汗かいてニオイにさよなら!〜汗を正しく理解する〜

この季節になるとどうしても気になってくるのが、汗とニオイの問題。ニオイが強い場合、その対策をするのは周囲に対する最低限のエチケットでもありますが、「少し臭うかな?」程度で過剰な反応をするのは考えもの。

ところで、汗にはニオイのない「いい汗」と、ニオイの発生しやすい「悪い汗」があるということをご存知ですか? 実は汗を作り出す汗腺は、使えば使うほどいい汗がかけるようになり、逆に使わないでいると機能が低下して悪い汗しかかけなくなるのです。
正しい知識を身につければ、汗は憎むべきものではなく、むしろありがたいものだということに気づけるはず。今年の夏は、一歩進んだ汗対策に挑戦しましょう。


そもそもどうして汗をかくの?

人間が汗をかく理由、それは代謝によって体温の上昇した体を冷却するためです。代謝は生物の生命活動に必要なエネルギーを作り出すと同時に、大量の熱を発生させます。高温動物である人間はこの熱を外に放出させようと、もともと存在していたアポクリン腺という汗腺を改良し、エクリン腺という体温調節専用の汗腺を作り出しました。このエクリン腺から出る汗が気化するときに熱を奪い、体温を下げるのです。


汗にまつわるエトセトラ

あらゆる生物の中で、人間がもっとも汗っかきだということをご存知ですか?
例えば、犬は舌を出すことで、象は水をかけることで、豚は泥浴びすることで、それぞれ体温調節を行っています。つまり、汗腺を作り替えてまで積極的に熱を下げようとするのは人間だけなのです。

これは、人間がどんどん脳を進化させていったため。様々な中枢神経が集まる脳は体内でも特に熱に弱い場所で、37度ほどで不調を訴え始めます。しかしエネルギーを得るためには代謝をしないわけにはいきません。代謝してエネルギーを作りたいけれど、脳もしっかり守りたい。その両方を実現しようとした結果、人間だけがこんなに汗っかきになったのです。


緊張したときにかく汗は?

手に汗握るとも言うように、緊張したときにかく汗は、体温調節のためにかく汗と異なり、そのほとんどがわきや手足の裏などにかく部分汗です。このような精神性の汗は、止めよう止めようと思うほど余計に噴き出してくるというやっかいな特徴があります。

精神性発汗の簡単な対処法「汗をかくてもいいや」と開き直ること。眠れない夜を思い出してください。眠ろうと思うと全然眠れないのに、徹夜しようと決めた途端に眠くなる、そんな経験をしたことはありませんか? 汗もそれと一緒。気にしないことが一番の薬になるのです。

休“汗”日を作ろう!

汗腺を使わずにいると機能が徐々に衰えていくというのは、前述したとおり。

したがって、あまり汗腺を使うことのない人はもとりん、誰もが普段からコンスタントに汗腺を働かせておく必要があります。けれど逆に使いすぎても、他の内臓と同じく疲労からくる故障を引き起こしてしまう恐れがあるのです。

そこで、週に1回ほど、休肝日ならぬ休汗腺日を作って、エクリン腺を休ませてあげましょう。




ミスティ 2009年7月号

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多汗症についての相談(回答内容別)
多汗症についての相談(質問内容別)

どうにかしたい!汗のニオイ

Q.汗っかきで、夏場はとくにたくさん汗をかきます。こまめに拭き取ったり、可能なときは着替えをしたりしていますが、やっぱりにおうのでは、と心配です。汗のニオイを防ぐよい方法はありますか?


A.いちばん簡単な方法は、汗をかき慣れることです。

ダラダラ、ベトベト、汗臭い!
近年、汗のイメージは最悪です。ひと昔前、汗は労働の結晶であり、スポーツでかく汗は健康の象徴でした。現代人は、なぜ汗をかくことを敬遠するようになったのか? それは臭い汗をかくようになったからです。

本来、かきたての汗は無臭です。汗の成分は99%以上が水、残りは塩化ナトリウム等の微量のミネラルです。その汗を長時間放置しておくと、皮膚の上で常在菌が繁殖し、汗臭くなるのです。ですから、汗をかいても細菌が繁殖する前に拭くなど、皮膚を清潔に保てばいくら汗をかいても臭くありません。

ところが、現代人の汗はかきたてから臭くなっています。それは、濃度が濃く、大粒でネバネバした「悪い汗」をかくからです。この悪い汗は皮膚の上ですばやく蒸発しないため、体温調節がうまくいかないことに加え、汗の中の血漿のニオイ成分が出てくるため、臭いのです。

悪い汗をかくのは、汗腺機能が衰えているからです。どのような器官でも、使わなければ機能が低下します。運動選手が現役を引退すると筋力が低下し、高齢者が寝たきりになると心肺機能が低下するのと同じで、汗をかかないでいると汗腺機能が低下してしまうのです。汗腺は汗の原料である血液を血管から汲み取り、血漿の成分は血管に戻して水だけを汗として出しますが、汗腺機能が低下すると血漿の成分も汗として出てきます。これはアンモニアや尿素などのニオイ成分が含まれているため、臭くなるのです。

では、臭くない「よい汗」をかくにはどうすればよいか? それは汗をかき慣れることです。四季の移ろいを肌で感じ、適度な量の汗をかくこと、冷房に頼らず、外気との温度差を5度程度にとどめること、積極的に体を動かし、体の中から沸いてくるエネルギーで汗をかくこと、エアコン漬けや運動不足の生活を改めることがよい汗をかく第一歩です。




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多汗症についての相談(回答内容別)
多汗症についての相談(質問内容別)

汗のにおいで病気がわかる?

質問
汗のにおいで病気がわかると聞きましたが、どういうことでしょうか?


答え
私は20年以上にわたり、汗やにおいの専門家として多くの患者さんを診てきましたが、その治療経験により、いい汗と悪い汗のあることがはっきりとわかってきました。

そもそも、汗は皮膚にある汗腺から分泌される水分と少量の塩分でできています。そのため、汗は基本的にサラサラしていて、においもありません。体が健康的ならば、通常はこのサラサラでにおいのない、いい汗が流れます。

しかし、汗の成分が変わり、においのすることがあります。これは、体に何かしらの悪影響が出ているためであり、悪い汗といえます。

では、どんなにおいの汗があるかをみていきましょう。

●アンモニア臭の汗
悪い汗の中で、最も多いものです。基本的に、冷暖房の使用などによる体温調節機能の衰えや過剰なストレスにより、汗を出す汗腺の働きが悪くなって起こります。というのも、汗腺の働きが悪くなると、本来は体内で吸収されるはずのミネラル(無機栄養素)が、汗といっしょに排出され、それが皮膚に住む細菌と結合して、アンモニア臭になるのです。

このため、汗腺の働きを悪くさせる多汗症や更年期障害といった病気でも、アンモニア臭の汗が出ます。

そして、意外なところでは腎不全や肝硬変といった病気でも、アンモニア臭の汗がでます。なぜなら、老廃物の処理を行う肝臓や腎臓に異常が起こると、本来は尿として排出される老廃物が血流に乗ってしまい、汗と一緒に出るからです。

●甘酸っぱいにおいの汗
糖を分解・消費するインスリンというホルモンの分泌が衰えると、糖の燃焼が進まないので、代わりに脂肪が燃焼されます。その結果、ケトン体という甘酸っぱいにおいのする物質が大量に発生し、汗にまじって出てくることがあります。これは、糖尿病の現れといえるでしょう。


●肉が腐ったようなにおいの汗
たんぱく質や脂肪が十分に消化されないまま、腸内のウエルシュ菌などの悪玉菌によって内容物が腐敗すると、肉や卵が腐ったようなにおいの汗をかきます。胃潰瘍や十二指腸潰瘍、腸炎など、消化器病があると出やすくなります。

また気管支炎や肺炎などの呼吸器病でも、同じようなにおいの汗が出ます。

上にあげたようなにおいの汗に気づいたら、念のため病気で検査を受けるとよいでしょう。


わかさ 2009年7月号

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多汗症についての相談(回答内容別)
多汗症についての相談(質問内容別)

あなたは汗についてどの程度知っていますか?汗に関する10項目

知っているようで実は知らない汗のアレコレ
このQが終わる頃にはあなたも「汗博士」の仲間入り!?
これからは「快汗生活」を送りましょう!


Q1 汗には2種類あり、それぞれ発生する場所が違う

1.はい 2.いいえ


Q2 汗が出るのをコントロールしているのはどこ?

1.脳 2.内臓 3.皮膚


Q3 汗をかかないと新陳代謝が低下する

1.はい 2.いいえ


Q4 よい汗とはどんな汗のことを言うか?

1.しょっぱい汗 2.サラサラした汗 3.粒が大きい汗


Q5 岩盤浴で汗をかくと免疫力がアップする

1.はい 2.いいえ


Q6 汗の成分は何と同じ?

1.尿 2.血液 3.唾液


Q7 臭う汗になる原因は?

1.脂肪の多い食事 2.ストレス 3.運動不足

Q8 加齢臭のもとになる物質は汗腺から分泌される

1.はい 2.いいえ


Q9 よい汗をかくと肌が美しくなる

1.はい 2.いいえ


Q10 汗に水分以外の成分は含まれていない

1.はい 2.いいえ

 


質問ごとに正解を紹介し、詳しく説明しています。

Q1の正解は 1.はい

汗は汗腺から分泌されます。汗腺にはエクリン腺とアポクリン腺があります。エクリン腺は体温を調節するために、ほとんど水分に近い汗を出し、全身の至る所に存在します。一方アポクリン腺はそのほとんどがワキの下に存在し、臭い、いわゆるワキガの原因となります。嫌われがちですが、本来はフェロモンのように異性を惹きつける役目がありました。


Q2の正解は 1〜3.すべて

ヒトは急激な外気温の変化を、まず皮膚で感じます。その後、温熱刺激がからだの芯に到達すると内臓や脳にある温度の受容器が体温の上昇をキャッチします。これらが互いに連携し合って発汗を調節しています。炎天下を歩いて冷房が効いた部屋に戻ったときには、脳や内臓は「まだ暑い」、皮膚は「涼しい」と相反する信号を出します。このときは皮膚からの信号が優先されるので汗は止まりますが、体内ではまだほてった状態が続いているのです。


Q3の正解は 1.はい

汗をかけないと体内の熱が行き場を失ってしまいます。すると、からだは自衛手段として熱が出ないよう対応します。人間の体内でもっとも熱が発生するのは、エネルギーがつくられるとき、つまり代謝の過程です。体内で熱をなるべくつくらないようにするためには、代謝が抑制されます。この結果、熱とエネルギーが十分につくられなくなり、体温が低くなり、新陳代謝が低下するのです。


Q4の正解は 2.サラサラした汗

「よい汗」とはかぎりなく水に近く、サラサラしていて粒が細かい汗のことです。こうした汗だと体温調節が効率よく行え、からだに必要な成分は極力含まれていません。逆に「悪い汗」は濃度が濃いうえに粒が大きく、ネバネバしてしょっぱかったりすっぱかったりします。こうした汗にはからだに必要なミネラル分が含まれ、大量にかくと夏バテなどの原因になります。


Q5の正解は 1.はい

免疫のなかで中心的な役割を担っているのが「NK細胞」です。NK細胞とは白血球の一種で、がん細胞やウイルスなどに感染した細胞を攻撃します。カプセル式岩盤浴で発汗した前後と10日後の免疫機能を8人の治験者で測定したところ、岩盤浴後に免疫機能の指標となる「NK細胞の活性」が高まっていました。


Q6の正解は 2.血液

ここで言う汗はエクリン腺から出る汗を指します。体温調節のために出る汗は、血液の血漿成分を薄めたものと同じです。99%以上は水分で、わずかな塩分と微量のミネラル(カリウム・マグネシウム・亜鉛・鉄など)、老廃物などが含まれています。体温調節のために水分が必要だったうえに、エクリン腺は全身にあるため、水分の安定した供給源として、全身にくまなく流れる血液が選ばれたのでしょう。


Q7の正解は 1〜3.すべて

汗は血液から水分を取り込むので、血液の成分によって汗の質も異なります。肉など脂肪の多い食事を多くとっていたり、ストレスが多い、運動不足といった環境だと悪い汗になりがちです。悪い汗をかくと、皮膚がアルカリ性となり常在菌が繁殖して臭いがきつくなります。逆にいい汗は皮膚を酸性に保つので、常在菌の繁殖があまりありません。


Q8の正解は 2.いいえ

オヤジ臭とも呼ばれる加齢臭の原因は、ノネナールという物質です。ノネナールは皮脂腺から分泌されています。このノネナールに口臭、汗やワキの臭い、タバコや食生活日常生活の環境による臭いがないまぜになったものが、加齢臭と考えられています。生活習慣病にかかっている人は加齢臭が強くなると考えられているので、暴飲暴食、睡眠不足、喫煙、過度のストレスなど生活習慣病の要因を避けるようにするとよいでしょう。


Q9の正解は 1.はい

汗は天然の保湿剤であり乳液でもあります。よい汗には適度な皮脂が分泌されているので、皮膚を保湿し、肌がしっとりしてくるのです。市販の化粧品と違って合成の界面活性剤が含まれない汗は、安全で天然の美容液と言えます。サウナや岩盤浴で汗をかいたときには、すぐに洗い流さず、皮膚になじませるようにして、自然に乾燥させるのが理想的です。


Q10の正解は 2.いいえ

汗は血液血漿成分と同じですが、すべての成分が排出されてしまうと、汗をかくたびに、からだに必要なミネラルが失われてしまいます。そのために、汗腺はくみ取った血漿の成分を、一度血管に戻し、残りの水分を汗として出しています。よい汗にはミネラル成分はほとんど含まれていないのですが、濃度の濃い悪い汗はこの濾過機能がうまく働かず、多くのミネラルを含んでしまっているのです。

 


MOANALIFE 2008年5月


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多汗症についての相談(回答内容別)
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よい汗をかくために注意したいこと7か条

 

汗をかきにくくなっている現代人。だからといってそのまま放置していては汗腺の機能が低下する一方です。日常生活でのちょっとした工夫を心がけて、上手に汗をかきましょう!


1.汗をかくことに慣れる
まず大事なのが汗をかくことに慣れることです。汗腺は使わなければ退化して、さらに汗をかきにくくなり、悪循環を招きます。
日本には四季があり、気温の変化が激しくなっています。夏にフル活動した汗腺は、秋から冬にかけて休み、春から梅雨にかけて暑さに順応するサイクルをつくっているのです。
エアコンに安易に頼ることなく、四季の移ろいを肌で感じましょう。ただ、真夏の熱帯夜にエアコンを使わないのは難しいでしょうから、まずはエアコンの設定温度を外気温マイナス5度で設定してみてください。
そして積極的にからだを動かし、汗をかく習慣をつけましょう。


2.半身浴を心がける
湯船に37〜38度の湯を張り、みぞおちのあたりまでつかる半身浴は、よい汗をかくためのトレーニングになります。肩まで湯につかってしまうと、汗が蒸発しないので体温を調節することができず、のぼせてしまいます。半身浴だと体温調節ができ、からだへの負担が少ないのです。湯につかりながら足首を上下に動かしたり、足を上から下でマッサージすると、温まった血液が全身をめぐり、からだの芯まで温まり、よい汗をかくことができます。
塩、墨、季節の果物や植物(ゆず・みかん他)、ハーブなの自然素材の入浴剤を使うと、さらなる発汗作用が期待できます。


3.手足高温浴で発汗トレーニング
浴槽に43〜44度の湯を張り、両手のひじから先と、両足のひざから下を湯につけます。湯船に風呂椅子を入れ、座って入浴すると疲れにくいです。
少し熱めの湯が汗腺を刺激し、発汗を促します。足や腕の血液が温まると血液が全身を巡り、からだの芯が温まるため脳の温度センサーが働き、よい汗をかくことができます。
手足高温浴のあとは、湯船に水を追加して微温浴をします。全身を湯につけてリラックスしてもよいでしょう。個人差はありますが、2週間程度でよい汗をかけるようになったという実感を得る人が多いようです。ただし、血圧の高い方や高齢者には負担が大きいので避けるようにしてください。


4.風呂上がりのエアコン禁止
風呂上がりは汗をかくチャンスです。夏の暑い時期はエアコン
でほてったからだを冷やしがちですが、せっかくかいている汗を抑えないようにしましょう。
入浴のあとはゆっくりと汗を出し、その汗で自然と体温を下げるようにします。本来、体温を調節するのは汗の役割なのですから、自然にまかせましょう。
せめて首すじやわきの下などを、うちわで軽く扇ぐ程度にすると効果的です。


5.からだを温める食品をとる
代表的なのが発汗を促進する「葛根湯」に含まれる葛根です。葛粉を水や湯に溶かしたものを、汗腺トレーニングの前に飲むとよいでしょう。からだを温める作用のあるしょうがを紅茶に入れる「しょうが紅茶」もおすすめです。
野菜のとり方も注意しましょう。夏野菜にはからだを冷やす作用があります。冬に夏が旬の野菜をサラダなど、火を通さずに食べるとからだを冷やしてしまいます。冬はからだを温める冬野菜(根菜類)を、加熱調理したものを食べるようにしましょう。


6.上手に水分をとる
よい汗をかくためには水分補給が欠かせません。
汗をかきたくないから水分を控えるという人もいるようですが、これはとても危険です。
人間は水分が不足すると脱水状態に陥ってしまい、ひどい場合には生命の危険も出てきますから。
一般的には1日に1.5リットル程度を、飲料水として補給したほうがよいと言われています。
特に夏場は汗の量が多くなるので、こまめな水分補給を心がけましょう。ミネラルが不足しがちになるので、天然のミネラルが豊富に含まれる水をとると効果的です。


7.こまめな汗対策で臭いを防止
洋服の素材は、汗の発散を妨げない薄手のものがよいです。特に下着は発汗性、吸水性、乾燥性にすぐれた綿素材が好ましいです。また通気性をよくするため、締め付けすぎるものは避けましょう。
汗をふくときには、たかく絞ったぬれタオルを使うと肌のべたつきが解消されるうえ、臭い予防にもなります。ワキの下は制汗剤(デオドラント)を塗ったり、早めに濡れタオルで拭き取る、ワキパットなどを利用して汗が衣服にしみ込まないようにするなどの工夫ができます。


MOANALIFE 2008年5月



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単なる体内の水分排出ではないさまざまな汗の役割

汗のもっと大事な役割は体温調節
汗をかくのは、単に水分を体外に排出しているだけではありません。体内の温度を一定に保つという重要な役割があります。周囲の温度や体内の熱が高くなったときに、発汗によって熱を体外に発散しているのです。

発汗による体温調節は人間にしか備わっていません。犬は舌を出して熱を発散させたり、象は水浴び、豚は泥をからだにこすりつけるなどして、体温を下げています。

人間にこうした機能があるのは、人間の脳が熱に弱く、40度以上の熱が数十分続くと意識障害を起こしてしまうためです。つまり熱に弱い脳を守るため、体内に熱がたまったときに、すみやかに体温を下げるシステムなのです。このほかにも、いい汗をかくと新陳代謝が高まる、肌がきれいになるといったよい面があります。


できるだけかきたくないと嫌われがちな汗
現代人は汗をかきにくくなっている傾向があります。エアコンの普及で、室内や電車・バス・車の中は春夏秋冬一定の温度に保たれ、交通手段が発達してからだを動かす機会が減ったことが関係しているのでしょう。

さらに、昨今の「清潔志向」の影響も考えられます。日本人は特に「臭い」に敏感です。「汗=くさい」というイメージがあるらしく、汗を汚いものの象徴としてとらえがちです。「オヤジ臭」などという言葉がはやった影響で、若い世代だけでなく、中高年までが汗を敬遠するようになっています。ところが、その一方で、健康のために汗を出そうと、お金を出して岩盤浴やサウナにせっせと通う人もいるのです。なんと矛盾しているのでしょうか。

一昔前は額に汗して働いたり、からだを動かして汗を流すのは美徳であり、健康の象徴でした。汗をかかないでいると、汗腺の機能はどんどん低下していき、汗をかきにくくなってしまいます。上手に汗がかけなければ、発熱したり、外気温が高いところにいるときなど、いざというときの体温調節がうまくできなくなります。

夏になると、熱中症で倒れる人のニュースが聞かれますが、汗を上手にかけなくなったことも影響しているのかもしれません。エアコンが普及して快適な生活が送れるからといって、汗を軽視しないようにしたいものです。


MOANALIFE 2008年5月



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汗をかかないと、低代謝に。もっともっと、よい汗をかきましょう

よい汗をかくと



1.代謝がよくなります。

2.低体温が解消されます。

3.ダイエットにつながります。

4.心身ともに元気になります。


汗をかくと代謝がよくなる。なのに、私たちは汗をかけない体になってきています。

最近、汗をかいていますか? 実は、クーラーの普及などによって、ここ20年間で、私たちはどんどん汗をかけないからだになってきています。また、40〜50代ぐらいから、汗腺はどんどん衰えていきます。

汗とは、体内の温度調節のためにかくものです。というのも、脳とからだはそれぞれ適温があります。たとえば熱が38度出たら、頭がボーッとしますね。ところが内臓器官はそれぐらいの温度のほうが活性化し、免疫力もあがります。だから、低体温はからだによくないのです。脳とからだの両方のために、汗をかいて熱を発散する方法を人類はとっているのですね。

熱は、栄養素がエネルギーに変わるときに発生します。汗をかいて熱を発散させると、代謝が活発になり、栄養素がどんどんエネルギーに変わります。代謝がよくなれば体温も上がる。栄養素がなくなると、体内に蓄積された脂肪酸をエネルギーに変えるため、ダイエットにもつながる。汗をかけば、いいことずくめなのです。


よい汗とはからだの中からじんわりかく汗。それには訓練が必要です。

汗にもよい汗と悪い汗があります。よい汗とは、からだの中から温まってかく汗。サラサラで蒸発力が高く、からだを冷やしません。逆に悪い汗はからだを冷やしがちです。

よい汗をかくための汗腺トレーニングとしては、からだの中から温めるのがいちばん。とくに半身浴はおすすめです。全身浴だと皮膚温がすぐ上がって悪い汗を大量にかくうえ、全身がお湯につかっていて汗が蒸発しません。ウォーキングなどの有酸素運動も、外気にあたることで汗が蒸発しやすいのでいいですね。生姜などのからだを温める食材を積極的にとるのも効果的です。

汗腺は衰えるのが早いかわりに、訓練次第ですぐに変化が現れます。昔は、季節に応じて汗をかいたり抑えたりしていました。夏の初めはベタベタした汗でも、かき続けることで汗腺が訓練され、夏の終わりにはサラサラの汗をかけるようになっていたものです。しかし、汗腺が衰えている現代人の私たちは、意識してもっともっと汗をかくことが必要なのです。


よい汗、悪い汗とは?

よい汗

・体の中から温まって出る。

・血漿に含まれる大事な成分を
 血液に戻してから出る。

・じんわり出るため
 濃度がうすく、サラサラ。

・蒸発力が高いため、
 からだを冷やさない。

悪い汗

・皮膚温が急激に上昇して出る。

・血漿に含まれるミネラルなどの
 大事な成分まで出てしまう。

・急激に出るため
 濃度が濃く、ベタベタ。

・蒸発力が悪く、
 からだを冷やしがち。

 

よい汗をかくには?


1.からだの中から温める。
   ●半身浴 ●手足高温浴

2.有酸素運動をする。

3.発汗を促す食材をとる。
 生姜のほかに、大豆やブロッコリーなどもからだを温めます。

高温手足浴


 43〜44度の熱めのお湯にひじから先とひざから下をつける
手足高温浴も、衰えた汗腺を刺激するのに効果的です。


別冊附録 ふくふく 2008年10月号 ふくふくの温熱生活




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今日もワキ汗がすごいんです 私って多汗症!?

msn ビューティースタイル/ヘルスケア

大人のための家庭の医学 Vol.13

今日もワキ汗がすごいんです 私って多汗症!?

1.体質? 精神的なもの? 私のワキ汗の原因は?
2.汗は減らせる? 臭いは防げる? 汗に関する疑問を解決
3.ワキ汗の悩みからおさらばするためには?



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プロフィール

医学博士・五味常明
1949年、長野県生まれ。一ツ橋大学商学部、昭和大学医学部卒業。 昭和大学形成外科等で形成外科学、および多摩病院精神科等で精神医学を専攻。 患者の心のケアを基本にしながら外科的手法を組み合わせる「心療外科」を新しい医学分野として提唱。ワキガ・体臭・多汗治療の現場で実践。 わきがの治療法として、患者が手術結果を確認できる「直視下剥離法(五味法)」を確立。 TVや雑誌でも活躍中。 99年からは、ケアマネージャー(介護支援専門員)として、デイケア事業や、高齢者介護の現場でのニオイのケアにも取り組む。

五味クリニック院長
流通経済大学 客員教授
日本心療外科研究会代表
体臭・多汗研究所所長

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