多汗症や汗のニオイに悩む方のためのブログ(五味クリニック)

わきが多汗症治療に長年携わってきた五味クリニック院長が、汗に悩む方の心のケアを重視した、様々な対策や治療法をご紹介します。

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新着情報
  • 自然塩入浴で「寝たふり汗腺」を呼び起こそう
  • Q.暑くもないのに滝のような汗。気にすると、もっと出るような気がする。汗のにおいも気になる。
  • よい汗をかく生活法
  • Q2 汗にもベタつく汗とサラサラ汗があるような…。それって何が違うの?
  • 多量の汗に潜む病気
  • Q1 そもそもなぜ夏はたくさん汗をかくの?
  • いい汗かいてニオイにさよなら!〜汗を正しく理解する〜
  • どうにかしたい!汗のニオイ
  • 汗のにおいで病気がわかる?
  • あなたは汗についてどの程度知っていますか?汗に関する10項目
  • よい汗をかくために注意したいこと7か条
  • 単なる体内の水分排出ではないさまざまな汗の役割
  • 汗をかかないと、低代謝に。もっともっと、よい汗をかきましょう
  • 今日もワキ汗がすごいんです 私って多汗症!?
  • 汗を嫌わずにどんどんかいてください。新陳代謝が活発になり、免疫力も高まります。
  • ヨガと下半身ヤセ(むくみ解消)
  • ヨガとダイエット
  • ヨガと汗の関係
  • 自律神経と呼吸法の効用
  • 暑熱順化の応用

自然塩入浴で「寝たふり汗腺」を呼び起こそう

人間の知的活動は汗の賜物である

最近汗をかかない人が増えているといいます。あるいは臭くなる、ベタベタするといって汗をかきたくないという人も多いそうです。この状況は専門家から見れば、「文明の危機」と言っても過言ではありません。
汗ごときで文明の危機とは大きく出たものだと思われるかもしれませんが、この文明社会をつくり出したのは人間の脳、その脳の働きと汗とは非常に密接な関係にあるのです。
人間は恒温動物であり、ある一定の範囲内で体温を調節して生きています。なぜ体温をある程度一定に保たなければならないかというと、脳細胞が温度変化に弱いからです。
運動前に準備体操をしてウォーミングアップするように、筋肉にしろ、臓器にしろ、私たち人間の体は温めたほうがよく機能します。しかし、脳だけは例外です。誰しも経験があると思いますが、平均体温が37度の人が38〜39度に上昇した時、会社に行くことはできても頭はボーっとして、じっくりものを考える、細かい計算をやる、難しい資料を読みこむなどといった頭を使う仕事は困難になります。これは体温の上昇と同時に脳の温度も上昇しているからです。
この事例からわかるように、脳の温度が1℃でも2℃でも変化すると人間は思索する、哲学する、文明を発達させるような発明・開発に取り組むなどといった知的活動が行えなくなります。そこで人間の体温、というよりも脳の温度を一定に保つために重要な働きをしているのが汗なのです。
ここで体内における熱と汗の関係を簡単に説明しましょう。
人間は生きていくためにエネルギーが必要であり、このエネルギーを生みだす働きを「代謝」といいます。車のエンジンが回り出すと熱くなるのと同じ原理で、代謝をすると体内に熱を生じます。するともっと代謝が活発になります。つまり、代謝する→熱が出て体温が上昇する→もっと熱が出て、さらに体温が上昇する・・・というように、放っておくと人間の体温はらせん状に上昇していくことになります。
しかし実際に体温が上昇し続けることはありません。それは次の3つの方法で熱を外へ放出しているからです。
1つは放射といって、体温より外の温度が低い時、熱は自然と体外へ出て行きます。2つ目は伝導といって、豚や象、カバの水浴びなどがそれに相当します。例えば豚が泥水の中でゴロゴロしているのは、ただ泥んこ遊びをしているのではなく、冷たい水に触れることで体内の熱を放出しているのです。要は打ち水の原理です。しかし人間は体温が上昇したからといって、いちいち水浴びをしていられるほど暇ではありません。もっと効率的に熱を放出しなければなりません。それが発汗なのです。


良い汗・悪い汗

私たちはエクリン腺という汗腺から汗を出していますが、人体の発達段階からみると非常に未熟な器官です。重要な役割を担っていながら怠け者で、実際に「汗を流して」働いているのは半分程度。子どもの頃から空調の整った環境で育った現代人は汗腺を使う機会が減っているため、エクリン腺がどんどん退化しています。
しかし、汗もただたくさんかけばいいというものではありません。汗にも良い汗と悪い汗があるのです。次の項目でみなさんが普段かいている汗が、良い汗なのか悪い汗なのかチェックしてみてください。

○平均体温が低い
○汗はめったにかかないが、かくときは玉のような大粒の汗がとめどなく流れる
○汗をかいた後はベタベタして臭う
○慢性疲労である
○冷え症である

これらに該当した方は、おそらく悪い汗をかいているのではないかと思われます。
そのメカニズムを簡単に説明しますと、人間には適応能力があり、うまく汗をかけないとなるべく熱を出さないよう、低代謝で低体温の体質へ変わっていきます。発汗による体温調節ができませんから、外気温が上がれば一緒に体温も上がり、下がれば下がる。つまりカエルやトカゲなどの変温動物と何ら変わらなくなるのです。
機能している汗腺が少ないと、いざ体温が上昇した時、限られた働き者の汗腺から一気に汗を出さなければなりません。本来、脳の温度を下げるためにかく汗はさらさらしていて水に近いのですが、どっと噴き出した汗には体内のいろいろな成分が含まれ、ベタベタや汗の臭いの元となります。また、人間の元気の源であるミネラルまでもが流失してしまうため、慢性疲労に陥りやすくなってしまいます。
ベタベタする、汗臭くなる、するとますます汗をかきたくなくなる。ますます代謝をしなくなる。その結果血行不良になり、冷え症になって、さらには体内の血液が濃くなり血栓ができやすくなります。当然、脳梗塞や心筋梗塞への危険性が高まっていきます。
また、脳の視床下部には体温を調節する中枢がありますが、その温度が上がったり下がったりして乱れると、隣接する自律神経の中枢やホルモンの中枢も乱れます。最近、自律神経の失調やホルモン系のいろいろな失調を訴える人が増えているのも、汗をうまくかけないからだと指摘する専門家も少なくありません。
汗が私たちの体にとって非常に重要な存在であることを認識していただけたと思います。冒頭で、「汗をかかなくなったことは文明の危機」と申し上げたのも納得いただけるでしょう。


自然塩入浴で汗腺トレーニング

日本には四季があり、かっての日本人は夏には夏の、冬には冬の皮膚感覚で、五感を働かせて汗をかいていました。空調機能が整った現代でも、外気温との差を5℃に設定したりするなど汗腺を眠らせない努力が必要です・・・、などと昔を懐かしんだり、現実味のないことをいっても始まりません。
この冷房列島日本では汗腺機能を高める積極的な方法を考えなくてはなりません。そこでお勧めするのが、「自然塩入浴」です。
自然塩をお風呂に入れるだけ、という至って簡単な入浴法ですが、その効果は絶大です。
何と言っても、塩には温熱効果があり体の芯まで温まります。お湯だけの場合、最初に皮膚表面が温まりますが、芯まで温まるには時間を要します。皮膚表面が温まって出る汗はどっと噴き出すベタベタ汗、芯から温まって出る汗は、粒状でうっすら皮膚に浮かぶ水のようなサラサラ汗です。
冷え症や冷房病などは体の芯が冷えているため、内臓部に一所懸命血液を集め、手足に血液を届けられないことが原因です。芯から温まれば自然と改善されるでしょう。
ただ汗をかくだけならば精製塩を使った入浴でもいいのですが、先ほどお話しした通り、汗と一緒に体内に必要なミネラルも流失してしまいます。それを補うために、ぜひ海水のミネラルが入った「自然塩」を使っていただきたいのです。
また、自然塩入浴には体内の毒素を排出する働きもあります。
毒素にも体内でできるものと、体外から入ってくるものの二通りあって、体内でできた毒素、つまり老廃物は腎臓でほとんど分別され、尿と一緒に排出されます。
しかし、現代社会では環境汚染によって水銀や鉛、カドミウムなど、体外から入ってくる有害金属があります。これらの物質は腎臓がその働きを完成させた500万年前には存在しなかったため、尿として排出することはできません。
一方、前述の通り汗腺は、未熟な器官であるため、あれこれと分別することもなく、体内に入り込んできた有害金属を汗と一緒に排出するのです。かって水俣病が問題になった時、水銀中毒の患者に発汗を促して水銀を体外に排出させたことをご記憶の方もいらっしゃるでしょう。
また、自然塩入浴では皮脂腺の毛穴を広げてくれる作用があります。有害金属は脂肪とくっつきやすいため、毛穴が広がって皮脂が出やすくなる分、有害金属も一緒に排出されるのです。自然塩入浴で眠った汗腺を呼び起こし、トレーニングさせることによって、日常的にいい汗をかけるようになるでしょう。

自然塩入浴を効果的に行うために

さてここで、「自然塩入浴」を行う際の留意点やポイントをいくつかお話ししておきます。

(1)自然塩を使う
前述の通り、流失するミネラルを補うためにも自然塩を使いましょう。精製塩を使用する場合は、「にがり」を入れて、ミネラルを補完してください。

(2)自然塩の量は約30〜50g
浴槽の大きさやお湯の量によっても異なりますが、家庭の標準的な浴槽の場合、30〜50gが適当。

(3)お湯の温度は38〜39℃程度
自然塩によって温熱効果が高まるので、38〜39℃くらい。ぬるくても十分体は温まり、汗が出てきます。

(4)入浴時間は約15〜20分
慣れないうちは長く入っていると皮膚がふやけて、汗腺の出口をふさいでしまうので、15〜20分が目安です。うまく汗腺が働くようになるとそういうことはなくなるので、徐々に長くしていけばいいでしょう。

(5)お風呂あがり、要注意!
「ああ、暑い、暑い」と言って、すぐビールを飲んで冷房のきいた部屋で過ごしていませんか?実はこれが一番よくないのです。お風呂あがりはまだ体温は上昇したままで、タオルで拭いてもまだ汗は出てきます。しかし、そこで服を着たり、冷房を浴びると皮膚のセンサーが「汗を止めろ!」という指令を出し、止めてしまいます。体は熱を持ったままなので、睡眠に入ってからどんどん汗が出てきます。それが寝汗となって、明け方寝冷えするのです。出る汗は出しきってから服は着たほうがいいのです。

(6)水分補給はたっぷりと
自然塩入浴はたくさん汗をかくので、その前後はしっかりと水分を取ってください。酢に含まれるクエン酸は代謝を促進させるので、リンゴ酢や黒酢など摂取するとより効果が上がるでしょう。
繰り返しますが、汗は人間が生きていくのに欠かせない存在です。いきいきと知的生活を送っていくためにも、汗をかかない低代謝、低体温のサイクルを断ち切っていかなければなりません。空調が完成されたこの現代社会で、いい汗をたくさんかくことが心身ともに健康に生きる秘訣です。



致知 2005年9月号より

 


Q.暑くもないのに滝のような汗。気にすると、もっと出るような気がする。汗のにおいも気になる。

「これが噂に聞いていた更年期の大汗!?」という感じで、周囲の人が平気なことでも、私だけ大汗が止まりません。恥ずかしいので、「汗よ止まって!」と思うと、余計にダラダラ出てくるような気がします。粘っこい汗で、特に頭、顔、首がひどい。時間がたつと自分でも汗臭さが気になります。これって、更年期が落ち着くまで、仕方がないことなのですか? (55歳女性)


A.一度、産婦人科に相談を。HRTなども有効。かいた汗は、“みょうばん水”で拭きとって。

汗なんか、病気のうちに入らないと思うかもしれませんが、「人前で汗をかいてしまったらどうしよう」「汗がにおってしまったらどうしよう」といった不安が、生活に支障を来すようなレベルなら、一度医師に相談したほうがいいですね。

一般的な多汗症は形成外科やペインクリニックなどを受診しますが年齢的に更年期前後であれば、まずは婦人科医に相談してみるのがいいでしょう。ホルモン補充療法(HRT)や漢方治療などを受けるうちに「汗が気にならなくなった」というのはよくある話です。

また、「止めようと思えば思うほど汗が止まらなくなる」というのは精神的発汗の特徴的な症状です。精神性発汗とは、緊張したときや不安を感じたときなどに大汗をかいてしまうこと。更年期は独特のイライラ感や不安感があり、この精神性発汗が強く出やすい時期だといえます。ストレスを強く感じるときは、カウンセリングや自律訓練法などの心理的療法を受けてみるのも選択肢の一つです。

さて、においの問題ですが、「粘っこい汗」「汗臭さが気になる」というのは気のせいではありません。

実際、更年期の汗はスポーツなどでかくサラサラした汗と違って、ベタベタしがちでなかなか蒸発しません。また、更年期の汗にはアンモニアなどのにおい物質が多く含まれていて、汗が酸化して臭くなるだけでなく、汗そのものがにおいの原因になりやすいのです。

「できるだけ気にしない」というのは、実際にはなかなか難しいので、ここは一つ、「汗をかいても大丈夫」と思える対策を講じておきましょう。用意するのは、“みょうばん水”と小さめのタオルです。みょうばんにはアンモニア系のにおいを中和して消す効果があります。

みょうばん水はミネラルウォーター2リットルに対して50gのみょうばんを溶かします。これを含ませたぬれタオルを持ち歩いて、汗をかいたらすぐ肌を拭いてしまいましょう。みょうばんは、薬局などで買えます。

また、顔や頭の汗を「一時的に止めたい」というときは、人体の“発汗反射”を利用する方法があります。人の体は一定の部分に圧迫を受けると、一時的に汗をかかなくなる仕組みになっています。顔や頭の汗を止めるなら、両乳首の5cm上ぐらいをギュッとつねるか、指で強く圧迫します(皮膚への刺激がポイントなのでバストトップが下がっていてもこのくらいの位置でOK)ブラジャーのホックをいつもよりきつくするのも有効でしょう。

ただし、体全体の汗の量が減るわけではないので、顔の汗が減った分、他の部分の汗が増えるということも覚えておきましょう。




日経ヘルス・プレミエ 2009年12月号
明るいメノボ相談室


よい汗をかく生活法

Q.よい汗をかくためには「汗をかき慣れること」が必要だそうですが、どうすればよいのでしょう?
日常生活に気軽に取り入れられるヒントを教えてください。

A.季節ごとに変わる温度や湿度を肌で感じることが第一。夏はとくにエアコン漬けに注意しましょう。

 

現代人の汗が臭いのは、濃度の濃い汗をかいているからだと前号でお話ししました。悪い汗をかく理由は、汗をかいても汗腺を使用しないから。エアコン依存や運動不足によって汗をかかなくなったことから、現代人の汗腺機能は低下し、ネバネバした濃度の濃い汗をかくのです。

におわないよい汗をかくためには、何はさておき、汗をかく訓練を日常的にすることです。そのためには、季節ごとに変わる温度や湿度を肌で感じられるようにすることが第一。エアコンに頼りがちな昨今ですが、外気との差は5度以内にするなどルールを決めれば、その時々の温度や湿度に応じた量の汗をかくことができます。とくに、夏は暑気と寒気を短時間で交互に受けることが多いため汗腺疲労がおき、夏バテの原因となります。エアコンの効いた部屋と暑い戸外を行き来するときは、すぐに暑気や寒気にあたらず、5分ほど玄関先や階段の踊り場などにとどまり汗腺を慣らしてください。

正常に機能するためには、汗腺も慣らし運転が必要なのです。

さらに、有酸素運動などで積極的に体を動かし、内側から沸いてくるエネルギーであせをかきます。体の中を温めて汗腺機能の働きをよくしてかく汗は、においません。エアコン漬けになっている人は、シャワーだけでなく、入浴で体の芯を温めるとよいでしょう。ただし、湯船に浸かっているときは汗が出ても蒸発しないので、体の中に熱がたまっています。風呂上がりはすぐエアコンにあたらず、うちわなどであおいで汗を十分蒸発させ、熱を逃がしてから服を着ましょう。

より積極的な「汗腺トレーニング」は、入浴前に腕と足だけを42〜43℃くらいの熱めの湯に5分ほど浸してから微温浴をする方法です。腕と足の汗腺は老化しやすいので、腕と足の汗腺機能が高まると体全体でまんべんなく汗をかけるようになります。2週間くらい続けると、におわないよい汗がかけるだけでなく、体温調節機能が高まり、熱中症の予防にもなります。



へるすあっぷ21 2009年8月号


Q2 汗にもベタつく汗とサラサラ汗があるような…。それって何が違うの?

A.汗に含まれる成分や濃度が違い、体温調節の効力にも差があります。

汗の原料は、血管を流れる血液から汲み取った血漿。その血漿から、ミネラルなど体に大切な成分をろ過して血管に戻し、残りの水分を汗として放出します。

血漿成分の再吸収力が高ければ、出る汗は小粒で濃度が薄く、サラサラ。ところが、再吸収が不完全で汗の中に体に必要な成分が残っていると、大粒で濃度の濃い、ベタつく汗になってしまうのです。

私は便宜上、前者を“いい汗”、後者を“悪い汗”と呼んで区別していますが、いい汗は蒸発しやすいので効果的な体温調節が可能。悪い汗は流れるだけのムダ汗になりやすいといえます。



美的2009年8月号 別冊附録
夏の「涼感Body」パーフェクトケアBook より


多量の汗に潜む病気


「いくら暑いといっても、最近汗がすごいわね」と妻から言われたDさん(43歳)。汗のかき過ぎは何か病気と関係があるのだろうか。

暑さが増すこの季節、汗や臭いが気になる。実は、汗のかき方や臭いは、病気のサインになることもある。いつもと違った汗のかき方であれば、たかが汗と思わず注意してほしい。


例えば寝汗。寝入りばなや夢をいている時にかく汗は、生理的なもので、量が多くても心配ない。しかし、寝ている間中、汗腺から漏れ出すようにぐっしょりと汗をかくなら、結核や白血病といった病気の可能性もある。その場合の汗は、ミネラルなどの血漿成分が多く、ベタベタしてアンモニア臭がするのが特徴だ。


起床時も含め、全身に異常に多くの汗をかく場合には、ホルモンの分泌異常が考えられる。甲状腺機能亢進症(バセドウ病)では、過剰に分泌される甲状腺ホルモンの作用で代謝が高まり、多量の汗をかく。多汗と同時に動機や体重の減少、イライラなどがあれば、甲状腺機能亢進症が疑われる。

副腎の腫瘍である褐色細胞腫では、交感神経を刺激するアドレナリンが多く分泌されて、汗腺が刺激さあれるために多汗になる。このほか、肺の疾患や心不全などでも全身の汗が増える。

部分的に汗が増える病気もある。代表的なのが女性の更年期のホットフラッシュで、顔などの上半身に急激に汗をかく。糖尿病でも、上半身の発刊が増えることがある。これは、糖尿病で末梢神経が障害を受けて四肢の汗が減り、それを補うための代償性の汗が出ることによるおのだ。


汗をかきにくい病気も

女性よりも男性の方があせをかきやすい。それは、男性ホルモンが発汗を促すからである。そのため、男性ホルモンの分泌が低下して起こる男性の更年期障害では、汗をかきにくくなる。また、鬱病の場合にも発汗が抑えられることがある。50歳前後の男性で汗をかかなくなったという場合には、更年期障害やそれに伴う鬱病が考えられるので、専門医を受診するといい。

病気ではない多汗もある。会議の発表の前などに手や脇の下に多量にかく汗は、精神性発汗だ。緊張による汗のため、気にすれば気にするほど発汗するので、開き直るのが一番の解決策である。どうしても気になるなら、ボトックスという治療が有効だ。ボツリヌス菌由来の神経毒を製剤化したものを注射し、発汗を促す神経を抑制、麻痺させる。効果は3〜6カ月持続する。

一方、この時期、特に外回りの多いビジネスパーソンは、冷房の利いた室内と暑い屋外を頻繁に行き来することで自律神経が失調し、体調を崩しがちになる。しかし、上手に汗をかける体作りと日常のちょっとした工夫で予防はできる。まずは、日頃から運動や下半身浴などでしっかりと汗をかける体にすることが大切だ。また、温度差の激しい場所に移る際には、いったん玄関や踊り場などの中間の温度の場所で数分間体を慣らす。それだけでも夏バテ防止になるだろう。



日経ビジネス 2009年7月20日


Q1 そもそもなぜ夏はたくさん汗をかくの?

A.暑さで体温が上昇しすぎないよう、大量の発汗で調整しているのです。

人間が汗をかくのは、熱に弱い脳の酵素を外気の温度変化から守るためです。
脳にとっての適切な体温は37℃くらい。それより1℃でも上がると、頭がぼ〜っとしてくるはず。
脳の温度が上昇する前に体内の熱を蒸散させ、気化熱として放出させることが、汗の使命なのです。

体温調節のための専門汗腺、エクリン腺の進化は、脳の中枢神経が発達している“ヒト”だけの特徴。夏にたくさんの汗をかくのは、“ヒト”ならではの体温調節がきちんと機能している証拠です。






美的2009年8月号 別冊附録
夏の「涼感Body」パーフェクトケアBook より




いい汗かいてニオイにさよなら!〜汗を正しく理解する〜

この季節になるとどうしても気になってくるのが、汗とニオイの問題。ニオイが強い場合、その対策をするのは周囲に対する最低限のエチケットでもありますが、「少し臭うかな?」程度で過剰な反応をするのは考えもの。

ところで、汗にはニオイのない「いい汗」と、ニオイの発生しやすい「悪い汗」があるということをご存知ですか? 実は汗を作り出す汗腺は、使えば使うほどいい汗がかけるようになり、逆に使わないでいると機能が低下して悪い汗しかかけなくなるのです。
正しい知識を身につければ、汗は憎むべきものではなく、むしろありがたいものだということに気づけるはず。今年の夏は、一歩進んだ汗対策に挑戦しましょう。


そもそもどうして汗をかくの?

人間が汗をかく理由、それは代謝によって体温の上昇した体を冷却するためです。代謝は生物の生命活動に必要なエネルギーを作り出すと同時に、大量の熱を発生させます。高温動物である人間はこの熱を外に放出させようと、もともと存在していたアポクリン腺という汗腺を改良し、エクリン腺という体温調節専用の汗腺を作り出しました。このエクリン腺から出る汗が気化するときに熱を奪い、体温を下げるのです。


汗にまつわるエトセトラ

あらゆる生物の中で、人間がもっとも汗っかきだということをご存知ですか?
例えば、犬は舌を出すことで、象は水をかけることで、豚は泥浴びすることで、それぞれ体温調節を行っています。つまり、汗腺を作り替えてまで積極的に熱を下げようとするのは人間だけなのです。

これは、人間がどんどん脳を進化させていったため。様々な中枢神経が集まる脳は体内でも特に熱に弱い場所で、37度ほどで不調を訴え始めます。しかしエネルギーを得るためには代謝をしないわけにはいきません。代謝してエネルギーを作りたいけれど、脳もしっかり守りたい。その両方を実現しようとした結果、人間だけがこんなに汗っかきになったのです。


緊張したときにかく汗は?

手に汗握るとも言うように、緊張したときにかく汗は、体温調節のためにかく汗と異なり、そのほとんどがわきや手足の裏などにかく部分汗です。このような精神性の汗は、止めよう止めようと思うほど余計に噴き出してくるというやっかいな特徴があります。

精神性発汗の簡単な対処法「汗をかくてもいいや」と開き直ること。眠れない夜を思い出してください。眠ろうと思うと全然眠れないのに、徹夜しようと決めた途端に眠くなる、そんな経験をしたことはありませんか? 汗もそれと一緒。気にしないことが一番の薬になるのです。

休“汗”日を作ろう!

汗腺を使わずにいると機能が徐々に衰えていくというのは、前述したとおり。

したがって、あまり汗腺を使うことのない人はもとりん、誰もが普段からコンスタントに汗腺を働かせておく必要があります。けれど逆に使いすぎても、他の内臓と同じく疲労からくる故障を引き起こしてしまう恐れがあるのです。

そこで、週に1回ほど、休肝日ならぬ休汗腺日を作って、エクリン腺を休ませてあげましょう。




ミスティ 2009年7月号

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どうにかしたい!汗のニオイ

Q.汗っかきで、夏場はとくにたくさん汗をかきます。こまめに拭き取ったり、可能なときは着替えをしたりしていますが、やっぱりにおうのでは、と心配です。汗のニオイを防ぐよい方法はありますか?


A.いちばん簡単な方法は、汗をかき慣れることです。

ダラダラ、ベトベト、汗臭い!
近年、汗のイメージは最悪です。ひと昔前、汗は労働の結晶であり、スポーツでかく汗は健康の象徴でした。現代人は、なぜ汗をかくことを敬遠するようになったのか? それは臭い汗をかくようになったからです。

本来、かきたての汗は無臭です。汗の成分は99%以上が水、残りは塩化ナトリウム等の微量のミネラルです。その汗を長時間放置しておくと、皮膚の上で常在菌が繁殖し、汗臭くなるのです。ですから、汗をかいても細菌が繁殖する前に拭くなど、皮膚を清潔に保てばいくら汗をかいても臭くありません。

ところが、現代人の汗はかきたてから臭くなっています。それは、濃度が濃く、大粒でネバネバした「悪い汗」をかくからです。この悪い汗は皮膚の上ですばやく蒸発しないため、体温調節がうまくいかないことに加え、汗の中の血漿のニオイ成分が出てくるため、臭いのです。

悪い汗をかくのは、汗腺機能が衰えているからです。どのような器官でも、使わなければ機能が低下します。運動選手が現役を引退すると筋力が低下し、高齢者が寝たきりになると心肺機能が低下するのと同じで、汗をかかないでいると汗腺機能が低下してしまうのです。汗腺は汗の原料である血液を血管から汲み取り、血漿の成分は血管に戻して水だけを汗として出しますが、汗腺機能が低下すると血漿の成分も汗として出てきます。これはアンモニアや尿素などのニオイ成分が含まれているため、臭くなるのです。

では、臭くない「よい汗」をかくにはどうすればよいか? それは汗をかき慣れることです。四季の移ろいを肌で感じ、適度な量の汗をかくこと、冷房に頼らず、外気との温度差を5度程度にとどめること、積極的に体を動かし、体の中から沸いてくるエネルギーで汗をかくこと、エアコン漬けや運動不足の生活を改めることがよい汗をかく第一歩です。




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汗のにおいで病気がわかる?

質問
汗のにおいで病気がわかると聞きましたが、どういうことでしょうか?


答え
私は20年以上にわたり、汗やにおいの専門家として多くの患者さんを診てきましたが、その治療経験により、いい汗と悪い汗のあることがはっきりとわかってきました。

そもそも、汗は皮膚にある汗腺から分泌される水分と少量の塩分でできています。そのため、汗は基本的にサラサラしていて、においもありません。体が健康的ならば、通常はこのサラサラでにおいのない、いい汗が流れます。

しかし、汗の成分が変わり、においのすることがあります。これは、体に何かしらの悪影響が出ているためであり、悪い汗といえます。

では、どんなにおいの汗があるかをみていきましょう。

●アンモニア臭の汗
悪い汗の中で、最も多いものです。基本的に、冷暖房の使用などによる体温調節機能の衰えや過剰なストレスにより、汗を出す汗腺の働きが悪くなって起こります。というのも、汗腺の働きが悪くなると、本来は体内で吸収されるはずのミネラル(無機栄養素)が、汗といっしょに排出され、それが皮膚に住む細菌と結合して、アンモニア臭になるのです。

このため、汗腺の働きを悪くさせる多汗症や更年期障害といった病気でも、アンモニア臭の汗が出ます。

そして、意外なところでは腎不全や肝硬変といった病気でも、アンモニア臭の汗がでます。なぜなら、老廃物の処理を行う肝臓や腎臓に異常が起こると、本来は尿として排出される老廃物が血流に乗ってしまい、汗と一緒に出るからです。

●甘酸っぱいにおいの汗
糖を分解・消費するインスリンというホルモンの分泌が衰えると、糖の燃焼が進まないので、代わりに脂肪が燃焼されます。その結果、ケトン体という甘酸っぱいにおいのする物質が大量に発生し、汗にまじって出てくることがあります。これは、糖尿病の現れといえるでしょう。


●肉が腐ったようなにおいの汗
たんぱく質や脂肪が十分に消化されないまま、腸内のウエルシュ菌などの悪玉菌によって内容物が腐敗すると、肉や卵が腐ったようなにおいの汗をかきます。胃潰瘍や十二指腸潰瘍、腸炎など、消化器病があると出やすくなります。

また気管支炎や肺炎などの呼吸器病でも、同じようなにおいの汗が出ます。

上にあげたようなにおいの汗に気づいたら、念のため病気で検査を受けるとよいでしょう。


わかさ 2009年7月号

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あなたは汗についてどの程度知っていますか?汗に関する10項目

知っているようで実は知らない汗のアレコレ
このQが終わる頃にはあなたも「汗博士」の仲間入り!?
これからは「快汗生活」を送りましょう!


Q1 汗には2種類あり、それぞれ発生する場所が違う

1.はい 2.いいえ


Q2 汗が出るのをコントロールしているのはどこ?

1.脳 2.内臓 3.皮膚


Q3 汗をかかないと新陳代謝が低下する

1.はい 2.いいえ


Q4 よい汗とはどんな汗のことを言うか?

1.しょっぱい汗 2.サラサラした汗 3.粒が大きい汗


Q5 岩盤浴で汗をかくと免疫力がアップする

1.はい 2.いいえ


Q6 汗の成分は何と同じ?

1.尿 2.血液 3.唾液


Q7 臭う汗になる原因は?

1.脂肪の多い食事 2.ストレス 3.運動不足

Q8 加齢臭のもとになる物質は汗腺から分泌される

1.はい 2.いいえ


Q9 よい汗をかくと肌が美しくなる

1.はい 2.いいえ


Q10 汗に水分以外の成分は含まれていない

1.はい 2.いいえ

 


質問ごとに正解を紹介し、詳しく説明しています。

Q1の正解は 1.はい

汗は汗腺から分泌されます。汗腺にはエクリン腺とアポクリン腺があります。エクリン腺は体温を調節するために、ほとんど水分に近い汗を出し、全身の至る所に存在します。一方アポクリン腺はそのほとんどがワキの下に存在し、臭い、いわゆるワキガの原因となります。嫌われがちですが、本来はフェロモンのように異性を惹きつける役目がありました。


Q2の正解は 1〜3.すべて

ヒトは急激な外気温の変化を、まず皮膚で感じます。その後、温熱刺激がからだの芯に到達すると内臓や脳にある温度の受容器が体温の上昇をキャッチします。これらが互いに連携し合って発汗を調節しています。炎天下を歩いて冷房が効いた部屋に戻ったときには、脳や内臓は「まだ暑い」、皮膚は「涼しい」と相反する信号を出します。このときは皮膚からの信号が優先されるので汗は止まりますが、体内ではまだほてった状態が続いているのです。


Q3の正解は 1.はい

汗をかけないと体内の熱が行き場を失ってしまいます。すると、からだは自衛手段として熱が出ないよう対応します。人間の体内でもっとも熱が発生するのは、エネルギーがつくられるとき、つまり代謝の過程です。体内で熱をなるべくつくらないようにするためには、代謝が抑制されます。この結果、熱とエネルギーが十分につくられなくなり、体温が低くなり、新陳代謝が低下するのです。


Q4の正解は 2.サラサラした汗

「よい汗」とはかぎりなく水に近く、サラサラしていて粒が細かい汗のことです。こうした汗だと体温調節が効率よく行え、からだに必要な成分は極力含まれていません。逆に「悪い汗」は濃度が濃いうえに粒が大きく、ネバネバしてしょっぱかったりすっぱかったりします。こうした汗にはからだに必要なミネラル分が含まれ、大量にかくと夏バテなどの原因になります。


Q5の正解は 1.はい

免疫のなかで中心的な役割を担っているのが「NK細胞」です。NK細胞とは白血球の一種で、がん細胞やウイルスなどに感染した細胞を攻撃します。カプセル式岩盤浴で発汗した前後と10日後の免疫機能を8人の治験者で測定したところ、岩盤浴後に免疫機能の指標となる「NK細胞の活性」が高まっていました。


Q6の正解は 2.血液

ここで言う汗はエクリン腺から出る汗を指します。体温調節のために出る汗は、血液の血漿成分を薄めたものと同じです。99%以上は水分で、わずかな塩分と微量のミネラル(カリウム・マグネシウム・亜鉛・鉄など)、老廃物などが含まれています。体温調節のために水分が必要だったうえに、エクリン腺は全身にあるため、水分の安定した供給源として、全身にくまなく流れる血液が選ばれたのでしょう。


Q7の正解は 1〜3.すべて

汗は血液から水分を取り込むので、血液の成分によって汗の質も異なります。肉など脂肪の多い食事を多くとっていたり、ストレスが多い、運動不足といった環境だと悪い汗になりがちです。悪い汗をかくと、皮膚がアルカリ性となり常在菌が繁殖して臭いがきつくなります。逆にいい汗は皮膚を酸性に保つので、常在菌の繁殖があまりありません。


Q8の正解は 2.いいえ

オヤジ臭とも呼ばれる加齢臭の原因は、ノネナールという物質です。ノネナールは皮脂腺から分泌されています。このノネナールに口臭、汗やワキの臭い、タバコや食生活日常生活の環境による臭いがないまぜになったものが、加齢臭と考えられています。生活習慣病にかかっている人は加齢臭が強くなると考えられているので、暴飲暴食、睡眠不足、喫煙、過度のストレスなど生活習慣病の要因を避けるようにするとよいでしょう。


Q9の正解は 1.はい

汗は天然の保湿剤であり乳液でもあります。よい汗には適度な皮脂が分泌されているので、皮膚を保湿し、肌がしっとりしてくるのです。市販の化粧品と違って合成の界面活性剤が含まれない汗は、安全で天然の美容液と言えます。サウナや岩盤浴で汗をかいたときには、すぐに洗い流さず、皮膚になじませるようにして、自然に乾燥させるのが理想的です。


Q10の正解は 2.いいえ

汗は血液血漿成分と同じですが、すべての成分が排出されてしまうと、汗をかくたびに、からだに必要なミネラルが失われてしまいます。そのために、汗腺はくみ取った血漿の成分を、一度血管に戻し、残りの水分を汗として出しています。よい汗にはミネラル成分はほとんど含まれていないのですが、濃度の濃い悪い汗はこの濾過機能がうまく働かず、多くのミネラルを含んでしまっているのです。

 


MOANALIFE 2008年5月


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よい汗をかくために注意したいこと7か条

 

汗をかきにくくなっている現代人。だからといってそのまま放置していては汗腺の機能が低下する一方です。日常生活でのちょっとした工夫を心がけて、上手に汗をかきましょう!


1.汗をかくことに慣れる
まず大事なのが汗をかくことに慣れることです。汗腺は使わなければ退化して、さらに汗をかきにくくなり、悪循環を招きます。
日本には四季があり、気温の変化が激しくなっています。夏にフル活動した汗腺は、秋から冬にかけて休み、春から梅雨にかけて暑さに順応するサイクルをつくっているのです。
エアコンに安易に頼ることなく、四季の移ろいを肌で感じましょう。ただ、真夏の熱帯夜にエアコンを使わないのは難しいでしょうから、まずはエアコンの設定温度を外気温マイナス5度で設定してみてください。
そして積極的にからだを動かし、汗をかく習慣をつけましょう。


2.半身浴を心がける
湯船に37〜38度の湯を張り、みぞおちのあたりまでつかる半身浴は、よい汗をかくためのトレーニングになります。肩まで湯につかってしまうと、汗が蒸発しないので体温を調節することができず、のぼせてしまいます。半身浴だと体温調節ができ、からだへの負担が少ないのです。湯につかりながら足首を上下に動かしたり、足を上から下でマッサージすると、温まった血液が全身をめぐり、からだの芯まで温まり、よい汗をかくことができます。
塩、墨、季節の果物や植物(ゆず・みかん他)、ハーブなの自然素材の入浴剤を使うと、さらなる発汗作用が期待できます。


3.手足高温浴で発汗トレーニング
浴槽に43〜44度の湯を張り、両手のひじから先と、両足のひざから下を湯につけます。湯船に風呂椅子を入れ、座って入浴すると疲れにくいです。
少し熱めの湯が汗腺を刺激し、発汗を促します。足や腕の血液が温まると血液が全身を巡り、からだの芯が温まるため脳の温度センサーが働き、よい汗をかくことができます。
手足高温浴のあとは、湯船に水を追加して微温浴をします。全身を湯につけてリラックスしてもよいでしょう。個人差はありますが、2週間程度でよい汗をかけるようになったという実感を得る人が多いようです。ただし、血圧の高い方や高齢者には負担が大きいので避けるようにしてください。


4.風呂上がりのエアコン禁止
風呂上がりは汗をかくチャンスです。夏の暑い時期はエアコン
でほてったからだを冷やしがちですが、せっかくかいている汗を抑えないようにしましょう。
入浴のあとはゆっくりと汗を出し、その汗で自然と体温を下げるようにします。本来、体温を調節するのは汗の役割なのですから、自然にまかせましょう。
せめて首すじやわきの下などを、うちわで軽く扇ぐ程度にすると効果的です。


5.からだを温める食品をとる
代表的なのが発汗を促進する「葛根湯」に含まれる葛根です。葛粉を水や湯に溶かしたものを、汗腺トレーニングの前に飲むとよいでしょう。からだを温める作用のあるしょうがを紅茶に入れる「しょうが紅茶」もおすすめです。
野菜のとり方も注意しましょう。夏野菜にはからだを冷やす作用があります。冬に夏が旬の野菜をサラダなど、火を通さずに食べるとからだを冷やしてしまいます。冬はからだを温める冬野菜(根菜類)を、加熱調理したものを食べるようにしましょう。


6.上手に水分をとる
よい汗をかくためには水分補給が欠かせません。
汗をかきたくないから水分を控えるという人もいるようですが、これはとても危険です。
人間は水分が不足すると脱水状態に陥ってしまい、ひどい場合には生命の危険も出てきますから。
一般的には1日に1.5リットル程度を、飲料水として補給したほうがよいと言われています。
特に夏場は汗の量が多くなるので、こまめな水分補給を心がけましょう。ミネラルが不足しがちになるので、天然のミネラルが豊富に含まれる水をとると効果的です。


7.こまめな汗対策で臭いを防止
洋服の素材は、汗の発散を妨げない薄手のものがよいです。特に下着は発汗性、吸水性、乾燥性にすぐれた綿素材が好ましいです。また通気性をよくするため、締め付けすぎるものは避けましょう。
汗をふくときには、たかく絞ったぬれタオルを使うと肌のべたつきが解消されるうえ、臭い予防にもなります。ワキの下は制汗剤(デオドラント)を塗ったり、早めに濡れタオルで拭き取る、ワキパットなどを利用して汗が衣服にしみ込まないようにするなどの工夫ができます。


MOANALIFE 2008年5月



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単なる体内の水分排出ではないさまざまな汗の役割

汗のもっと大事な役割は体温調節
汗をかくのは、単に水分を体外に排出しているだけではありません。体内の温度を一定に保つという重要な役割があります。周囲の温度や体内の熱が高くなったときに、発汗によって熱を体外に発散しているのです。

発汗による体温調節は人間にしか備わっていません。犬は舌を出して熱を発散させたり、象は水浴び、豚は泥をからだにこすりつけるなどして、体温を下げています。

人間にこうした機能があるのは、人間の脳が熱に弱く、40度以上の熱が数十分続くと意識障害を起こしてしまうためです。つまり熱に弱い脳を守るため、体内に熱がたまったときに、すみやかに体温を下げるシステムなのです。このほかにも、いい汗をかくと新陳代謝が高まる、肌がきれいになるといったよい面があります。


できるだけかきたくないと嫌われがちな汗
現代人は汗をかきにくくなっている傾向があります。エアコンの普及で、室内や電車・バス・車の中は春夏秋冬一定の温度に保たれ、交通手段が発達してからだを動かす機会が減ったことが関係しているのでしょう。

さらに、昨今の「清潔志向」の影響も考えられます。日本人は特に「臭い」に敏感です。「汗=くさい」というイメージがあるらしく、汗を汚いものの象徴としてとらえがちです。「オヤジ臭」などという言葉がはやった影響で、若い世代だけでなく、中高年までが汗を敬遠するようになっています。ところが、その一方で、健康のために汗を出そうと、お金を出して岩盤浴やサウナにせっせと通う人もいるのです。なんと矛盾しているのでしょうか。

一昔前は額に汗して働いたり、からだを動かして汗を流すのは美徳であり、健康の象徴でした。汗をかかないでいると、汗腺の機能はどんどん低下していき、汗をかきにくくなってしまいます。上手に汗がかけなければ、発熱したり、外気温が高いところにいるときなど、いざというときの体温調節がうまくできなくなります。

夏になると、熱中症で倒れる人のニュースが聞かれますが、汗を上手にかけなくなったことも影響しているのかもしれません。エアコンが普及して快適な生活が送れるからといって、汗を軽視しないようにしたいものです。


MOANALIFE 2008年5月



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汗をかかないと、低代謝に。もっともっと、よい汗をかきましょう

よい汗をかくと



1.代謝がよくなります。

2.低体温が解消されます。

3.ダイエットにつながります。

4.心身ともに元気になります。


汗をかくと代謝がよくなる。なのに、私たちは汗をかけない体になってきています。

最近、汗をかいていますか? 実は、クーラーの普及などによって、ここ20年間で、私たちはどんどん汗をかけないからだになってきています。また、40〜50代ぐらいから、汗腺はどんどん衰えていきます。

汗とは、体内の温度調節のためにかくものです。というのも、脳とからだはそれぞれ適温があります。たとえば熱が38度出たら、頭がボーッとしますね。ところが内臓器官はそれぐらいの温度のほうが活性化し、免疫力もあがります。だから、低体温はからだによくないのです。脳とからだの両方のために、汗をかいて熱を発散する方法を人類はとっているのですね。

熱は、栄養素がエネルギーに変わるときに発生します。汗をかいて熱を発散させると、代謝が活発になり、栄養素がどんどんエネルギーに変わります。代謝がよくなれば体温も上がる。栄養素がなくなると、体内に蓄積された脂肪酸をエネルギーに変えるため、ダイエットにもつながる。汗をかけば、いいことずくめなのです。


よい汗とはからだの中からじんわりかく汗。それには訓練が必要です。

汗にもよい汗と悪い汗があります。よい汗とは、からだの中から温まってかく汗。サラサラで蒸発力が高く、からだを冷やしません。逆に悪い汗はからだを冷やしがちです。

よい汗をかくための汗腺トレーニングとしては、からだの中から温めるのがいちばん。とくに半身浴はおすすめです。全身浴だと皮膚温がすぐ上がって悪い汗を大量にかくうえ、全身がお湯につかっていて汗が蒸発しません。ウォーキングなどの有酸素運動も、外気にあたることで汗が蒸発しやすいのでいいですね。生姜などのからだを温める食材を積極的にとるのも効果的です。

汗腺は衰えるのが早いかわりに、訓練次第ですぐに変化が現れます。昔は、季節に応じて汗をかいたり抑えたりしていました。夏の初めはベタベタした汗でも、かき続けることで汗腺が訓練され、夏の終わりにはサラサラの汗をかけるようになっていたものです。しかし、汗腺が衰えている現代人の私たちは、意識してもっともっと汗をかくことが必要なのです。


よい汗、悪い汗とは?

よい汗

・体の中から温まって出る。

・血漿に含まれる大事な成分を
 血液に戻してから出る。

・じんわり出るため
 濃度がうすく、サラサラ。

・蒸発力が高いため、
 からだを冷やさない。

悪い汗

・皮膚温が急激に上昇して出る。

・血漿に含まれるミネラルなどの
 大事な成分まで出てしまう。

・急激に出るため
 濃度が濃く、ベタベタ。

・蒸発力が悪く、
 からだを冷やしがち。

 

よい汗をかくには?


1.からだの中から温める。
   ●半身浴 ●手足高温浴

2.有酸素運動をする。

3.発汗を促す食材をとる。
 生姜のほかに、大豆やブロッコリーなどもからだを温めます。

高温手足浴


 43〜44度の熱めのお湯にひじから先とひざから下をつける
手足高温浴も、衰えた汗腺を刺激するのに効果的です。


別冊附録 ふくふく 2008年10月号 ふくふくの温熱生活




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今日もワキ汗がすごいんです 私って多汗症!?

msn ビューティースタイル/ヘルスケア

大人のための家庭の医学 Vol.13

今日もワキ汗がすごいんです 私って多汗症!?

1.体質? 精神的なもの? 私のワキ汗の原因は?
2.汗は減らせる? 臭いは防げる? 汗に関する疑問を解決
3.ワキ汗の悩みからおさらばするためには?



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汗を嫌わずにどんどんかいてください。新陳代謝が活発になり、免疫力も高まります。

 ご存知のように、人間は汗をかくことで体温を調整しています。体温が上がる→汗をかく→かいた汗が皮膚表面で蒸発する→気化熱で体温を体の外に逃がしているわけです。

 汗をかくために大事な器官が汗腺です。人間の体には400万〜500万個の汗腺がありますが、実際に働いている「能動汗腺」は、全体の約半分と言われています。残りの半分は環境が急変したときに対応できるように休眠しています。

 季節によっても能動汗腺の数は変わります。暑い夏には能動汗腺の数が増えて体温を逃し、寒い冬には能動汗腺を減らすことで気温の変化に順応してきたわけです。

 ところがこのところ、夏になっても汗をかきにくい人が増えています。暖かい季節になっても能動汗腺の数が増えないケースです。言うまでもなく、冷房が普及してきたせいでしょう。

 能動汗腺が増えないと、どうなるのか。

 まず、体温調節が上手にできなくなります。暑いときに熱が体にこもりやすくなるので、熱中症になりやすくなります。

 さらに、汗の質が変わります。汗をかきやすい人は水のようなサラサラした汗をかきますが、汗をかきにくい人の汗はネバネバした汗になります。私は「悪い汗」と呼んでいますが、血漿の成分やミネラルをたくさん含んでいるので、蒸発しにくくて臭いが強いという性質があります。体の方はミネラルが失われるので、夏バテのような慢性疲労の症状が起こりやすくなります。

 ではどうしたらいいのか。

 なるべく、夏は汗をかきやすい生活を心がけてください。真夏の暑い日に冷房を一切使うなというわけにもいきませんが、せめて外気と室内の温度差を5℃以内に抑えてください。

 汗腺が活発に活動することで、サラサラしたいい汗をかける。細胞の代謝が活発になると、血流が増えて酸素が全身に運ばれて、さらに代謝が高まるといういい循環が生まれていきます。

通販生活2009年夏号


*「通販生活」ではこの後、7つの汗臭、汗ジミ対策商品が紹介されています。




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ヨガと下半身ヤセ(むくみ解消)

今回は、ヨガと下半身ヤセとの関係について、私の知識の範囲内で説明しましょう。

先日、ある雑誌から「ヨガは何故いい汗がかけるのか」という内容の取材がありました。

汗については前回のような説明で納得していただいたのですが、その時「モニターの方の中には、3日くらいで、太ももの周囲が2センチ近くも減少した人がいましたが、これもヨガのダイエット効果ですか?」という質問がありました。

たしかに、ヨガをしている人は、まず下半身、特に大腿部を中心に痩せてくるようです。

しかし、3日のヨガで皮下脂肪が減少して、ダイエット効果があったとは言えないでしょう。

その人は実際には、太ももの「むくみ」がとれたのです。ヨガによる下半身ヤセは、皮下脂肪の減少というより、下半身のむくみの解消効果が大きいのです。

ヨガによる骨格筋の運動は、まず下半身の「むくみ」を解消し、その後ヨガ運動を継続することで、ダイエットが可能となると考えてください。

それでは、なぜヨガで下半身の「むくみ」が解消されるのでしょうか?
その前に「むくみ」とはどのような状態なのかを知る必要があります。

多くの人は、「むくみ」とは抹消の「血管の中」や「細胞の中」に水分が滞ることと思っているかもしれません。
実は「むくみ」とは、「血管と細胞」の間や「細胞と細胞」の間に水分がたまる状態なのです。
この液を「組織間液」と言い、組織液が増加した状態を医学的には「浮腫」と言うのです。

人間の体は、体重の60%以上が水分です。その水分は当然、細胞の中に多くあります(40%くらいです)。
ところが、細胞外にある水分は、ほとんどはこの組織間液(13%)なのです。血管内にあるのは、たった2%だけです。13%の水分量を、2%しか許容量のない血管に戻そうとするのは大変なことなのです。

前回説明したように、体の血行を盛んにするためには、心臓に還流する静脈血がどれだけ多いかで決まります。
そして、この抹消から還流する静脈血やリンパ液を多く供給するのが、組織間液からのよどみない水分の流れなのです。組織間液に古い水分がいつまでもたまっていたのではスムーズな水分の流れは得られません。

ですから、「むくみ」のある人は、血液の流れが悪いため「よい汗」はかけません。良い汗は、代謝を高めダイエット効果と結びつきます。
つまり「むくみ」を解消したということはダイエットが可能になったと言うことです。

それでは、なぜヨガの運動が「むくみ」の解消、つまり組織間液の流れをよくしたのでしょうか?

それには、3つの理由があります。

第一は、下半身の骨格筋による「筋肉ポンプ」力の強化です。

前回説明したように、ヨガの動きは、特に下半身の骨格筋繊維の自然な「伸展−収縮」をもたらします。
この動きは、骨格筋周囲の静脈やリンパ管に対して、一種の「ポンプ作用」として働き、流れを改善して、心臓への還流を助けます。
下流での静脈血やリンパ液の還流が盛んになれば、上流にある組織間液からの水分の汲みとりも盛んとなり、結果的には、動脈→組織間→静脈(リンパ管)という流れが滞ることなく行われ、組織間の余分な水分が放流され、「むくみ=浮腫」が解消するのです。

第二は、静脈やリンパ管の「弁力」の強化です。

血管系では、動脈の血液の流れは、心臓の拍出力によってもたらされます。しかし、心臓に還る静脈系やリンパ管系までは、心臓の拍出力は及びません。

ではどのようにして、静脈血やリンパ液は心臓に還流しているのでしょうか?
それは、(一部は、前述の筋肉のポンプ作用ですが)メインは、静脈菅やリンパ管の内側についている「弁の作用」なのです。
この静脈弁やリンパ弁が、血液やリンパ液の逆流を防ぐことで、還流量を維持しているのです。

私の推測では、ヨガの動きは、この弁付着部の平滑筋の力を高めたり、弁の動きと同調したりして、血液の逆流を最小限に抑えてくれるのではないかと思います。

よく、エステで、「リンパマッサージ」というのがありますが、このマッサージの作用も「弁力」を高め、静脈血やリンパ液の逆流を防ぐこと、ひいては、還流量を高めることが目的ではないかと思います。

第三は、腹腔や胸腔内の「陰圧」の力です。
これも私の推測ですが、ヨガの呼吸法は横隔膜の動きを伴うことが多く、腹腔や胸腔を陰圧にして、静脈やリンパ液の吸引力を高めているのだと思います。

いずれにせよ、以上の効果からして、ヨガの動きは、特に下半身の「むくみ取り」にはかなり即効性があると言えるでしょう。

次回は、「下半身の本物ヤセ」つまりヨガのダイエット効果について説明しましょう。


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ヨガとダイエット

前回は、ダイエットの前提となる「むくみの解消=水分の減少」について説明しました。
今回は、「本物ヤセ=脂肪の減少」つまり、ヨガとダイエットの関係について説明しましょう。

ところで、「ダイエットとは何か?」。
ほとんどの人は、「体重の減少」のことをダイエットだと誤解しているようです。
さきほど、私は、「ヤセ=脂肪の減少」と書きましたが、「ダイエット=脂肪の減少」ではありません。

ダイエットを試みる多くの人は、体重計の数値に一喜一憂します。つまり、体脂肪量がいかに減少「したか」が一大関心事なのです。
しかし、今までダイエットに失敗した人の多くは、この体脂肪の減少ばかりに心を奪われていた人なのです。

本当のダイエットとは、「エネルギー貯蔵組織=脂肪組織」から「エネルギー燃焼系=代謝組織」への永続的なエネルギーの流れ(転換)のことを言うのです。
つまり、体脂肪という「ストック」の減少は、脂肪組織から燃焼系へのエネルギーの流れ「フロー」の中のひとつの部分現象にすぎないのです。

エネルギーが燃焼系へ永続的に流れることで、脂肪燃料への需要が増加して、脂肪エネルギーの供給が増し、その結果、体脂肪の分解と減少がもたらされるのです。
ここでのキーワードは、あくまでも「燃焼系」です。

「体脂肪の減少」はダイエットの「目的」ではなく、あくまでもその「結果」なのです。

それでは、脂肪エネルギーが流れこむ「燃焼系」とは、どのようなものでしょうか?

「燃焼」するとは「代謝」するということです。

「代謝」とはどのようなものかを知るために、ここでちょっと基本的な知識を理解してください。

通常、食物から摂取した栄養素(主に糖質)は、腸でグルコースに変えられて吸収され、体の全ての細胞に運ばれエネルギーに変換されます。

細胞の中でエネルギーに変換される場所はミトコンドリアです。
ミトコンドリアに運ばれたグルコースは、「ピルビン酸」→「アセチルCoA」となって、有名な「TCA回路」という代謝回路に入り、ぐるぐる回りながらエネルギーを産生します。
1個のグルコースが、1回回路を回るごとに、30個のエネルギー(ATP)がつくられます。

さて、ここで、あなたはある日ダイエットをしようと決意しました。
その日から、あなたは食事(主にご飯などの炭水化物)の制限をするでしょう。
でも、あなたは活動しています。あなたの一日の活動には30個のエネルギーが必要としましょう。
でも、食事で大切な栄養素のご飯(つまりグルコース)を制限しているのですから、エネルギー製造場では、グルコースというエネルギー原料が不足します。

ミトコンドリアは、あなたの活動に最低必要な30個のエネルギーを製造するために、グルコース以外の他の栄養素に出動を要請します。
他の栄養素で最も頼りになるのが、体に蓄積していた「脂肪」です。
出動を要請された脂肪組織では、「脂肪酸」の形に分解して血液でミトコンドリアまで運びます。
この脂肪酸がアセチルCoAに変換されて、TCA回路の中に入るのです。
無事1回転して、あなたの1日に必要な30個のエネルギーは得られました。
結果的には、脂肪酸を燃焼させるために分解した「脂肪」が脂肪組織から消えたことになります。

翌日も翌々日も、同様な形でエネルギーを得たとします。
脂肪酸がTCA回路で消費され、その結果さらなる脂肪が分解され脂肪組織から減少していきます。
つまり、TCA回路という燃焼系=代謝系が回転しているかぎり、脂肪の減少がもたらされ、あなたのダイエットは晴れて成功するのです。

ところがです。ことはそのようにうまくは運びません。
仮に、何かの原因で、TCA回路の回転が休業したとしましょう。
回路が回っていないのですから、脂肪組織からミトコンドリアの入り口まで来た脂肪酸は、回路に入れないまま立ち往生してしまいます。あとからは、脂肪で分解された脂肪酸がぞくぞくとやってきます。しかし、最初の脂肪酸が先に回路に入らないのですから、あとから来た脂肪酸は血中に蓄積してきます。血液中の脂肪酸の定員は決まっているので、定員オーバーした脂肪酸はまた元の脂肪に合成させられるか、違う物質に合成されてしまいます。
この違う物質とは、「ケトン体」といって「甘ずっぱいニオイ」がするのです。これが私が命名した「ダイエット臭」なのです。
この段階で、いくら食事制限をしたところで、脂肪は減少しません。
つまりダイエットは失敗ということになります。

もうお分かりでしょう。
ダイエットというのは、「TCA回路を回し続ける」こと、つまり「燃焼炉の火を消さない」こと、つまり「代謝を維持し、むしろ高める」ことが大前提となるのです。
極論をするならば、「燃焼系=代謝系」さえ活発に維持することさえできるなら、あとはほうっておいても、脂肪は分解されて、減少してゆくのです。

それでは、かように大切な「代謝系」はどのようにしたらその働きを高めることができるのでしょうか?

それは、無数にあります。全ての体の生理機能は代謝と関係しているので、いちいち説明していたら日が暮れてしまいます。

しかし、それではあまりにも無責任なので、以下のように大きく分けて理解するとよいでしょう。

(1)「代謝促進物質」を十分に摂取すること。

この「代謝促進物質」も無数にあります。
マグネシウム、カルシウムなどのミネラル。ビタミンB類などのビタミン類、カルニチン、コエンザイムQ10などの酵素類。酢に含まれるクエン酸も忘れてはなりません。クエン酸こそ、TCA回路の最初の原料なのです(だからTCA回路のことを別名クエン酸回路とも言われます)。
アルカリ食品も代謝をさかんにするものが多いですね。
サプリメントも一杯ありますので、みなさんそれぞれ勉強してみてください。

(2)「汗」を十分かくこと。

汗は車の冷却装置のようなものです。高速運転中に冷却装置が壊れたら、車のエンジンを切らないとオーバーヒートしますね。人間も同じです。先ほどのTCA回路を回すと、実はエネルギー以上に「熱」が発生するのです。恒温動物の人間は、その熱を体外に放出しないと、脳が壊れてしまいます。しかし、車のようにエンジンを切る(心臓を止める)わけにはいきません。
ではどうするか? 体の中で「熱をださない」ようにするしかないでしょう。つまり、体は、TCA回路の回転を減速させて対応しようとします。つまり、「低代謝」にするということです。
低代謝にならないためには、日頃から汗をかくことが大切なのです。
(ヨガで汗がかけるようになる理由については、「ヨガと汗の関係」で説明しました。)

(3)「血液の流れ」をよくして、組織に「酸素」を十分供給すること。

実は、このTCAサイクルが回転するための条件があります。
それが、「酸素」が十分あるということです。TCA回路のことを「燃焼系」と呼ぶのは、釜戸でまきを燃やすのに酸素が必要なことと似ています。酸素があれば、1回転した結果産生されるものは、「エネルギー」「熱」「水」「二酸化炭素」の4つだけです。非常にクリーンですね。だから「完全燃焼系」とも呼んでいるのです。

ところが、酸素が十分でないと、ミトコンドリアのTCA回路に入る前に、ピルビン酸が燃焼されてしまいます。これを「解糖系」と言います。しかし、この解糖系でエネルギーを得ても、たった2個のエネルギーしかできないのです。
しかも、その燃えカスが、疲労物質の「乳酸」です。この乳酸が血中に増加して汗に出ると、体臭が強くなるのです。

代謝には、酸素が必要であり、その酸素を運ぶための血行がさかんなことが大切なのです。
(そして、ヨガがこの血行を盛んにする理由については「ヨガと下半身ヤセ」で説明しました。)

(4)「骨格筋」に十分働いてもらうこと。

つまり運動療法ですね。
ここで、またまたヨガの出番です。TCAサイクルが働く場所は、体全体にあります。主は肝臓です。ところが肝臓の方は年がら年中休みなく働いているので、これ以上代謝を高めることを期待したらかわいそうです。
ところが、骨格筋にあるミトコンドリアはまだまだゆとりがあり、非常に元気です。
その骨格筋のミトコンドリアに働いてもらわない手はないでしょう。

ヨガの運動は、この骨格筋のミトコンドリアを非常にうまく利用するのです。(と思います)
他の激しいスポーツのように強制はしません。しかし、おだてるのが上手なのですね。

しかも、一部のミトコンドリアばかり働かせるのでなく、全てに万遍なく効率的に動員させるのでしょう。(実際に見たわけではないので想像です。)

ここで、「強制しない」ところがポイントです。
無理に激しく働かせると、前述の酸素が足りなくなります。結果的には、TCA回路でなく、解糖系でエネルギーを得ようとするのです。
そうすると、乳酸が増加して、疲れるのです。
(ここで乳酸についてですが、最近の研究では、乳酸はただの老廃物ではなく、酸化されてエネルギーにもなり、時には疲労をやわらげる働きもすることが分かってきました。乳酸の名誉のために一応付記します)

ヨガの運動後あまり疲労がのこらないのは、やはり、TCA回路を効率よく使用しているためでしょう。

(5)体温を高めにすること。

骨格筋の働きとも関係しますが、代謝をとりもつ酵素のほとんどが温度が高くなると活性が高まる傾向があります。
「体温」が高いか低いかは、代謝の「結果」でもありますが、その「原因」ともなるのです。
低代謝の人は、当然熱産生が低いので、低体温になりますが、その低体温がさらに低代謝になるという悪循環を招くのです。

以上大きく分類しましたが、人間は生きてゆくためにこれらの方法を総合・複合して「代謝力」を維持しているのです。全てが満遍なく必要なのです。

雑誌ではさまざまなダイエット法が紹介されていますが、このように見てくると「ダイエット」とは、ひとつの「特定の方法」で可能となるしろものではないのです。非常に奥が深く、それゆえ、ダイエットを始めようと決意した人は、総体的な見方と継続的努力が必要とされるのです。

今回は、質問者への返答ということで、「ヨガとダイエットの関係」について説明しましたが、私はヨガの専門家ではないことをお断りしておきます。ただ、今までいろんな雑誌でヨガが紹介されていますが、医学的に説明した記述は少ないのであえて記載させていただきました。


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ヨガと汗の関係

私は汗の専門家ではありますが、「ヨガ」についてはほとんど素人同然です。ただ、ヨガの呼吸法に興味があり、以前インドに行ったりして多少勉強したことがありますので、私の知識の範囲内でヨガと汗の関係についてご説明します。

結論を言いますと、ヨガは岩盤浴と同じように「よい汗」がかけると思います。
ホットヨガを体験した人は、岩盤浴の体験者とほとんど同じ印象を述べます。
それは、「今までにないほど、たくさんの汗をかいた。しかも、その汗がサラサラしていた」というものです。

ヨガでなぜ、たくさんのサラサラ汗をかけるのでしょうか?

ホットヨガの場合の「室内の高温環境」を除外すると、理由は2つあります。

第一は、汗の原料である皮膚血液量がヨガで増えるからです。
汗の原料は、血液です。その血液量が、ヨガの動作によって、非常に増加するのです。

通常のスポーツは、筋肉に無差別かつ激しい運動を要求しますが、ヨガでの筋肉運動は「骨格筋の自然な伸びと、自然な復元」を基本とします。

ヨガによる筋肉の無理のない「伸展−収縮」の連続は、血液の流れ、特に静脈とリンパ系に「筋肉ポンプ」として働き、静脈血やリンパ液の心臓への「還流量」を増加させるのです。

実は、心臓が体の各組織にどれだけ多くの血液を送れるかは、心臓にどれだけ多くの静脈血が還ってきたかで決まります。
これは呼吸法と同じです。呼吸とは字のごとく、「呼」つまり吐くことが先で、「吸」は後です。古い空気が肺に残っていては新しい空気が入ることはできないのです。いかに多くの空気を吸えるかは、いかに多くを出せるかによるのです。

血液もしかり。
より多くの静脈血が心臓に還流することで、心拍出量が増加し、より多くの動脈血が抹消の組織(特に皮膚)に供給されることになるのです(これを生理学ではスターリングの法則と呼びます)。

つまり、筋肉からの静脈血やリンパ液の心臓への還流(ドレナージ)は、結果的には元に戻って、皮膚へ血液を供給することになり、汗のかきやすい環境を整えるのです。

第二は、ヨガによる骨格筋の運動による効率的な熱産生です。
骨格筋から発生した熱は、その周囲を流れている血液の温度を上昇させ、それがさらに脳温を上昇させます。脳温の上昇は、視床下部の発汗中枢を刺激して、発汗指令となります。

ここが、「ネバネバ汗」になるか「サラサラ汗」になるかの別れ目です。

通常、温度センサーは、皮膚表面と脳との2箇所にあります。
皮膚のセンサーは、外気温の急激な変化に対応し、脳のセンサーは、「体の芯=深部温」の変化に対応しています。
したがって、皮膚温から受けた発汗指令は急激な外部環境の変化に対応するために、「一気に」すばやく出る傾向があります。一方、脳温から受けた指令による汗は、安定的、恒常的に体温を一定にさせたいため「じっくり」出る傾向があります。

以前説明したように、汗は「一気」に出ると、血漿の成分を多く含んだネバネバ汗となり、「じっくり」出ると、血漿のミネラルなどの成分を元に戻して、水に近い「サラサラ汗」となります。

ヨガで、岩盤浴と同じように「たくさんのサラサラ汗」が出るのは、このような医学的な理由があるからなのです。


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自律神経と呼吸法の効用

「自律神経」と「汗や体臭」とは兄弟みたいに密接に関係しています。

まず、汗ですが、全身に分布しているエクリン腺からの発汗をコントロールしているのは、二つの自律神経のうちの「交感神経」です。
みなさん、ご存知のように普通、自律神経には交換神経と副交感神経の二つが共同して体の働きを調節していますね。
例えば心臓動きは交換神経で速くなり、逆に副交感神経で遅くなります。

ところが、汗腺の場合には、副交感神経は無く、交感神経だけで調節しているのです。
車の速度をアクセルだけで調節するようなものですね。
このことが、汗が必要ないときにたくさん出てしまう理由のひとつなのです。

自律神経失調症の場合、特に副交感神経の働きが弱くなってしまう傾向があります。
ただでさえ副交感神経という抑制役がないところに、全身の副交感神経が弱くなるのですから、これはもう交換神経の独壇場です。
勝手気ままに、汗腺を刺激して汗をかかせるわけです。

そこで、副交感神経の働きを高め、交換神経とのバランスがよくし、うまく汗をコントロールする必要があるのです。

そのための訓練で、最も効果的なのが「呼吸法」なのです。
通常、自律神経の働きを自由に高めることはできませんね。
意図的に胃の蠕動を強くしたり、心臓の鼓動を遅くしたりは無理です。

しかし、唯一「意識的に」コントロールできる自律神経があります。
それは「呼吸」です。
呼吸だけは、速くもしたり、逆にゆったりとさせることが可能です。

これを利用するのです。
正しい呼吸法を身に付けると、副交感神経の働きを正常にし、交換神経の独走を抑制して、汗を抑えることが出来るのです。

しかも、発汗は血液中の二酸化炭素濃度が高まると発汗中枢が刺激され、汗が多くでます。
ゆったりとした正しい呼吸法は、呼気の機能が高まり、二酸化炭素を体外に排出して、結果的に発汗抑制にもなるのです。

呼吸法の専門の本は、大きな書店に行けばいっぱいあります。
それらも参考にして、あきらめないで、ぜひ続けてみてください。


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暑熱順化の応用

いつも暑いところで住んでいる熱帯地方の人はあまり汗をかきません。
これは「長期暑熱順化」と言う現象です。

つまり、長年暑いところで生活していると基礎代謝が低くなり、熱の産生が少なくなったり、皮膚の血流量が増して皮膚温が上がり、熱の放出が盛んになるため、汗そのものをかく必要性が少なくなるのです。

しかも、熱いところで生活していると自然に汗腺が訓練されて、より塩分の少ない、少量の発汗でも体温の調節ができるように汗腺機能が高まるのです。

ですから、このことは夏の汗対策にも応用できるのです。
つまり、夏本番になる前から「短期暑熱順化」という汗腺の機能訓練をするのです。
具体的には、春先から有酸素運動を始めて、同時に一日30分くらい熱い湯での下腿と前腕の汗腺訓練をして、梅雨時からはエアコンを使わない生活で全身の汗腺を暑さに慣らすのです。
当然夏は、出来るだけ冷房に頼らない生活を心がけます。

このような生活を数年続けると結果的には、熱帯地方の人の「長期暑熱順化」と同様な汗腺が出来上がってくるのです。

 


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プロフィール

医学博士・五味常明
1949年、長野県生まれ。一ツ橋大学商学部、昭和大学医学部卒業。 昭和大学形成外科等で形成外科学、および多摩病院精神科等で精神医学を専攻。 患者の心のケアを基本にしながら外科的手法を組み合わせる「心療外科」を新しい医学分野として提唱。ワキガ・体臭・多汗治療の現場で実践。 わきがの治療法として、患者が手術結果を確認できる「直視下剥離法(五味法)」を確立。 TVや雑誌でも活躍中。 99年からは、ケアマネージャー(介護支援専門員)として、デイケア事業や、高齢者介護の現場でのニオイのケアにも取り組む。

五味クリニック院長
流通経済大学 客員教授
日本心療外科研究会代表
体臭・多汗研究所所長

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