多汗症や汗のニオイに悩む方のためのブログ(五味クリニック)

わきが多汗症治療に長年携わってきた五味クリニック院長が、汗に悩む方の心のケアを重視した、様々な対策や治療法をご紹介します。

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新着情報
  • 出先で汗だく! そんなときに効果的なワキ臭対策は●●を使う
  • ワキの臭い対策の第一歩、そもそもの臭いの原因って何?
  • じめじめ暑い夏の乗り切り方 汗腺鍛えてサラサラ汗に
  • 1)冷房普及、退化する「体温調節」
  • “汗っかき体質”を改善する「熱温(あつぬる)汗腺トレーニング」
  • さらさらした「いい汗」が脳の働きを守っています
  • 汗博士に直撃! 汗腺トレーニングでいい汗を
  • 対処法を知っていれば怖くない!
  • 汗とニオイの真実を知る
  • ダラダラ、じっとり…。夏の不快な汗悩み
  • 手汗がひどく、気になってタオルがないと不安です
  • 夏の困りごと 汗と臭い対策
  • じつは夏より臭い!? 冬の汗のにおいトラブル
  • 美人を台無しにする「汗」と闘うための知恵袋
  • 制汗剤 自分に合う使い方は?
  • 熱中症には汗腺トレーニング!
  • 夏の汗対策 拭き取ると逆に出やすくなる、蒸発させるのが吉
  • お出かけのときに困ったら…
  • いい汗をかいてにおいを出さない
  • 汗コントロール

出先で汗だく! そんなときに効果的なワキ臭対策は●●を使う

仕事のアポイントやデートの待ち合わせなど、「遅刻してはまずい」というケースで必死に走った経験がある人も多いだろう。気がつくとワキの下からじんわり汗が。「まずい、臭いが気になる」……。そんな出先での「汗のトラブル」にはどう対応したらいいのか紹介しよう。

ぬれタオルでさっとひとふき、服は綿素材を選ぶ

五味クリニックの院長で、体臭・多汗研究所所長でもある五味常明先生によると、たとえ汗をかいても、臭いが発生するまでには約1時間かかるとのこと。もし出先で手元に制汗剤がなかったら、タオルやハンカチをぬらして絞り、ワキの下などをすぐにふきとるのが最も効果的だという。

臭いの原因は皮膚に残った雑菌であり、ぬれタオルでふくことで、雑菌といっしょに皮脂汚れなども取り除くことができる。一度使用したぬれタオルは、臭くなるのですぐに洗濯しよう。

また、汗をかいたら服の中の湿度を高めないように、できるだけ汗を発散・蒸発させることで臭いを防ぐことができる。そのため、服や下着は通気性や吸水性がよく、かつ速乾性にも優れる綿(コットン)素材のものがベスト。ポリエステル素材は、シワになりにくいというメリットはあるが、通気性が悪いため暑苦しく、臭いがこもりやすいという。

特に近年は、吸水性や速乾性が従来よりも高められて、臭い成分を吸着してくれるような新素材なども出てきている。夏場に着用する衣類選びの際のポイントにしてみてはいかがだろうか。


マイナビニュース
 

ワキの臭い対策の第一歩、そもそもの臭いの原因って何?

汗ばむ季節。どうしても気になってくるのが、満員電車やオフィスの中で、近くにいる人の不快な臭い。思わず、「もしかして自分も? 」と不安を抱く人もいるだろう。ただ、そもそもなぜワキは臭いのだろうか。

汗自体が問題ではなく、菌の繁殖が臭いの原因

「とにかく汗が臭いので、それが原因」と思いこんでいる人は多いかもしれないが、それは間違い。汗自体に臭いはなく、汗や皮膚の汚れ、皮脂に含まれる「菌」がたんぱく質などを食べるといった活動(繁殖)をすることで、臭いが発生する。そのため、たとえ汗をかいても、菌の繁殖さえ抑えられれば、臭いの発生も抑えられるのだ。

五味クリニックの院長で、体臭・多汗研究所所長でもある五味常明先生によると、人間の体には、「エクリン腺」と「アポクリン腺」という2種類の汗腺があるという。

2種類の汗腺の正体

全身に200〜500万個ほど分布しているエクリン腺から出る汗の成分は、99%が水分。残りは塩分や尿素、アンモニアなどで、サラッとしていて汗自体は無臭だ。

一方、アポクリン腺はワキの下やへそのまわり、乳輪、性器、肛門の周囲など、体の一部にのみ分布する。毛穴と出口を共有し、糖質や脂質、アンモニアなど、さまざまな栄養素を含んだやや粘り気のある汗を出す。エクリン腺とは違い、塩分をほぼ含まないため、皮膚の常在菌が繁殖しやすいのが特徴だ。

常在菌とは、人体に日常的に生息している微生物(細菌)のこと。特にワキは肌と肌が密着していて風通しが悪く、汗が発散・蒸発しにくいため、菌の繁殖活動がさかんになり、臭いが発生するというわけだ。

「満員電車のようなストレス下でかいた汗は、運動でかいた汗と比較して皮膚常在菌が繁殖しやすく臭いが強くなります」(五味先生)。満員電車での不快な臭いも、これで納得していただけたろう。

ワキの臭いの原因は、ワキの下などにあるアポクリン腺から出る汗によって、皮膚の常在菌が繁殖するからだということがわかった。では、その臭い対策として効果的な方法は何なのだろうか、次回以降で紹介していく。

 
マイナビニュース

じめじめ暑い夏の乗り切り方 汗腺鍛えてサラサラ汗に

どうすれば安全安心:じめじめ暑い夏の乗り切り方 汗腺鍛えてサラサラ汗に
毎日新聞 2014年06月12日 東京夕刊



 ◇まず手足を熱い湯に/ぬるめの湯で半身浴/入浴後はゆっくり乾燥

 じめじめと暑い季節がやってきた。噴き出す汗をぬぐいながら、満員電車に揺られる人も多いのではないか。薬局の店頭に対策商品が並ぶほど不快に感じることが多い汗だが、人間の体調維持には欠かせない機能だそう。では、どうやって汗と付き合っていけば良いのか。専門家に話を聞いた。【田村彰子】

 「夏は汗をかきたくないと思う人は多いでしょう。でも、汗をかきやすい体になればかえって汗の量を減らせるのです」。汗博士として知られる五味クリニック院長の五味常明さんはそう語る。

 人は汗をかき、汗が蒸発するときの気化熱で体温を下げている。汗を分泌する汗腺にはアポクリン腺とエクリン腺があるが、アポクリン腺の多い脇やへその周りを除き、大部分の皮膚の表面にはエクリン腺がある。

 体温が高まると、蒸発によって熱を下げるため主に血漿(けっしょう)が汗腺の中に移動する。エクリン腺がきちんと機能していれば、体外へ出るまでに水以外の成分が再吸収され、99%が水の蒸発しやすいサラサラ汗が出る。しかし汗腺が衰えると再吸収されにくくなり、ナトリウムや乳酸、アンモニアなども含まれるネバネバした濃い汗が出てしまう。ネバネバ汗は臭いのもととなりやすい上に蒸発しにくく体温の調整にも役立たない。そのため体は体温を下げようとして、どんどん汗をかく悪循環が生まれる。逆にサラサラ汗だと、五味さんが言うように汗の量を減らせるというわけだ。さらにネバネバ汗の場合、再吸収されなかったミネラル分も体外に出してしまうので夏バテもしやすくなる。


 「汗腺のうち有効な汗をかけるものを『能動汗腺』といい、およその数が子供の時に決まります」。早稲田大学人間科学学術院教授の永島計さんは解説する。能動汗腺数は生まれてから小児期の環境に大きな影響を受け、暑い地域で暮らした人の方が多い。「現代の日本人は、赤ちゃんの頃からエアコンで温度が一定に保たれた環境で育っているので、昔より能動汗腺数が減っている」と永島さん。

 例えば東南アジアの人たちは暑い中でも涼しい顔をしている人が多いが、決して汗をかいていないわけではない。能動汗腺が多く、体中でまんべんなく汗をかいているので体温を下げられるというのだ。「『玉のような汗』をかいている人は、能動汗腺が少ない人に多い。大人になってから増やすことは難しいが、今ある能動汗腺を鍛えることは可能です」

 汗腺を活性化させてサラサラの「良い汗」を全身でかくことが大事だが、汗腺を鍛えるにはどうしたら良いのか。五味さんが勧めるのが「汗腺トレーニング」だ。3週間ほど続けると、汗腺が鍛えられ良い汗が出るようになるという。

 まず「手足高温浴」から始める。膝から下と肘から下を42〜43度のお湯に10〜15分ほど浸す。体の大部分は外に出ているため、汗が蒸発しやすいので全身の汗腺が鍛えられる。お湯につけた際に汗をかかず皮膚が赤くなるだけの人は、汗腺がうまく働いていない「熱中症体質」なので注意が必要だ。「その場合は高温浴を中止し、運動などで長期的な改善をしていかなければなりません。エアコンも活用して、無理をしないことも大切です」と五味さん。高齢者も皮膚が温度を感じにくいため、40〜41度の低めに設定したい。

 続いて、37〜38度のぬるめのお湯にみぞおちぐらいまで入る「半身浴」を10〜15分ぐらいする。湯にコップ半分の酢を入れると、より発汗を促すので、汗腺機能を強化できるという。

 入浴後の汗の乾かし方も大事だ。エアコンで冷えた部屋で急に体を冷やすと汗腺が閉じてしまい、汗で体の熱を逃がすことができない。熱が残ったまま寝てしまうと、大量の寝汗をかいて朝には冷えてしまって夏バテの原因になる。まずはタオルで軽く水気を拭き取り、肌がしっとりする程度に保つ。そして、うちわや扇子で首筋や脇など動脈が通っている部分をあおぎ、汗を蒸発させてゆっくり体温を下げる。「固く絞ったぬれタオルで水気を取ると、臭いの対策にもなります」と五味さん。

 永島さんは「少し息が切れるぐらいの運動、速足でのウオーキングを毎日30分程度続けることでも汗腺を鍛えられます」と話す。「約1週間で少しずつ体がなじみ、1〜2カ月継続すると汗をうまくかく能力が身につきます」。夏場には汗を吸収しやすい素材の衣類を着ることも、快適で安全に運動するための知恵だという。

 しかし、どうしても気になる時もある。簡単にできる汗対策も五味さんに聞いた。

 汗をどうしても止めたい時は、冷たい水を口の中にしばらく含む▽首筋を冷やす−−がおすすめ。口の中には温度を感じる機能があり、冷たいものを口に入れることで「冷えた」と脳が感知し、汗が引いてくる。食道や胃にはこの機能はないので、口の中に冷たいものをとどめておく方が効果がある。首筋は大きな動脈があり、冷やすと脳の温度が下がりやすくなって発汗が抑えられる。冷たい血液も循環しやすくなるので、熱中症の応急処置にもいい。

 顔から流れる汗を止めたい人は、胸を圧迫すると効果的だ。「両乳首の5センチ上あたりに、上半身の汗を減らすツボがあります。舞妓(まいこ)さんも帯で圧迫することで顔の汗を防いでいるようです」と五味さん。寝汗が気になる人も、敷布団を硬いものにして背中を圧迫すると背中の汗は減るという。

 上手に汗と付き合って、快適に夏を過ごしたい。

1)冷房普及、退化する「体温調節」

人類は体温調節のため、暑くなると汗をかく。日本は四季があるので、人は昔から、夏は「汗腺」を働かせ、たっぷり汗をかいた。

 冬は汗腺を休ませ、気候の変化に順応してきた。ところが約20年前からの冷房の急速な普及で、夏でも汗をかく機会が大幅に減った。

 「うまく汗をかけない日本人が増え、自分で体温調節できない爬虫はちゅう類化した人が増えている」と警鐘を鳴らす東京・新宿の五味クリニック院長、五味常明さんに夏の汗対策を聞いた。

 一般に、人の最適な体温は約37度とされる。これは脳の働きを安定させるための温度だ。暑さを皮膚と脳で感じ、約37度を超えないよう、ほぼ一定に保っている。

 汗が出る汗腺には、エクリン腺とアポクリン腺がある。エクリン腺は全身に分布しており、平均して約350万個ある。非常に小さい。ここからの汗は99%以上が水分で、臭いもあまりない。体温調節のためにエクリン腺があるのは人類だけだ。

 アポクリン腺は大半がわきの下にあり、毛穴と出口を共有する。ここの汗はたんぱく質、脂質、アンモニアなどを含む。動物のフェロモンのように、異性をひきつけたりする役割をしていたとみられるが、退化した。栄養があるので皮膚の常在菌が繁殖しやすく、わきが臭ともなる。

 これからの夏は、暑い戸外と冷房のきいた室内の往復を強いられる。「繰り返していると、体温を調節する中枢は、脳よりも皮膚で感じる温度の変化に敏感に反応するようになる。これが爬虫類のような変温動物になる始まりです。汗がかけないと、体温が上がり、様々な病気の原因になる」と五味さんは警告する。


(2014年6月15日 読売新聞)


“汗っかき体質”を改善する「熱温(あつぬる)汗腺トレーニング」

いまどきの日本人は汗かきベタになっている

 とにかく汗が多い、脇の汗ジミが恥ずかしい…。そんな悩みは多いですが、汗の治療にくわしい五味常明先生は「多汗な体質というのは、実はないんです。そう思っている人は、汗のかき方が下手な人なんですよ」と指摘します。
「汗とは、体が高温になりすぎないよう、温度調節のために出るもの。蒸発するときの気化熱で、体温を下げます。だから本来の汗は、かいたそばから蒸発する。汗っかきと思っている人は、汗が多いのではなく、蒸発しやすい”いい汗“をかけていないんです。また部分的に多くかく人は、働いていない汗腺が多いのが原因」
 代謝が低下するからこと世代は、こうした”汗かきベタ“が増えるそう。またこんな理由も。
「クーラーと運動不足で汗をかかないから、汗腺が退化している。また、暑い外から冷房の効いた室内にはいると、体は冷たく感じて毛穴を閉じる。でも体内に熱がたまっているので、脳は汗を出せと命令する。これがくり返され、発汗機能がどんどん乱れるんです」
 そんなダメ汗体質を改善するのが「汗腺トレーニング」。これで汗の悩みとさよならしましょう。

「汗かき体質」は汗がうまくかけない体!

ダラ汗をかくのは ネバネバ汗体質
汗は血液のミネラル分を濾過したもので、いい汗は水に近くサラサラしています。ひとつひとつの汗が小さく、すぐに蒸発するので肌に残りません。しかし、血液の成分が残った悪い汗は、大粒でネバネバするので、うまく蒸発せずにたまり、滝のように流れる状態に。

サラサラのいい汗は、発汗してすぐ蒸発。 ベタベタの大粒汗は、蒸発せず肌にたまる。

額など部分大汗は サボリ毛穴体質
人の汗腺は400〜500万ありますが、働いている「能動汗腺」は半分ほど。しかし、それ以上に“サボリ毛穴”が多い人は、体全体で汗をかけないため、額や脇などの働いている毛穴でたくさん汗をかこうとします。部分汗が多い人は、怠けている毛穴が多いのです。

働かない毛穴があると、働いている「能動汗腺」から大量に汗が出る。蒸発しにくく肌に残る。

汗腺トレーニングで「いい汗体質」に

汗ととめる簡単テク
「人に会うのに、汗ボタボタで困っちゃう」そんなときに使える、速攻テクをご紹介。

ミョウバン水で制汗を
古代ローマ時代から制汗剤として使われていたという「ミョウバン」。水300ccにミョウバン10gを溶かし、スプレー容器に。汗の多い部分に吹きつけて。冷蔵庫で1カ月保存可能。効き目がいまひとつなら、少し濃度を上げて。

体を冷やすには首筋から
大きな動脈のあるポイントを冷やすと、効果的に冷たい血液が巡って、汗が引きやすくなります。「首筋」、「脇の下」、「手首」に、冷たいおしぼりや保冷剤をしばらく当てて。


いい汗をかくための汗腺トレーニング

手足を温めて汗腺機能をアップ
手足の汗腺は機能が低下しやすいため、ここを鍛えて、効率的に汗腺の働きをよくするトレーニング。次第に全身に熱が回り、湯に浸かっていない部分から、サラサラのいい汗が出ます。3週間ほど続けると、より汗が出るようになり、さらに続けると、どんどんいい汗体質に。

1 高温の湯で手足浴をする
浴槽に、43〜44℃の熱めの湯を1/3から半分ほどためる。ひじから先と、ひざから下をつけ10〜15分ほど手足浴を。皮膚の弱い人は1〜2℃下げて。手浴と足浴を1日置きに行ってもOK。

2 ぬるい湯でリラックスする
手足浴の後は、温度36℃くらいのぬるい湯にし、リラックスして入浴を。高温浴とぬるま湯浴を行うことで、自律神経のバランスが調い、汗の調整が上手な体になります。

3 クーラーなしで体温を下げる
入浴後は、屋外の風やうちわで汗を蒸発させ、自然に体温を下げて。クーラーや扇風機を使うと自然な体温調整ができず、トレーニングの効果がなくなってしまいます。汗が引いたら衣服を身につけて。




胸を押すと上半身の汗が減る
汗には、体を圧迫している部分は汗が減るという性質が。胸の乳輪の上のあたりを強く押すと、顔や脇、手の汗も止まります。浴衣のひもなどでキツめに締めてもOK。

寝汗対策は硬いマットで
寝汗が気になる人は、敷布団やマットを硬いものに。背中が圧迫されると、上面のお腹側に汗がよく出ます。空気に触れている面は汗が蒸発しやすいので、汗が残りません。

わき汗パッドは時間を決めて
脇に直接貼る「わき汗パッド」は効果的ですが、脇に意識が向くことで、逆に発汗が増えることもあるとか。人と会う間だけなど、短時間に絞って使うほうが効果的です。

「吸水+速乾」の最新ウエアを
汗は蒸発させないと、次々出てきます。衣服は吸水性が高く、かつ速乾性がありムレない素材の服がベスト。両方の機能を備えた最新ウエアだと、汗が気になりにくく。

Column ボトックス注射、岩盤浴やヨガも
いい汗体質には、岩盤浴やヨガも有効。岩盤浴は、遠赤外線とマイナスイオン効果で汗がサラサラに。ヨガも体の巡りをよくして発汗を整えます。また「ボトックス注射」には、汗を抑える働きが。効果は半年ほどですが、そのまま汗が減る人も多いので試してみても。



からだにいいこと 2013年9月号 より


さらさらした「いい汗」が脳の働きを守っています

 夏は汗の季節。シミになったい、べとついたり、何かと面倒なことが多いもの。でも一方で、運動や岩盤浴などで汗をかくとすっきり爽快になる。汗をかくのが体にいいことなのは間違いないだろう。
 そもそも人間は、どうして汗をかくのだろう? こんな素朴な疑問を、汗治療の専門家、五味クリニック院長の五味常明さんに尋ねてみると、意表をつく答えが返ってきた。
「ヒトが汗をかくのは、脳のため。いい汗をかけなければ、脳もうまく働きませんよ」
 脳、ですか? これはまた意外なところとお話がつながったものだ。どういうことなのか詳しく聞いてみよう。


人類の脳が発達したのは汗のおかげ!?

 人間という生き物の特徴が、並外れて高性能の脳にあるのは、だれもが認めるところ。実は、進化の過程でヒトの脳がここまで発達したのは、汗をかく能力と深い関係があるという。
「脳は、高温に弱い器官。適温は37℃くらいです。でも筋肉や内臓は、活動すると熱を発するので、脳の適温を保つには常に放熱する必要があった。人体が汗腺というしくみを身につけ、汗をかいて体温を下げられるようになったから、脳がここまで発達できたのですよ」
 ほぉ〜。ということは、汗をかくのは人間だけなのですか?
「ええ、体温調節機能として全身から汗を出すのは、人体固有のメカニズムです」
 人間以外の動物、たとえば犬は、運動して体温が上がったとき、口を開けて唾液を蒸散させ、体温を下げようとする。水分を分泌する部分が口腔内に限られているので、蒸散の効率を上げるために口を開けるのだ。
 人間は全身の汗腺(エクリン腺)から汗を出すことで、非常に効率よく体温調節できる。
「この温度調節機能のおかげで、大きな脳がオーバーヒートせずにすむのです」

(人体が汗をかくのは、熱に弱い脳を冷やすため)
脳はオーバーヒートすると誤作動しやすい。人間の巨大な脳を維持するには、熱を逃がすしくみが不可欠。人体は、汗の気化熱によって体温を下げ、脳を守っている。犬は汗をかけないので、口からの蒸散を促すために口を開ける。


「汗っかき」と思う人は"いい汗"がかけていない

「汗の原料は、血液です」と五味さん。エクリン腺は毛細血管と隣接していて、血液中の水分が直接染み出てくる。「水分は、体にとってとても貴重なもの。それを放出してまで体温を下げるのだから、いかに温度調節が重要かわかるでしょう」
 ただし、染み出た水分中には、ミネラルなどの有用な成分も含まれている。そこでエクリン腺は、水分からミネラル成分を再吸収し、極力真水に近い状態になった汗を放出する。
「ところが最近は、汗腺の機能が弱っている人が多いのです」
 体の機能は、使わなければ劣化する。エアコン完備、運動不足といった条件が重なって汗をかく機会が少ない人は、エクリン腺が休眠状態に入ってしまうという。特に、下半身など脳から遠い部位が衰えやすい。
 するとどうなるか。まず、働いているエクリン腺の総数が減る。残ったエクリン腺は、埋め合わせるために大汗をかかなくてはいけない。だが、稼働しているエクリン腺も、ミネラル回収機能が衰えているため、ミネラル分が濃くて粘り気の強い汗が、上半身中心に出てくる。
 粘度の高い汗は、大粒になってだらだら流れるため蒸発しにくく、体温を下げる機能が低い。見た目には、顔や首などに大汗をかいているのに、体温(特に脳の温度)が下がらない。だからもっと汗が出る……という悪循環になる。
「汗を気にしている人はたいてい、この悪循環に陥っています。汗の量が多いのではなく、いい汗がかけていないのです」
 体温を下げにくい"悪い汗"は、「額に500円硬貨が張り付くほど粘度が高い」と五味さん。張り付いた人は、運動や入浴、エアコン断ちなどで汗をかく練習をして、いい汗がかける体を目指しましょう。

(エクリン腺は「濾過装置」 水分を分泌、ミネラルは回収)
汗を出すのは、全身に数百万個あるエクリン腺。隣接する毛細血管をろ過して、汗を作る。一緒に染み出たミネラルなどの有用な成分を再吸収することで、99%以上が水分でできた汗となる。

(いい汗は小粒でさらさら 素早く蒸発する)
いい汗 エクリン腺が元気な人の汗は小粒でさらさら。なめても味がしない。すぐに蒸発して体温を下げるので、汗が引くのも早い。
悪い汗 エクリン腺が弱った人の汗は大粒で蒸発しにくく、体温が下がりにくい。粘度が高く、額に500円硬貨が張り付く。舐めると塩味。



日経ヘルス 2013年9月号

汗博士に直撃! 汗腺トレーニングでいい汗を

 無臭の汗がにおい始めるまで、1〜2時間のタイムラグがある。ところが最近、かいたばかりの汗がにおうという人も増えているという。日本を代表する汗博士・五味常明先生(五味クリニック院長)に話を聞いた。
「汗自体にニオイをつくる成分が含まれていると、かきたての汗もにおいます。日頃汗をかかない人は要注意。汗腺の機能が低下すると、血漿の成分(ミネラルなど)が再吸収されないため、濃度の高い汗をかいてしまいます。これには汗臭さを強める重炭酸イオンや、分解されるとアンモニアになる尿素などが含まれているため、汗にニオイが出てしまうんです」。
 クーラーに効いた部屋にいることが多く、夏でも汗をかかない人は汗腺の機能が低下しているかも。「汗腺の機能は、湯船に入ることで回復します」と五味先生は言う。さらに、より効果的なのは下記のトレーニング方法。3週間で効き目が感じられるそう。簡単にできることなので、さっそく実践してみよう。


汗腺トレーニングの手順
ー蠡高温浴 10〜15分
汗腺機能が低下しやすい、体の末端を積極的にトレーニング。43℃の熱めのお湯に、膝下 ? かがみ浸す。皮膚 ? 40℃程に。

微温浴 10〜15分
,療鯀イ砲湯を足して36℃くらいに下げ、そこにコップ半分くらいのお酢を投入。発汗を促しながら交感神経をリラックスさせる。

4世隆チ隋10〜15分
入浴後は汗をふき取り、体をゆっくり休ませながら、りんご酢や黒酢、クエン酸入りやしょうが入りのドリンクを摂ってきちんと水分補給を。


処方箋

Q 手のひらが湿っていて、彼と手をつなぐのすらためらわれるくらい。手術も考えています。(Y・Yさん/25才/会社員)
A そう思っていなくても潜在的に「汗をかくのが不安だな」とあると発汗してしまう。それを見て本当に不安になり、さらに汗をかいてしまうという、精神性発汗の悪循環が原因です。カウンセリングや自律訓練法などでメンタル面からアプローチする方法もありますよ。

Q どうして足はあんなに臭くなるのでしょう?(A・Mさん/24才/保育士)
A 汗をかいても靴を履いているから、蒸れて高温多湿になる。すると菌が、ほか以上に繁殖して分解され、ニオイがひどくなるわけです。角質が多いのも原因のひとつ。足を清潔に保ちながら、通気性のいい靴を履きましょう。

Q わきを脱毛したら汗が増えた気がします。(S・Nさん/22才/大学生)
A 医学的な原因はまだ解明されていませんが、ひとつは、脱毛処理がエクリン腺を一時的に刺激してしまっている可能性。もうひとつは、脱毛という行為で意識がわきに集中し、精神性発汗を促している可能性です。どうしても気になるなら、ボトックス治療を。




ツボ押し制汗
 汗を止めたくて困ったとき、周りの人に知られることなくお手軽に効果を発揮するのがツボ押し。手を握ったときにできる小指の下の出っ張り"後谿(こけい)”や、手首から1僂らい下の"陰郄(いんげき)"をプッシュ。乳首の5僂らい上を強く押すのも効き目あり。舞妓さんが何枚も着物を着ていても汗を抑えられるのは、ここを圧迫しているからだそう。

いにしえの知恵
柿渋とミョウバン
 柿の絞り汁を発酵させてできる柿渋や、自然から採取されるミョウバンは、古くからその殺菌効果が利用されてきた。また、柿渋に含まれるポリフェノールの消臭作用や、ミョウバンの制汗作用にも注目が集まり、様々なものに製品化されている。歴史ある素材を使ったアイテム、一度お試しあれ。



「汗とニオイ」新聞 2013年6月23日 より


対処法を知っていれば怖くない!

汗の拭きすぎは逆効果
 汗をかいて、その汗が蒸発することで、体温が下がります。ところが、汗をかいてすぐに拭いていては、体温が下がらないので、いつまでも汗が止まりません。汗は軽く拭くだけにして、肌を汗でしっとり湿った状態に保つことです。汗を拭くだけなら乾いたタオルを使い、ニオイが気になるなら、湿ったタオルでニオイ成分を取り去ります。

暑い夏は熱い飲み物を
 暑いときに冷たい水を飲むと、口の中の冷受容器が反応して、一時的に汗が引きます。ところが、汗が止まったせいで体内に熱がこもり、かえって多く汗をかいてしまうのです。逆に、熱いものをの飲むと、一時的に汗は増えますが、その後は、その汗が体温を下げるので、涼しく感じられ、汗も減ります。

汗っかきの人は肉を減らす
 たんぱく質は炭水化物の5倍も多くの熱を産生しますので、汗が多いのが気になる人は、肉よりもそばやうどんなどを食べるとよいでしょう。動物性たんぱく質や脂肪中心の食事を続けていると、アポクリン腺の分泌活動が刺激され、より強いニオイが発生します。ワキガの気になる人は、肉類をひかえめに。

首筋を冷やす
 首まわりには脳につながる頸動脈が通っています。ここを冷やすと脳の温度が下がり、脳の発汗中枢がそれに反応して迅速に汗を減少。ほかにも、わきの下、股の間、手首なども冷やすと効果的。以上の場所は熱中症の応急処置にも応用できます。

胸の圧迫で、顔の汗を止める
 ある部分を圧迫すると、別の部分が代わって汗をかくのが「皮膚圧反射」。これを応用すれば、一時的に顔の汗を抑えられます。乳房の上の肋骨を両手で強く圧迫します。舞妓さんの高帯も、胸全体を非常に強く圧迫しているため、顔の汗を防いでいると言われています。

わきの汗にはボトックスが効果大
 ボツリヌス菌の毒素を安全に無毒化したものが、ボトックス。ボツリヌス菌毒素を皮膚に注射すると、交感神経の末端に結合して発汗刺激を抑制し、汗を抑えます。日常生活に支障をきたす腋窩多汗症(わきの多汗症)には効果的。当院では多くの患者さんが、汗が70〜80%も減少したと答えています。効果の持続期間は4〜9か月。昨年秋に保険適用の対象になりました。


入浴で汗腺トレーニングを
汗腺を鍛えて、ほとんど無臭の「いい汗」をかけるようになりましょう。それには入浴法がいちばん。3週間ほど続けると汗腺の機能は回復するはず。汗腺が十分に機能すれば、脳の温度が低く抑えられて、脳も活性化。汗腺トレーニングは脳トレでもあるのです!

ー蠡高温浴:43〜44℃の熱めの湯を少なめにはり、両手のひじから先と、両足のひざから先を10〜15分浸す(バスチェアに座って行うと楽)。脳から遠く、衰えやすい手や足の汗腺を集中的に鍛えるのが目的。手足が温められれば、その血液が全身をめぐり体の芯まで温まり、「いい汗」がかける。やけどに注意し、高齢者などは、ややぬるめの湯から始めるとよい。

△未襪瓩療鬚波梢藩瓠Л,療鯀イ某紊魏辰─■械掘腺械検遒里未襪瓩療鬚砲靴董△澆召ちまでつかる。胸から上が湯から出ているので、汗が蒸発できて、体温を調節しながら汗をかくことができる。のぼせることなく、体の深部までじっくり温められる利点も。

F浴後のケア:入浴後のほてった体を、クーラーや扇風機で急激に冷やすのは厳禁。皮膚が涼しくなったと勘違いして、汗腺を閉じてしまう。タオルで十分に水分を拭き、自然の風やうちわでゆっくりと体温を下げること。

※入浴前は、発汗をうながすためにやや多めの水を飲み、入浴中は汗で失われたミネラルを補給するために、硬水のミネラルウォーターをこまめに飲むこと。


パンプキン 2013年8月号より


汗とニオイの真実を知る

汗で体温調節
「汗をかく」というときの汗は、全身に分布するエクリン腺から分泌されてます。いちばんの役割が体温調節。暑いときでも体温が一定に保たれているのは、皮膚上の汗が蒸発するときに熱が奪われ、体温が下げられるためです。

脳細胞を守る汗腺
 体温調節のための汗腺を持っている生きものは人間だけ。高度に発達した人間の脳の細胞はとくに高温に弱く、36℃前後に保たれています。その脳を熱のダメージから守るためには、安定的に水を放出して体温を下げる必要があります。そこで、発達したのが汗腺。汗腺の発達が脳の進化を支えてきたのです。

汗をかくことで代謝がアップ
 汗をうまくかけると、代謝がさかんになり、エネルギーが十分に作り出されて、血液の流れも活発になり、組織のすみずみまで酸素が送られます。逆に、汗をうまくかけないと、体温が上昇しないように、熱の産生が抑えられるため代謝が悪くなり、エネルギーは十分に作れずに、血流も悪くなります。汗をかくことは、健康維持の基本なのです。

汗の「材料」は血漿
 汗腺は血液の血球をのぞいた血漿をくみとって、汗の原料にしています。汗腺がきちんと機能していれば、このとき、血漿中のミネラルなど、体に大切な成分を一部、血管に戻してから、汗として排泄します。
 こうして出てきた汗は99%が水、残りが塩分と微量のミネラルや、乳酸などの老廃物なのです。サラサラして、小粒で、濃度が薄く、そのため、皮膚の上で蒸発しやすく、少ない汗でも、気化熱を利用して効率的に体温調節ができます。これが「いい汗」です。

「悪い汗」もある
 冷房の効いた室内で過ごすことが多く、運動不足の現代人は、汗腺の機能が低下しがち。すると、血漿の成分を血管に戻せないまま汗として排泄されます。これが、悪い汗。血漿成分を多く含むためネバネバしていて、大粒で、濃度が濃いため、蒸発しにくく、大量に汗をかいても体温調節の効率が悪く、ただ流れるだけの「ムダ汗」になりやすいのです。大量にかくとミネラル分を多く失い、夏バテや熱中症の原因に。

手や足の精神性発汗
 緊張したときに、手のひらや足の裏に汗をかきます。人間が木の上で生活していたり、ヤリや弓を持って狩猟していた太古の昔、手のひらや足の裏を適度に濡らして「すべり止め」の役割をしていたころの名残で、「精神性発汗」と言います。緊張や驚愕が去れば、自然に汗が引くものですが、人前でスピーチをしたとき手に汗をかいた、などといった経験をきっかけに、「また汗をかくのではないか」という不安から、つねに手のひらや足の裏にたくさんの汗をかくケースも。なお、「わきの汗」も精神性発汗のケースが多々あります。

更年期の汗の特徴
 更年期には、のぼせやほてりをともなって顔や首、わき、胸などの上半身に滝のような汗をかくことも。汗の分泌をうながすのが男性ホルモン。更年期には女性ホルモンが減少し、相対的に男性ホルモンが多くなるためで、この汗は、体温調節とは関係ありません。

脱毛後に汗が増えることも
 レーザーなどで脱毛したあとで、汗が増えることもあります。「脱毛後多汗」と言われ、脱毛が汗腺を刺激している可能性が考えられますが、多くは、脱毛という行為によって意識がわきへと集中するため、精神性発汗を生じやすくしているためでしょう。わきの汗が気になる人は、脱毛には慎重になるべきです。

ワキガの原因とは
 全身にあるエクリン腺に対して、限られた部分だけにあるのがアポクリン腺。そのほとんどが、わきの下にあり、他にも乳輪、へその周囲、外耳道、外陰部、肛門周辺などに存在することも。アポクリン腺からの汗はワキガ臭の原因となり、異性をひきつけるフェロモンの役割をしていたようです。たんぱく質、脂質、各種脂肪酸、アンモニア、ステロイド類など、多くの成分を含み、粘り気があるのも特徴。

ストレスや疲労にも注意
「いい汗」は99%が水分で、かきたてはほとんど無臭。4〜6時間たって、水以外のわずかな成分が常在菌によって分解され、多少、汗のにおいがする程度です。ところが、「悪い汗」は血漿の成分を多く含んでいるので、かきたてのときからすでににおっていて、時間がたつにつれ、さらににおうようになります。悪い汗はニオイも強いのです。なお、ストレスや疲労の蓄積によって、汗のニオイも強くなる場合があります。

アポクリン腺からの汗
 ワキガの独特なニオイは、アポクリン腺からの汗によって発生しますが、アポクリン腺からの汗にエクリン腺の汗が混合したときに、ニオイが強くなり、ニオイ成分が遠くまで飛ぶことになります。エクリン腺の汗が増える夏や、また、緊張したときなどは精神性発汗により、ワキガ臭も強くなる傾向に。ワキガ体質はほとんどが遺伝で、ワキガのある人はまず100%耳垢が湿っています。


パンプキン 2013年8月号より


ダラダラ、じっとり…。夏の不快な汗悩み

汗には悪い汗といい汗があるんです

「人は汗が蒸発するときの気化熱で熱を放出して体温調節をしています。ですから、夏になれば汗をかくのはあたりまえ。いい汗なら不快ではないし、意識することすらないくらいですよ」
 と五味さん。いい汗は無味無臭で、水に限りなく近く、サラサラしていて小粒。皮膚表面で蒸発しやすく、効率的に体温調節できる。一方、悪い汗はしょっぱくて、ネバネバしていて大粒。蒸発しにくいため体温調節効果が低く、ただ流れるだけの"ムダ汗"になる。
「いい汗と悪い汗の明暗を分けるのは汗腺。汗腺は人間だけがもっていて、進化の過程で脳を熱から守るために、最後につくられた器官です。そのため発展途上にあり、使わないとすぐに退化してしまうんです」
 冷房の普及や交通機関の発達による運動不足などにより、汗をかく機会が激減。その結果、休眠状態の汗腺が増え、汗をうまくかけない現代人が急増した。汗をうまくかけないと、体は自衛手段としてなるべく熱が出ないように代謝を抑制。体温が低くなり、冷え性に陥ってしまう。
「冷え性の人は、暑くなってもあまり汗をかきませんが、ある程度の暑さになると、突然、大汗をかき出します。ベトベトした悪い汗で、体に必要なミネラルも出てしまうので、慢性疲労や熱中症の原因にもなります」
 さらに加齢によって活動する汗腺の数が減ってくると、偏った汗のかき方になってくる。
「汗腺は下半身から働きが悪くなるため、代償的に上半身の汗が多くなります。更年期に首や顔に集中して汗をかくのはそのため。また、女性ホルモンが低下して男性ホルモンが優位になることで多汗になり、ホットフラッシュを加速させます」
 いい汗をかくには積極的に汗腺を鍛えるトレーニングを行うといい。といっても入浴法を少し工夫するだけでOK。まずは、43〜44℃の熱めのお湯を少なめに張った浴槽に四つんばいになり、両手の肘から先と膝から下だけをつける手足高温浴を10〜15分。その後、ぬるめのお湯を足して10〜15分半身浴。
「汗腺は未完成の器官のため退化しやすい反面、訓練すると短期間で機能を回復しやすいのです。運動不足の人でも、3週間続けると、休眠している汗腺の30%が目覚めます」

脇汗は精神的な緊張からくるものです
 
 夏の不快な汗といえば脇汗だが、これは体温を調節する汗とは別もの。
「脇汗は精神性発汗。額や手のひら、足の裏にかく汗もそう。ストレス社会に生きる現代人にとても多い汗です」
 精神性発汗は、まわりの人を気遣って緊張するがゆえの汗。気にすれば気にするほどかいてしまう。
「ですから一番の対処法は開き直ること。自分は人のために汗がかける。いい人なんだってね。応急処置としては、汗をかきたくない部分を圧迫することで、汗のコントロールが可能です」
 夏になると寝汗をかいて困るという声も高いが、寝汗にも善し悪しがある。
「睡眠は、毎晩自分の体温を下げてプチ冬眠しているようなもの。寝入りばなに生理的なよい汗をかくことで、脳が落ち着き熟睡できるのです。ところが、寝る時に脳の温度が上がっていると、たくさん汗をかかないと平熱に戻れず、濃度の高い悪い汗をかきます」
 その原因となっているのが冷房。お風呂に入ったあと、ほてった体をさまそうと、すぐに冷房の部屋に入ってしまいがちだが、これが悪い汗の元凶に。
「冷房で皮膚の温度が急激に冷やされると、皮膚のセンサーが汗を止めるように脳に指令を出します。しかし、体の深部温度は高いままなので、眠っている間に大汗をかくのです。風呂上がりは、タオルで軽く水気をふき取って、自然に汗が引くのを待ちましょう」
 寝ている間中、漏れるようにかく汗は、体力が弱っている時にかきやすい。結核などの病気が隠れていることがあるので、続くようなら内科に相談を。

脇汗や顔汗は圧迫で抑制
脇汗はぎゅっと脇を閉めるといい。顔汗は胸の上の肋骨を両手で強く押す。一時的に汗が引くことでホッとして汗が減少する。

入浴後のうちわが寝汗を防ぐ
お風呂から上がったら、うちわでクールダウンし、汗を十分に蒸発させて脳の温度を下げて寝ると、悪い寝汗をかかず熟睡できる。



マリソン 2013年8月号 「大人の保健室」 より

手汗がひどく、気になってタオルがないと不安です

Q「手汗がひどく、気になってタオルがないと不安です」(リカさん・20才)

A 開き直るのが一番効果的!
手のひらや足の裏など局所的な多汗は、精神性発汗と呼ばれるもの。性格が原因で、緊張や不安を感じると汗をかきます。汗をとめようとあせると、逆に出てきてしまうことも。対処しようとタオルを常備するのも、汗に意識が向かうため発汗が多くなる原因。"もっと汗をかいていい"くらい開き直ってほかのことに意識を向けましょう。どうしても気になる場合は、心療内科で自律神経のコントロール法の指導を受けるといいでしょう。(五味常明先生)


レイ 2013年9月号 カラダのお悩みアラカルト より


夏の困りごと 汗と臭い対策

 夏の暑さが増すにつれ、気になるのが汗。肌のべとつきや臭いに不快感をつのらせる人も多いですよね。汗の臭いを気にする人は、女性だけでなく男性にも急増しているのだとか。そんな汗の仕組みと付き合い方を、汗博士の五味常明さんにうかがいました。
 
汗は体温調節の要
 汗は厄介者と思いがちですが、そもそも、なぜ汗をかくのでしょうか?
 代謝で発生する熱から体を守っているのが汗。人間が体の機能を最適な状態で保つ体温は37℃弱とされています。体内で最も盛んに代謝が行われているのが脳細胞で、体温のわずかな変化にも反応します。体温調節中枢は脳の中の視床下部にあり、37℃弱で調整できるように、ここで汗をコントロールしています。
 また、体調不良で汗をかく機会が減り汗腺の機能が衰えると、体温調節に貢献する汗をかきにくくなります。

汗そのものは無臭
 汗を分泌する腺は、エクリン腺とアポクリン腺の2種類あります。一般的に汗をかくというときの汗はエクリン腺、腋臭の原因となる汗はアポクリン腺から分泌されているのです。
 エクリン腺は体全体に分布し、体温調節のほかに、緊張したり驚いたりしたとき、辛い物を食べたときに発汗する役割も担っています。一方、アポクリン腺は、ほとんどがわきの下、乳輪やへその周囲などごく限られた場所にあります。その役割は、個性的な体臭の原因となる汗を分泌すること。
 エクリン腺の汗もアポクリン腺の汗も、汗腺の中にあるときは無臭です。
 エクリン腺の汗の場合は、皮膚の表面で垢や皮脂、ほこりなどと混じり合い、4〜5時間で雑菌が増殖して分解酸化が促され、匂いの物質を発生。これが"汗臭さ"です。
 アポクリン腺の場合は、皮膚表面で常在菌と混じり酸化した物質が、汗の成分のアンモニアなどと結合し腋臭を発生させます。
 エクリン腺の汗は、いわばよい汗。体の代謝が正常に行われている証です。冷房に頼り過ぎないように心がけ、適度な運動や栄養のバランスが取れた食事など生活習慣を整えることで、この汗腺の働きもよくなります。

汗の抑え方にコツあり
 汗をかくたびにゴシゴシとタオルでふいているのに、いつまでも汗が止まらないということはありませんか? 実は、この汗のふき方は、汗が皮膚表面で蒸発して体温を下げる働きを阻害してしまっているのです。体温を下げることができないので発汗刺激が収まらず、いつまでも汗をかくという悪循環を招いています。
 流れるような汗は軽くふくだけにして、皮膚表面はしっとりと汗で湿った状態を保つのがベスト。汗の匂いの成分は水溶性なので、湿ったタオルで汗を吸い取るように軽くふくと、臭い対策になります。
 また、大きな動脈が通っている首回り、わきの下、手首などを保冷剤で冷やすと、冷やされた血液が全身を回り、体温を低下させて汗が減少します。
 さらに、汗をかく時期の衣類の選択も非常に大切です。汗が付着して気持ちが悪いだけでなく、汗の蒸発が悪いと体温調節がうまくいかず、健康に影響することも。衣類は、「吸水性」「速乾性」「通気性」を重視した機能的な繊維、形状のものをうまく利用しましょう。

汗は皮膚の老化を予防する
 あまり知られていませんが、汗は、皮膚の老化を予防します。汗が皮膚の表面で皮脂腺の皮脂とともに皮脂膜を形成するおかげで、常在菌の表皮ブドウ球菌が多く住めるようになります。この菌には、肌を健康な状態に保つ役割があり、汗をかくことで、皮膚の新陳代謝が促進されているのです。
 汗を邪魔もの扱いせず、汗のかき方や臭いを制しながら、上手に汗とつきあってみてはいかがでしょうか。
 なお、多汗、臭いがとても強い場合は、精神的な作用やほかの病気が原因となっている場合もあります。そのようなときは、皮膚科など一般の医療機関を受診してみることをおすすめします。

手作りミョウバン水で全身汗対策!
制汗作用を持つミョウバンは、酸性のため菌の繁殖を抑える働きを持っています。常在菌を殺す心配がないので、ミョウバン水は全身に使用できます。

*作り方
・基本は、市販のミョウバン(約17g)と水(500ml)をペットボトルに入れて、よく振ってできあがり。そのまま1日置いておくと、ミョウバンが溶けて透明になる。
・冷蔵庫保存で1カ月ぐらい持つが、1〜2週間で作りかえるのがよい。
・汗をより抑えたい場合は、ミョウバン水の濃度を濃くしたり、ミョウバンの粉末を直接皮膚に塗布する。
*使い方
・ガーゼに浸して、臭いの気になるところをふく。
・スプレー容器に入れて皮膚にスプレーする。

制汗剤・デオドラント剤は、局所的な使用が大原則!

臭いのレベル  おすすめタイプと成分

軽く気になる ・清涼感が得られる「スプレータイプ」
       ・制汗成分を配合した「シートタイプ」
       ・パラベンや植物性の消臭成分が配合されたもの

汗をかいた後、・皮膚に直接塗布するロールオンやスティックの「直塗りタイプ」
けっこう臭う ・衣類にスプレーする「消臭剤」
       ・腋臭が強い場合は、塩化ベンザルコニウムなどの強い殺菌成分が配合されたもの
       ・腋臭が中程度以下の場合は、イソプロピルメチルフェノール、銀などややマイルドな成分が配合されたもの



生活協同コープしが 6月17日号 より

じつは夏より臭い!? 冬の汗のにおいトラブル

「外は寒いのにわき汗びっしょり」
「においが気になってブーツが脱げない……」
そんな悩みを抱えている人はいませんか? そう、汗のトラブルは夏だけにあらず。心当たりがある人は、必読です!

気になる2大ポイントはわきと足!
わき汗が出てにおいが…… 
ブーツを脱げないくらい足が臭い!

汗のにおいケアの第一人者 五味先生
意外かもしれませんが、汗のにおいは、冬のほうが強くなります。また、わきや足裏の<部分汗>に悩む人も増え、患者さんは2倍に。でも大丈夫。少しの工夫で、症状はぐっと改善されますよ!


冬の汗のにおいが気になる 4つの理由
冬の汗と夏の汗は、そもそも質が異なります。そこに、冬特有のさまざまな要因が加わって、いやなにおいを生み出しているのです。

理由その1 「悪い汗」をかくからにおう!
冬は汗をかきにくいというイメージがありますが、じつはその逆。寒くなると体温を保とうと基礎代謝量が上がり、暖房や運動などちょっとした刺激で汗が出やすくなっています。ところが、その汗を分泌する汗腺は、気温が低くなると一部が休眠状態に突入。稼働している汗腺への負担が過大になることで、汗の中のミネラル分を血管に戻す「再吸収」という働きが追いつかず、夏のサラサラの汗とは異なるベタベタとした「悪い汗」に。ミネラル分が残留した悪い汗は蒸発しにくく、皮膚にとどまって細菌を増殖させるため、悪臭のもととなってしまうのです。

理由その2 食生活の変化が原因でにおう!
じつは食べ物も、においと深い関係があります。アンモニアなどのにおい成分は、腸が食べ物を分解する際に発生しますが、その多くは肝臓で無臭化されます。ところが、大量のにおい成分を発生させる動物性たんぱく質をとりすぎると、無臭化が追いつかず、におい成分が血液から汗腺に取り込まれて体臭の原因に。とくに冬は、肉や乳製品などを使った脂っぽい料理が好まれるうえ、飲酒の機会が増えることで肝機能が低下する傾向が。加えて、カロリーの高い料理や鍋ものなどは内側から体を温めて発汗を促すため、相乗効果で臭い汗をかきやすくなります。

理由その3 「自分だけ」と思うからにおう!
働かない汗腺が増える今の季節は、汗腺の多いわきや足裏に汗が集中。それまで意識していなかったわき汗や足の汗が気になりだし、「もしかして私だけ?」と不安を覚える人が急増します。ところが、じつはこの「不安」こそが多汗をまねく原因。わきや足裏は、冬に汗をかきやすい場所であると同時に、緊張や不安を感じたときにどっと多量の汗をかく「精神性発汗」を起こしやすい場所でもあります。つまり、心配すればするほど汗をかく悪循環に陥る、というわけ。さらに、一気にかく汗は、ミネラルの再吸収が間に合わない「悪い汗」になるため、においもぐっと強くなってしまいます。

理由その4 通気性の悪い服やブーツのせいでにおう!
保温性が重視される冬の衣類は、通気性が悪い場合がほとんど。それを二重、三重に着込むことで、汗はさらに体から蒸発しにくくなり、服の中にこもりやすくなります。もちろん、これは足も同様。足裏は、多いときで一日にコップ1杯分もの汗をかくといわれる場所だけに、厚手のストッキングやブーツなどで長時間おおわれると、たちまち蒸れてにおいが発生。さらに足裏の分厚い角質がエサとなり、細菌が増殖してますます悪臭が強くなります。


汗のにおいをセーブする 6つの解決法
手ごわい冬の汗のにおいには、体の内側と外側、両方のケアが不可欠。毎日の生活習慣に、ぜひ取り入れてください。

解決法その1 肉や発汗を促すものを食べすぎない
肉などの動物性たんぱく質がにおいの一因となるのは、すでに述べたとおり。たんぱく質をとるときは、動物性のものより、豆腐や納豆といった植物性のものを多めにとりましょう。肉を食べるなら、におい成分を便と一緒に排泄できるよう、野菜やきのこ、海藻などから食物繊維をたっぷり摂取して。また、基礎代謝量が高く汗をかきやすい冬は、鍋ものやカロリーの高いものなど、発汗作用のある食事をとりすぎないことも、におい対策には大切です。

解決法その2 汗はぬれた布やシートで早めに拭く
汗をかくのは、体が体温を下げようとしているサイン。「よい汗」なら自然蒸発を待つのが一番ですが、ベタベタした「悪い汗」や、服の中にこもった汗は、なるべく早く拭き取りましょう。ただし、乾いた布は、水溶性の汗のにおい成分を除去できないのでNG。また肌表面に水分が残らないため、体温が下がらず、汗が止まらなくなることも。固く絞ったぬれタオルや汗拭きシートを使い、肌がしっとり湿る程度に拭くのがベストです。

解決法その3 通気性のいいインナーを着る
汗の役割は、「蒸発するときの気化熱で体温を下げる」こと。たとえよい汗をかけても、蒸発できなければ意味はなく、長時間放置すれば蒸れてにおいの原因となります。だから、肌に直接触れるインナーは、しっかり吟味を。保温性と通気性、速乾性に優れた機能性下着が各メーカーから発売されているので、上手に活用してみましょう。

解決法その4 足にはじか塗りタイプの制汗剤を
とくに蒸れやすい足裏は、汗と湿気を押さえることが最重要課題。制汗剤を塗り、しっかり乾かしてから靴を履きましょう。じか塗りできるロールオンタイプやクリームタイプなら、指の間など細かい部分にも塗布しやすいのでおすすめ。また、1日履いた靴は風通しのいいところで陰干しし、2日ほど休ませて。歩きにくい、締めつけが強いなど、肉体的ストレスを感じる靴を履くと発汗しやすくなるので、避けたほうが無難です。

解決法その5 衣類につけるタイプの消臭剤を利用する
制汗剤の使いすぎや、間違った使い方は、肌荒れや効果の減少をまねくことがあります。そこでおすすめなのが、衣類につけるタイプの消臭剤。出かける前に、衣類のわきやくつ下など気になる部分にシュッとスプレーするだけで、体臭をブロックしてくれます。コートやセーターなど、洗濯しにくい衣類の消臭にも便利。制汗剤とダブルで使うのも効果的。

解決法その6 入浴してしっかり汗をかく
汗のにおいを防ぐには、まず日ごろから浴汗をかくことが重要。汗腺は使えば使うほど鍛えられ、サラサラで蒸発しやすい「よい汗」をかけるようになります。毎日、なるべくゆっくり湯船につかり、全身の発汗を促して。体臭を抑えてくれるクエン酸を大さじ1杯、湯に混ぜるとさらに効果的。クエン酸はドラッグストアなどで購入できます。入浴後は湯ざめしない程度に自然に体温が下がるのを待ち、汗が乾いてから衣類を身につけましょう。



元気ときれいの教科書 からだの本 vol.20  より


美人を台無しにする「汗」と闘うための知恵袋

「いい汗は本来サラサラ・無臭。放置すると雑菌が繁殖→においの原因に」

 ツンと鼻につく、汗のにおい。でも、汗自体はほとんどにおわないという五味先生。
「汗は水分なのでほとんどにおいません。皮膚の上の細菌と混ざって繁殖し、においが生まれるのです」(五味先生)

 においが発生するまでの時間は、約4時間。わきや足のにおいが気になるのは、汗が蒸発しにくい環境だからといえます。

 また、においやすい汗とにおいにくい汗があると五味先生。

「いい汗には乳酸やアンモニアなどが少なくにおいを伴いません。ただ汗をかき慣れていないと、脂質性の物質が多く含まれ、さらにミネラルなども一緒に出てしまうのでベタベタとした濃度の高い汗に。すると蒸発しづらくなり、皮膚の表面がアルカリ化することで常在菌が繁殖し、汗のにおいが強くなってしまいます」(五味先生)

 理想的な汗をかくためには、普段からほどよく汗をかく習慣が大事。「汗は人間の温度調節を行う重要な役割を持っています。毛嫌いするのではなく、上手につきあうことを学びましょう」(五味先生)


汗をかいたら、まずは見極めよう
この汗はにおう汗? におわない汗? まずはかいた汗の特徴をみて、対策を決めましょう!

におう汗とは?
ベタつきがあり、ネバネバしている 一度に大量に滝のように出る しょっぱい、すっぱい かくほどに疲労感が出る

におわない汗とは?
皮膚の上ですぐ乾き、サラサラとしている 目に入ってもしみない 水のようなテクスチャー かくとすっきり!


五味先生が指南する基礎知識
汗をかいても"におわない"汗のふき方をマスター!

お風呂上がりもふかない!?
クーラーではなくうちわを使う
クーラーで体を乾かすと、一時的に汗は引いても体の温度は高いまま。この状態で寝ると、睡眠中に大量の汗をかくことに!

汗をぬぐっても、汗が滝のよう!
冷たいもので首筋を冷やす
首筋やわきの下など、皮下を動脈が通っている部分に冷たいタオルや保冷剤などを当てると、脳が"冷えた"と錯覚して、汗も自然に引きます。

においそうな予感がしたら
ぬれタオルで押し当てる
固く絞ったぬれタオルを使って汗をふき取れば、雑菌の繁殖をおさえにおいの防止に。あまりこすりすぎず、自然に汗が引くのを待つのみ!

肌をこすらない
ハンカチやタオルをトントンと押し当てる
実は、汗腺はとてもデリケート。ゴシゴシとふき取ると汗腺を傷めることに。柔らかなタオルで、肌の湿り気を残す程度にふくことが大事。



清潔にしていても、内側からにおうことがあるんです。
働き盛りのMISSplus世代を襲う悪夢「疲労臭」をご存知ですか?

体内から発生するにおいは制汗剤では消せない!?
 夏の汗に限らず、毎日忙しく働く女性に「疲労臭」と呼ばれる体の内側から生じるにおいが急増中だという五味先生。「体の疲れがたまると、乳酸とアンモニアが血中に増加します。アンモニアは通常、汗腺のオルニチンサイクルで解毒されるのですが、疲労の蓄積やお酒の飲み過ぎで肝臓の機能が弱まると、解毒されきれずに汗腺に放出されてしまうのです。結果、汗にアンモニア臭が生じて体臭がキツくなる原因に!」(五味先生)。このにおいは制汗スプレーや石けんでは消えず、体内からのケアや、夜にゆっくり湯船に浸かって汗を流す習慣が有効だと五味先生。誰でも油断すると発する恐れのある「疲労臭」。周囲の人を不快にさせないよう予防を心がけて!



疲労臭には、クエン酸とオルニチン!

オルニチンを多く含むしじみや、クエン酸を含む梅干しやレモン、りんご酢の摂取と言った、インナーケアがおすすめという五味先生。夏のスタミナづくりのためにも、積極的に摂取を!




ミスプラス 2013年8月号  より

制汗剤 自分に合う使い方は?

ニオイの強さ、耳垢で判断

腋臭や体臭、多汗の専門医、五味常明さんは「タイプは様々でも、制汗剤の役割は大きく二つ。制汗と抗菌です。体臭の強さに応じて、抗菌成分が自分に合った製品を選びましょう」。

まず体臭の強さの自己判定を。
綿棒で耳垢を取り、湿り具合で判断する。キャラメルが溶けたような耳垢なら、体臭が強い傾向があると考えられる。湿った状態ならば軽〜中程度。乾燥していれば、非ワキガ体質といえる。

体質で使い分け

ワキガ体質でない人は、植物エキスを配合したシートタイプで拭くだけで臭いは十分抑えられる。
軽〜中程度ならば、フェノールなど穏やかな抗菌剤が配合されたスプレータイプやアルコールが含まれたシートで除菌してから、植物性の制汗スプレーで汗を抑えれば十分だ。
強度の人は、殺菌作用の強い塩化ベンザルコニウムなどの入ったもので、直塗りを選ぶ。銀配合も殺菌効果が長く持続するという。
注意したいのは、軽度の体臭やワキガでない人が強い殺菌作用の製品を使うこと。通常は表皮ブドウ球菌という常在菌が別の強い菌の繁殖を防いでいるが、殺菌成分の強いものを使い滅菌状態が続くと、黄色ブドウ球菌など強い菌が繁殖する可能性がある。これでは逆効果。今まで以上に臭いが強くなってしまう。

帰宅後拭き取る

また、五井さんは「制汗スプレーを全身にするのはいけません。汗腺をふさいで、体温調整にも影響します」とも指摘。
ワキや足などの局所使用にとどめ、帰宅したら拭き取る。局所だけでも3日に1日は制汗剤を使わない「休制汗日」を設けるのも大切だ。

「気になる人は、肌でなく、衣類にスプレーする制汗剤を使いましょう」

汗を抑えるにもコツがある。出た汗をすぐに拭いてしまう人がいるが、これはよくない。汗が気化しないうちに拭き取ると、体温は下がらず、また汗が臭くなることもある。疲労や緊張、ストレスも汗を臭くする原因だ。
「よい汗をかくには、汗腺の機能を高めること」という五味さんが進めるのは、風呂場での汗腺トレーニング
2、3週間続けると効果的だ。



朝日新聞 2013年7月14日


熱中症には汗腺トレーニング!

美楽  2011年 9月号
美楽講座 37回 『熱中症には汗腺トレーニング!』


 人類はさまざまな環境の変化、外気温の変化に対応できるように、体温調節できる仕組みを得ました。しかし、冷房の普及で、体温調節がうまくいかなくなってしまったのです。この体温調節がうまくできないと、熱が体内にこもったままになり、熱中症を起こします。
 今号では、正しい汗のかきかた、そのための汗腺トレーニングの仕方などについて、五味クリニックの五味常明院長にお話を伺いました。


Q1 これまで、夏になると冷房をかけて快適な環境の中で暮らすのが普通でした。それによって私たちの体に起こった変化には、どういうものがあるとお考えですか?


私の外来には、「汗」に悩む患者さんが多数いらっしゃいます。彼らを見ていて痛感させられるのは、体温調節をうまくできない人が本当に多いということです。
人類はさまざまな環境の変化に対応するために恒温動物となり、外気温の変化に対応できるように、体温調節できる仕組みを得ました。かつて、夏は屋内も屋外も本当に暑かった。だから夏の季節には、汗を出し、体  内の熱を放出して体温を下げ、環境に対応してきたのです。
しかし、冷房の普及で状況は大きく変わりました。夏なのに、屋内はクーラーをガンガンにかけるために、寒すぎるほど。そのクーラーの熱は屋外に吐き出され、外は暑い。すると屋内をさらに冷やし、屋外はもっと  暑くなるという悪循環が始まったのです。
私たちはそのとても寒い屋内と、とても暑い屋外を往復することになります。暑さ、寒さの繰り返しを強いられることで、体温調節がうまくいかなくなってしまったのです。
今年は節電の影響で、冷房を自由に使いにくい。そこで私が危惧しているのが、熱中症の増加です。体温調節がうまくいかない現代人は、暑い夏になかなか対応できず、熱が体内にこもったままになり、熱中症を起こ  しやすいのです。


Q2 今年の夏を健康に乗り切るために肝心なことはなんでしょうか?


衰えた体温調節の機能を取り戻すことです。もっと具体的にいうと、汗を正しくかけるようになること。これが、体温調節をうまく行い、今年の夏を健康に乗り切る上で非常に重要だと考えています。


Q3 「汗を正しくかく」ことの重要性について、もう少し詳しく教えてください。


汗をかく器官である汗腺は、人間の進化の過程で最後につくられたものです。それゆえに未完成で、一番退化しやすく、使わないでいるとうまく機能しないようになります。
冷房の影響で一年の中で汗をかく機会が極端に減ってしまった現代、汗腺は退化し始めています。周囲を見渡すと気付くと思いますが、夏、「普通に汗をかいている人」は結構少ない。さほど暑い状況でもないのに、  滝のようにダラダラと汗をかいているか、まったくといっていいほど汗をかいていないか、そのどちらかでしょう。
必要以上に大汗をかくと体の水分やミネラルが失われて、めまいや脱力感、筋肉のけいれんを起こします。これは熱中症の症状のひとつ。また、暑くてもうまく汗をかけない人は、皮膚の血管が広がりすぎて血液が不  足し、血圧が下がって意識がもうろうとしてきます。体温が著しく上がり、意識障害を起こしてしまうことも。これらも熱中症の症状です。
正しく汗をかくことは、熱中症から身を守ることにつながるのです。


Q4 いい汗、悪い汗の見分け方は?


いい汗は、肌の上ですぐ乾き、汗が小粒で限りなく水に近く、量は適量です。一方、汗を大量にかく、汗が大粒で拭いても拭いても出てくる、汗がベタベタしている、汗が不快なニオイがする。といった場合は、それ  らは悪い汗でしょう。
汗腺が退化していない人は、必要な量の汗で体温調節ができます。でも、退化している人は、壊れた水道のように、いくらでも汗が出てくるのです。
汗は99%以上が水で、残りは塩分と微量のミネラルや乳酸などの老廃物。汗腺は汗が出た後、水分だけを残して、ほかの物質を再吸収します。だから、いい汗は限りなく水に近い。ベタベタもしないし、ニオイもしま  せん。
ところが汗腺が退化していると、"再吸収"をうまくできないのです。塩分やミネラルなども皮膚上に残りますから、ベタベタするし、老廃物のニオイがするのです。


Q5 つまり、「汗臭さ」「多汗」と言った悩みも、正しく汗をかけるようになれば、改善できるのでしょうか?


まさに、そうです。汗腺は使わなければすぐに退化しますが、もとの正常な働きを取り戻すのも早い。汗腺を鍛えて、正しく汗をかけるようになれば、汗に関する悩みとオサラバできるでしょう。


Q6 具体的な方法を教えてください。


"汗腺トレーニング"としてぜひやっていただきたいのが、「手足高温浴」と「半身浴」です。
まず、お茶や軟水のミネラルウォーターなどを多めに飲みます。
そして浴槽に43〜44度の熱めのお湯を少なめに張り、四つんばいになるようにして、膝から下の足と肘から先の手をお湯に浸けるのです。これが手足高温浴です。
全身の汗腺の中で、脳から遠い手や足の汗腺は機能が衰えやすい。手や足の血液が温められると、それが全身をめぐって体が芯まで温まり、脳の温度センサーが「いい汗」をかくように働きます。
手足高温浴の後は、40度前後のお湯を浴槽に張り、半身浴をします。お湯に浸かるのは、みぞおちから下。肩まで浸かると汗をかいても蒸発できず、体温調節をうまくできません。
半身浴をすると、体が芯から温まり汗が出ます。これによって体温が調整され、脳の温度が上がりすぎるのを防ぎます。半身浴からあがったら、硬水のミネラルウォーターをこまめに飲みましょう。
手足高温浴と半身浴は、2週間続けてください。2週間で、手や足はもちろん、ほかの体の部位の汗腺も活発に働くようになります。すると、汗を正しくかけるようになるのです。


Q7 入浴後はクーラーで体を冷やしてもいいですか?


NGです! クーラーで体を冷ますと、せっかくのトレーニングが台無しです。開いた汗腺が閉じてしまうからです。
入浴後はタオルで優しく水気を拭き取り、汗は自然な蒸発に任せてください。どうしても体がほてってつらいという場合は、うちわで首筋や額、脇の下のクールダウンを。


Q8 汗腺を鍛えるドリンクなどがあれば教えてください。


入浴後、リンゴ酢や黒酢を水やジュースで割って飲むといいですよ。体のエネルギー代謝を円滑にするクエン酸が含まれていて、自然に汗をかけるようになります。
逆に、ギンギンに冷えたビールはやめてください。発汗が急激に止まってしまい、トレーニング効果が半減します。


Q9 先生の美学について教えてください。


汗の悩みでいらっしゃる患者さんというのは、非常に優しい方が多い。通常、病気というのは、自分がつらいから、痛いから病院を受診されるわけですが、汗で悩んでいらっしゃる方は、「人に迷惑をかけているので  はないか」と他人を気遣っている。だから悩むのです。
そういう心優しい患者さんを悩みから解放してあげたい。それが患者さんと接するにあたって私が常に考えていることであり、美学であるのです。















夏の汗対策 拭き取ると逆に出やすくなる、蒸発させるのが吉

 7月に入ってから、日本各地で最高気温35℃を超える“猛暑日”ばかり。連日、“汗”と戦っている人も多いはず。「汗博士」として知られ、体臭・多汗研究所所長、五味クリニック院長の五味常明さんはこう話す。

「汗をかきたくないので水分を控えるという人がいますが、飲まなければ汗が出ないというわけではありませんからちゃんと水分補給を。体温が上昇すれば汗は出ます。そのための水分を体に蓄えていなければ体液から無理にでも汗として水分を出そうとして脱水症状になるのです。必要でない水分は尿として排出されます」

 つまり、水分補給と汗の量が直結するわけではないということ。むしろ、暑い季節だからこそ水分補給は重要だというわけだ。

 では、どうすれば汗をかきにくくなるのだろうか。実は、汗をすぐ拭いてしまうのはよくないのだという。

「乾いたハンカチで絶えず汗を拭き取ると、逆に汗が出やすくなります。汗は皮膚上で蒸発して体温を下げることで減る仕組み。したたり落ちる汗は拭くとしても、残る汗は扇子などで風を送り、蒸発させて。もしくは、汗用シートなど“湿った布”を使い、水分を肌に残した状態で押さえるのもいいでしょう」

※女性セブン2013年8月8日号

http://news.mynavi.jp/news/2013/07/31/036/index.html 


お出かけのときに困ったら…

とっさの緊急対策

予防だけでは止められない外出時の急な汗やにおい。
そんなとっさのトラブルに慌てないためにも、日頃から緊急の対策を知っておけば安心です。
そこで、外出時に役立つ情報をご紹介します。
とくに更年期を始めとする多汗は精神的な面が大きく、汗が出たことで動揺するともっと汗をかくという悪循環に陥ります。
汗が出てもまずゆっくり深呼吸。
その後で落ち着いて対処しましょう。


出た汗を上手にふく方法

流れるような汗が出てしまったらハンカチなどでふきます。
でも、ふいてもふいても間にあわないほど汗をかくから困っているはず。
汗が止まらない理由は、乾くまでふききってしまうから。
そもそも体温調節のために汗をかくのに、汗が蒸発できないと体温が下がりません。
そこで、からだはさらに汗をかいて体温を下げようとします。


汗をふくときは、流れ落ちるような汗は押さえつつ皮膚に適度に湿り気を残してふきとることがコツ。
においが気になる時は、濡れタオルでふくといいでしょう。


まとめ
汗をふくときは少し湿り気を残す


止まらない汗をなんとか抑えたい

人に会うときや人前に出る時など、汗で困ったというときに一時的に汗を抑える方法があります。
汗をぴたりと止めるわけにはいきませんが、部分的に刺激を与えることで一部の汗を抑えることができます。
上半身の汗を抑えたいときは、両方のバストの5cm上あたりを親指で強く圧迫します。
これで顔周辺の汗が一時的に止まるはずです。
また、下半身の汗を止めたいときには左右の腰のあたりを親指で強く圧迫してください。


まとめ
上半身の汗はバストの上を圧迫して止める
下半身の汗は腰のあたりを圧迫して止める


衣類の消臭対策でずいぶん違う

衣類に消臭スプレーをしておけば、少々の汗やにおいが出ても心配はいりません。
衣類の消臭スプレーには「経衣類消臭法」というコンセプトのデオドラント剤がおすすめです。
これは、におい分子のプラスやマイナスに対して、反対の極性のイオン分子を衣類にスプレーしてにおいを中和するというものです。

手軽にできて効果の高い衣類の消臭は、外出時の強い味方になってくれます。


「匂いのエイジングケア」(有楽出版社)より


いい汗をかいてにおいを出さない

いい汗とは、ほとんどが水でできたサラサラの汗のことです。
汗腺は、血液から血球を除いた血漿をくみ取って汗を作りますが、血漿には水分の他にマグネシウム、ナトリウムといったミネラルが含まれています。
こうした体にとって必要なミネラルが体外に失われるのを防ぐため、汗腺には再吸収という働きがあります。
いったん汲み取ったミネラルをもう一度血管に戻して、残りの水分を汗として放出する働きです。
あまり汗をかかないと汗腺の再吸収能力が低下してべたべたした濃い汗をかくようになり、においが発生しやすくなります。
また体外にミネラルが多く出てしまうので、慢性疲労などの不調を引き起こすので注意が必要です。


いい汗をかくための3カ条
◆半身浴などでゆっくり汗をかく
◆湯上がりにクールダウンする
◆ストレッチやウォーキングなど軽い運動を心がける


入浴後にはクールダウン

入浴後すぐにクーラーの冷気にあたって汗をかかないという人が増えています。
しかし、入浴後のクールダウンにこそ汗腺の働きを高めるポイントがあります。
正しいクールダウンの方法を知って、汗腺の機能アップを目指しましょう。


クールダウンはこうする
◆入浴後はゆっくり汗をかき、体温を自然に下げる
◆入浴後の汗は、タオルを軽く押しつけてふき取る。
肌に湿り気を残すくらいを目安に
◆固く絞った濡れタオルでふくのもおすすめ
◆なるべくクーラーに頼らず、ほてりはうちわで顔をあおぐなどして静める
◆入浴後すぐに服を着ない。
汗が収まるのを待って体が冷える前に着る


エイジングケアと汗

いい汗をかくのはアンチエイジングの手助けにもなると言われています。
その理由は、汗をかくと新陳代謝が上がり、ホルモンの分泌を促して抗酸化力が高まるからです。
また、いい汗には美肌効果も期待できます。
いい汗をかくといい皮脂が出て、そのふたつが皮脂膜となって肌を守るからです。
皮脂膜は肌の水分の蒸発を防ぐだけでなく、ウイルスの侵入からガードするバリアの役目も果たし、肌をしっとりさせます。


まとめ
いい汗をかく→いい皮脂が出る→肌を守る→美容にいい


Column
お風呂上がりに飲みたいドリンク

入浴後のクールダウンには発汗を促すドリンクがおすすめです。


サワードリンク
リンゴ酢や黒酢などを蜂蜜と一緒にお湯で溶く。
夏場は常温に冷まして。

*クエン酸を含むお酢はからだのエネルギー代謝を円滑にするため、自然な発汗を促す。


生姜ドリンク
すりおろした生姜に蜂蜜を加えてお湯で溶く。
好みでレモンを加えてもいい。
夏場は常温に冷まして。

*発汗作用のある生姜は汗腺の機能を高める。


飲んではいけないもの…
キンキンに冷えたビールやジュース。
お風呂上がりに冷たいものを飲むと、発汗が止まってしまいます。


「匂いのエイジングケア」(有楽出版社)より


汗コントロール

汗コントロール
体温調節機能を担っている汗は、人間にとって欠かせないもの。
しかしこの汗こそ体臭に深く関わる問題でもあります。
サラリとしたいい汗には本来においはありませんが、汗が酸化したり、細菌が繁殖したりするとにおいが発生します。
また汗をかく機能の低下や不健康な生活習慣によって、汗ににおい物質が混ざるようになることもあります。
いい汗をかけるようにコントロールすることこそ、におい予防に欠かせない対策のひとつです。


汗の種類は2つ

人間のからだには、エクリン腺とアポクリン腺という2つの汗腺があります。
汗はこの2つの汗腺から出ますが、その性質は大きく異なります。


サラサラのいい汗
からだの至る所に無数にある汗腺がエクリン腺です。
汗のほとんどはここから出るといえます。
この汗は99%が水であり、塩分や尿素、アンモニアなどが残りごくわずかに含まれています。
においははとんどなく、サラリとしているので蒸発しやすい汗です。


においの強い汗
わきの下やおへそのまわりなど、一部の場所にのみ存在するのがアポクリン腺です。
ここから出る汗はやや粘り気があり、たんぱく質、糖質、脂質、アンモニアなど様々な成分を多く含んでいます。
また塩分がほとんどないため菌が繁殖しやすく、わきが臭の元になります。


更年期の汗もにおいの大敵!

更年期障害の代表的な症状に"ホットフラッシュ"があります。
"ホットフラッシュ"とはほてりやのぼせのことで、顔を中心に上半身に集中して汗をかきます。
女性ホルモンの低下で汗腺機能の調節がうまくいかなくなることや、自律神経の乱れによって起こります。

こうした更年期の汗はにおいが強いのが特徴。
一部の汗腺から集中して大量に汗が出ると濃度が濃く、べたべたして蒸発しにくい汗になります。
日頃から軽い運動をしたり、半身浴でよく汗をかくなど、更年期の汗対策には汗腺をコントロールすることが予防につながります。


Column
デオドラント剤の選び方

わきの下のにおいを抑えるデオドラント剤にはいろいろなタイプが出ています。
目的によってタイプを選ぶといいでしょう。
使い方は「部分的」「短時間」が基本。
広範囲に塗布したり、長時間の使用はなるべく控え、外出から戻ったらふきとるようにします。


スプレータイプ、パウダータイプ
制汗作用の高いものが多いので、わきの汗や汗臭さを抑えたい時におすすめ。


ふきとりシート
急な発汗に悩まされている場合は、持ち歩けてすぐに使えるシートを。


ロールオン、クリームタイプ
殺菌作用が強いものが多いので、わきが臭の予防におすすめ。
わきが臭の場合は、デオドラント剤は香りが混ざらない無香性のものを。


「匂いのエイジングケア」(有楽出版社)より


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プロフィール

医学博士・五味常明
1949年、長野県生まれ。一ツ橋大学商学部、昭和大学医学部卒業。 昭和大学形成外科等で形成外科学、および多摩病院精神科等で精神医学を専攻。 患者の心のケアを基本にしながら外科的手法を組み合わせる「心療外科」を新しい医学分野として提唱。ワキガ・体臭・多汗治療の現場で実践。 わきがの治療法として、患者が手術結果を確認できる「直視下剥離法(五味法)」を確立。 TVや雑誌でも活躍中。 99年からは、ケアマネージャー(介護支援専門員)として、デイケア事業や、高齢者介護の現場でのニオイのケアにも取り組む。

五味クリニック院長
流通経済大学 客員教授
日本心療外科研究会代表
体臭・多汗研究所所長

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