◎汗とにおいについて知っておこう!
暑いと汗が出るのはどうして?からだがにおうのはなぜ?知っているようで知らない、私たちの汗やにおいのこと。きちんと対策をするためにも、まずは汗とにおいについて正しく知っておきましょう。
○汗の種類と役割 ― 汗は熱を発散し、体温を下げる
汗は、皮脂にある汗腺(エクリン腺とアポクリン腺)から出る分泌物です。
私たちがふだん“汗をかく”というときはエクリン腺の汗のこと。エクリン腺は全身にあり、暑いときの体温調節をはじめ、緊張したとき、辛いものを食べたときなどに汗を出します。一方、アポクリン腺は、フェロモンのように異性をひきつける役割でしたが、進化の過程で退化し、現代ではわきや性器の周辺に存在するだけです。
・エクリン腺は全身にあり、皮膚表面に直接汗が出ます。アポクリン腺は主にわきの下に多く、汗は毛穴を通って出ます。また、わきの下の毛穴には皮脂腺もあって油脂成分が分泌。
○汗がにおう理由―汗そのものは、におわない
エクリン腺の汗もアポクリン腺の汗も、からだの中では無臭。汗がにおうのは、皮膚表面の細菌に分解・酸化されるためです。エクリン腺から出る汗はほとんど水分のため、においが発生するまでにしばらく時間がかかります。けれども、アポクリン腺の汗は、たんぱく質や脂肪酸などの物質を含み、皮脂腺から出る皮脂と混ざりやすいので、皮脂表面に出るとすぐに強いにおいを発します。
○においやすい場所 ― わきの下、足の裏がにおいやすい
アポクリン腺が最も多いわきの下は、皮脂や雑菌の繁殖も早いため、においやすい場所です。性器周辺にもアポクリン腺がわずかですが存在し、生理などもにおいの原因になります。エクリン腺が多いのが、手のひら、足の裏、ひたい。とくに足の裏は、靴や靴下などでムレるため、雑菌が繁殖しにおいが発生しがち。皮脂腺が多い頭部や、周囲のにおいを吸着しやすい髪にも気をつけてください。
・汗をかきやすいココに注意!
頭−頭の皮膚に皮脂腺が多いので、においが発生しやすい場所です。また、においを吸着しやすい髪は、周囲のにおいもつくので要注意。
わき−アポクリン腺が集中しているうえ、皮脂や雑菌が繁殖しやすく、においが強くなる可能性が。
また−性器にはアポクリン腺がわずかに存在するので、においやすい場所。生理などによるにおいも気になります。
足の裏−エクリン腺が密集し、靴下やストッキング、靴など、蒸れてにおいが発生しやすい条件がそろっています。
one point advice ― ストレスによるにおいに注意
忙しすぎたり、人間関係がつらかったり・・・、こうした過度のストレスを感じつづけると、からだの中の活性酸素が増えてしまいます。活性酸素によって酸化された脂質が、皮脂腺から出る脂肪酸と結びつくと、いやなにおいの原因となりますので気をつけて。
◎汗対策と体質改善で、におわないからだに!
体温を調節するなど、人にとって汗をかくことは重要なことです。でも、汗をかいたままでは、においのもとに!汗対策のポイントは、汗をかいたあとのケアと、においにくい体質に改善することです。
解決1 ― 汗をかいたら、すぐふく!
エクリン腺からの汗は、1時間以内にふけばにおい防止になります。というのは、約1時間で雑菌が繁殖し、汗を分解・酸化してにおいが発生するからです。また、汗をかけばかくほど塩分濃度が濃くなり、ネバついてほこりなどがつきやすくなるので、早めにふきましょう。
[汗はすぐふく]
乾いたハンカチで、汗を押さえつけるようにふきます。何度も汗をかいてネバつくようなら、ぬらしたタオルで。
解決2 ― サラサラ汗をかく習慣をつける!
汗も、サラサラとした「いい汗」と、ドロドロとした「悪い汗」があります。運動不足で空調の整った部屋にいることが多い人は、血行が悪くなり、乳酸という疲労物質が大量に生産されます。この乳酸は、においのもとであるアンモニアの分泌を増加するため、においの強いドロドロとした「悪い汗」となるのです。逆に「いい汗」は、スポーツのあとやお風呂上がりにかく、サラサラとした汗です。普段から汗をかく習慣をつければ、水に近いサラサラ汗になります。
[クーラーに頼りすぎない]
クーラーに頼って、夏でも汗をかかない生活を送っていると、どんどん「悪い汗」になっていきます。ときどきはクーラーを切って、自然に汗を出しましょう。
[運動して汗を出す]
普段から運動をして、「いい汗」をかく習慣をつけましょう。積極的に汗を流すことで、汗腺をよく働かせて、ドロドロとした「悪い汗」を減らすことができます。
解決3 ― 吸湿性の高いインナーでサラサラ肌に!
オシャレなブラウスなのに、汗じみやベタつきは気持ちよくありません。しかも、汗をそのままにしては雑菌のエサになり、においのもとに。夏にインナーを着ると、よけいに暑い気がして素肌に直接アウターを着る人が多いですが、インナーをうまく使えばサラサラ感を高め、心地よく過ごすことができます。ポイントは、通気性が高く、汗をよく吸いとって素早く発散させるものを選ぶこと。消臭効果や抗菌作用のあるインナーも開発されているので、夏こそインナーが大切です。
解決4 ― アルカリ性食品でにおいのもとを絶つ!
酸性食品の肉類や添加物の多いインスタント食品ばかりを食べていると、抵抗力が無くなり、においの原因となります。アルカリ性の食品は、それらの食品を中和するので、においのもとを絶つことができます。においに効果があるアルカリ性食品は、梅干しやお酢、海藻類、緑茶などです。なにより、バランスよく食べて健康を保つことが、からだの不調によるにおいを予防することにつながります。
[消臭効果のある食品] 梅干し 緑茶 お酢 海藻類
梅干しやお酢は食品として酸性ですが、からだの中で燃焼するとアルカリ性になります。また、海藻類に多く含まれる食物繊維は、アンモニアなどのにおい成分を体外に排出してくれます。緑茶には、ポリフェノールの一種であるカテキンが含まれていて、口臭予防に効果があります。
[におうもととなる食品] ハンバーガー インスタント食品 肉類
肉類やファストフードなどの脂肪分は体内で酸化して、におい物質を発生します。そのうえアポクリン腺や皮脂腺の発達につながることも。インスタント食品は、食品添加物がにおいのもとになるといわれています。
解決5 ― お風呂で、汗腺機能を回復!
汗腺は汗を出すだけでなく、汗と一緒に分泌されたからだに必要なミネラル成分などを体内に再吸収しています。再吸収がきちんとされていれば、汗はほとんど水分と塩分のサラサラした「いい汗」でにおうことはありません。しかし、汗をかかない生活を送っていると汗腺機能が弱まり、必要な成分が再吸収されずに肌表面に残ります。これがベタつきやにおいの原因に。そこで毎日の入浴で汗腺をトレーニングして、汗腺機能を高めましょう。
1.高温の手足浴で、汗腺を目覚めさせて43℃くらいの熱めのシャワーを、ひじ先とひじ下に10〜15分かけます。バスタブにお湯をはって手足をつけてもOK。5分程度で汗腺が働きはじめ、汗が大量に出てきます。
2.ぬるめのお湯につかり、リラックス。バスタブに36℃くらいのぬるめのお湯をはって、ゆっくりと10〜15分つかり、高まった交感神経をしずめます。半身浴でも全身浴でも好きなほうで。お酢をコップ1杯入れると、さらに汗腺機能回復に効果的。
3.自然に乾かして、働きだした汗腺を休ませない
お風呂から上がったら、出ている汗はタオルでふきとります。あとは、すぐに服を着ないで自然に蒸発させて乾かします。扇風機やエアコンで強制的にからだを冷やしてもいけません。リンゴ酢や黒酢などのお酢のドリンクで水分を補給すると、におい予防にも。
ONE POINT ADVEICE
指を水に長くつけていると白っぽくふやけますが、顔の肌も同じ。顔は角質層が薄いために、白っぽく見えないだけです。水分でふやけた肌は角質層が壊れやすくなっています。また、水分は蒸発するときに、肌の天然保湿成分も一緒に奪っていきます。顔の汗はそのままにせず、すぐにふき取りましょう。ゴシゴシふくと肌を傷めるので、必ず押さえて吸い取って。
◎パーツ別 汗・におい対策
からだの中でも、とくににおいやすい場所があります。
気になるのは、やはり、わき、足、頭。それぞれの対策方法を。
○夏場はとくに気になる「わき」
電車のつり革につかまるときや、ちょっと腕を上げたときなど、とても気になるのが、わきの汗とにおい。6ページでも紹介したように、汗をすぐふき取ることが第一ですが、さらに、におい予防には、わきのお手入れや服にしみこませないことなども大切です。
ワキガ体質チェック
最近、ワキガでは・・・?と悩んでいる人が増えているそうです。自分ではわかりづらいものだけに、まずは簡易チェックをしてみましょう。当てはまるものにチェックをしてください。
□耳あかがネバついて湿っている
□インナーや服のわきが黄ばむ
□わきにかく汗が多く、粘りけがある
□家族にワキガ体質の人がいる
□わきの毛が多い、もしくは太い
□肉類中心の生活をしている
当てはまる項目が多かった人、もしくは「耳あかがネバついて湿っている」にチェックがついた人は、ワキガ体質の可能性が高いです。
3つ以下なら、単なる汗のにおいであることが多いので、きちんと汗対策をすれば大丈夫です。
*ワキガ体質の人はアポクリン腺が活発に働いています。どうしても気になるようなら、ワキガ治療を行っている病院やクリニックでアポクリン腺の検査ができます。
解決1 ― 制汗デオドラント剤で殺菌・消臭!
デオドラント剤には、いろいろなタイプがあります。強いにおいに悩んでいる人は、雑菌が増えないように殺菌効果のあるものを。汗や汗くささをおさえたいだけなら、殺菌効果のないマイルドな制汗剤で充分です。また、使いやすいスプレータイプ、外出先でふき取るのに便利なシートタイプ、皮膚に均一に塗れるロールオンタイプ、皮膚へ密着度の高いジェルタイプ、制汗作用の高いパウダータイプなどもあります。どれも、つけたあと、薬剤を乾燥させることがポイントです。デオドラント剤の使いすぎは、すべての雑菌を殺してしまい、もっと強い雑菌が繁殖してより強いにおいになったり汗腺をふさいでしまうこともあるので、週に2日ほどは使用を休みましょう。
解決2 ― わきの下のお手入れで、雑菌の繁殖を防ぐ!
わきの毛を伸ばしたままだと、アポクリン腺から分泌された汗や皮脂が付着しやすく、雑菌も繁殖しやすくなります。これでは、においが発生する環境を作っていることになり、どんな制汗剤を使っても効果は半減。わきのにおい防止のためにも、ふだんからムダ毛処理をしておきましょう。
解決3 ― わきパッドなどで、洋服に汗をしみこませない!
インナーやアウターなどの衣類に汗がしみこむと、においが発生しやすくなります。わきパッドなどを利用すると、衣類に直接汗がつかないので、においが気にならず快適に過ごせます。6ページで紹介したように吸湿性の高いインナーを着て、アウターまで汗を通さないという方法も効果的。さらに夏場はアウターも、綿や麻などの放熱性や放湿性の高いものが汗とにおい対策におすすめです。
○汗をよくかき、靴でむれる「足」
足の裏や足の指のまわりは、からだの中でも最も汗腺が多いので、汗をかきやすい場所です。また、靴を履くために高温多湿になり、細菌が繁殖しやすい環境にあります。ふだんから清潔にしておくことが大切です。
解決1 ― 足は常に清潔にしておく!
足のにおい防止には、なんといっても洗うことです。足の指や爪は、意外と手入れを忘れがち。においの原因となる汗やほこりは、指1本1本ていねいに洗い流しましょう。洗ったあとに湿気が残っていると細菌が発生しやすくなるので、ゆびの間までよくふき取ります。
1.指の間をていねいに洗う
足の指と指の間に、手の指を入れるようにして、石けんなどをよくあわ立てて洗います。1本1本ていねいに。
2.爪ブラシで汚れをとる
足の爪の隙間は、爪ブラシなどを使って汚れを取り除きます。かかとや足の裏、爪のまわりにある余分な角質も落とします。
3.湿気をふきとる
乾いたタオルで、足をよくふきます。指の間にも湿気が残らないように、ていねいにふいて。
4.クリームなどでケア
最後に汗やにおいをおさえる効果のあるクリームやパウダーなどを塗ります。塗ったらきちんと乾かしましょう。
解決2 ― 出かける前にお酢で足浴を!
お酢は足のにおいにも有効。出かける前に、洗面器にお湯を入れてお酢をたらし、足をひたしますす。お酢の殺菌効果で細菌が減り、におい防止に。おすすめは、炭を作るときにできる竹酢液や木酢液です。
解決3 ― 靴をお手入れして防臭!
足のケアをしても靴ににおいがあると足にうつってしまいます。1日にコップ1杯もの汗をかく足にはいている靴は、1日はいただけでかなりの湿気に。脱いだ靴は、消臭剤をスプレーしてから、乾燥剤を入れて陰干をし、よく乾燥させます。できれば、毎日同じ靴を履くのは避けて、2日おきぐらいに履きましょう。吸汗性のあるインソールを靴に入れたり、1日のうちでも履き替えたりするとむれを軽減できます。
○いろいろなにおいがつきやすい「髪」「頭皮」
頭もにおいが気になる部分。頭のにおいの原因には、大きく2種類あります。皮脂腺が多く、においが発生しやすいのが頭皮、周囲のにおいを吸着しやすいのが髪の毛です。
解決1 ― 髪の洗い方に注意!
におうからといって髪をゴシゴシ洗っては、キューティクルを傷つけ、かえってその傷に周囲のにおいが吸着しやすくなります。また、髪の洗いすぎもキューティクルが流れ落ちるので、毎日のシャンプーは避けて、ときどきはお湯で流すだけにしてあげましょう。髪が生乾きの場合は、においがより付着しやすいので、朝に洗髪する場合は、しっかりと髪を乾かしてから出かけるようにしてください。
解決2 ― 洗髪後にミネラルウォーターをスプレー!
髪を洗ったあとで、スプレーボトルに入れたミネラルウォーターをシュッとふりかけます。それからドライヤーなどで乾かして。ミネラルウォーターに含まれるミネラル分が、キューティクルの傷をふさぐ役目を果たし、においの吸着を阻止してくれます。外出前にさっとスプレーするのもにおい予防に効果的です。できるだけカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が多い硬水を選ぶといいでしょう。
FELISSIMO 桜なでしこ 2005年4月 より