「外は寒いのにわき汗びっしょり」
「においが気になってブーツが脱げない……」
そんな悩みを抱えている人はいませんか? そう、汗のトラブルは夏だけにあらず。心当たりがある人は、必読です!

気になる2大ポイントはわきと足!
わき汗が出てにおいが…… 
ブーツを脱げないくらい足が臭い!

汗のにおいケアの第一人者 五味先生
意外かもしれませんが、汗のにおいは、冬のほうが強くなります。また、わきや足裏の<部分汗>に悩む人も増え、患者さんは2倍に。でも大丈夫。少しの工夫で、症状はぐっと改善されますよ!


冬の汗のにおいが気になる 4つの理由
冬の汗と夏の汗は、そもそも質が異なります。そこに、冬特有のさまざまな要因が加わって、いやなにおいを生み出しているのです。

理由その1 「悪い汗」をかくからにおう!
冬は汗をかきにくいというイメージがありますが、じつはその逆。寒くなると体温を保とうと基礎代謝量が上がり、暖房や運動などちょっとした刺激で汗が出やすくなっています。ところが、その汗を分泌する汗腺は、気温が低くなると一部が休眠状態に突入。稼働している汗腺への負担が過大になることで、汗の中のミネラル分を血管に戻す「再吸収」という働きが追いつかず、夏のサラサラの汗とは異なるベタベタとした「悪い汗」に。ミネラル分が残留した悪い汗は蒸発しにくく、皮膚にとどまって細菌を増殖させるため、悪臭のもととなってしまうのです。

理由その2 食生活の変化が原因でにおう!
じつは食べ物も、においと深い関係があります。アンモニアなどのにおい成分は、腸が食べ物を分解する際に発生しますが、その多くは肝臓で無臭化されます。ところが、大量のにおい成分を発生させる動物性たんぱく質をとりすぎると、無臭化が追いつかず、におい成分が血液から汗腺に取り込まれて体臭の原因に。とくに冬は、肉や乳製品などを使った脂っぽい料理が好まれるうえ、飲酒の機会が増えることで肝機能が低下する傾向が。加えて、カロリーの高い料理や鍋ものなどは内側から体を温めて発汗を促すため、相乗効果で臭い汗をかきやすくなります。

理由その3 「自分だけ」と思うからにおう!
働かない汗腺が増える今の季節は、汗腺の多いわきや足裏に汗が集中。それまで意識していなかったわき汗や足の汗が気になりだし、「もしかして私だけ?」と不安を覚える人が急増します。ところが、じつはこの「不安」こそが多汗をまねく原因。わきや足裏は、冬に汗をかきやすい場所であると同時に、緊張や不安を感じたときにどっと多量の汗をかく「精神性発汗」を起こしやすい場所でもあります。つまり、心配すればするほど汗をかく悪循環に陥る、というわけ。さらに、一気にかく汗は、ミネラルの再吸収が間に合わない「悪い汗」になるため、においもぐっと強くなってしまいます。

理由その4 通気性の悪い服やブーツのせいでにおう!
保温性が重視される冬の衣類は、通気性が悪い場合がほとんど。それを二重、三重に着込むことで、汗はさらに体から蒸発しにくくなり、服の中にこもりやすくなります。もちろん、これは足も同様。足裏は、多いときで一日にコップ1杯分もの汗をかくといわれる場所だけに、厚手のストッキングやブーツなどで長時間おおわれると、たちまち蒸れてにおいが発生。さらに足裏の分厚い角質がエサとなり、細菌が増殖してますます悪臭が強くなります。


汗のにおいをセーブする 6つの解決法
手ごわい冬の汗のにおいには、体の内側と外側、両方のケアが不可欠。毎日の生活習慣に、ぜひ取り入れてください。

解決法その1 肉や発汗を促すものを食べすぎない
肉などの動物性たんぱく質がにおいの一因となるのは、すでに述べたとおり。たんぱく質をとるときは、動物性のものより、豆腐や納豆といった植物性のものを多めにとりましょう。肉を食べるなら、におい成分を便と一緒に排泄できるよう、野菜やきのこ、海藻などから食物繊維をたっぷり摂取して。また、基礎代謝量が高く汗をかきやすい冬は、鍋ものやカロリーの高いものなど、発汗作用のある食事をとりすぎないことも、におい対策には大切です。

解決法その2 汗はぬれた布やシートで早めに拭く
汗をかくのは、体が体温を下げようとしているサイン。「よい汗」なら自然蒸発を待つのが一番ですが、ベタベタした「悪い汗」や、服の中にこもった汗は、なるべく早く拭き取りましょう。ただし、乾いた布は、水溶性の汗のにおい成分を除去できないのでNG。また肌表面に水分が残らないため、体温が下がらず、汗が止まらなくなることも。固く絞ったぬれタオルや汗拭きシートを使い、肌がしっとり湿る程度に拭くのがベストです。

解決法その3 通気性のいいインナーを着る
汗の役割は、「蒸発するときの気化熱で体温を下げる」こと。たとえよい汗をかけても、蒸発できなければ意味はなく、長時間放置すれば蒸れてにおいの原因となります。だから、肌に直接触れるインナーは、しっかり吟味を。保温性と通気性、速乾性に優れた機能性下着が各メーカーから発売されているので、上手に活用してみましょう。

解決法その4 足にはじか塗りタイプの制汗剤を
とくに蒸れやすい足裏は、汗と湿気を押さえることが最重要課題。制汗剤を塗り、しっかり乾かしてから靴を履きましょう。じか塗りできるロールオンタイプやクリームタイプなら、指の間など細かい部分にも塗布しやすいのでおすすめ。また、1日履いた靴は風通しのいいところで陰干しし、2日ほど休ませて。歩きにくい、締めつけが強いなど、肉体的ストレスを感じる靴を履くと発汗しやすくなるので、避けたほうが無難です。

解決法その5 衣類につけるタイプの消臭剤を利用する
制汗剤の使いすぎや、間違った使い方は、肌荒れや効果の減少をまねくことがあります。そこでおすすめなのが、衣類につけるタイプの消臭剤。出かける前に、衣類のわきやくつ下など気になる部分にシュッとスプレーするだけで、体臭をブロックしてくれます。コートやセーターなど、洗濯しにくい衣類の消臭にも便利。制汗剤とダブルで使うのも効果的。

解決法その6 入浴してしっかり汗をかく
汗のにおいを防ぐには、まず日ごろから浴汗をかくことが重要。汗腺は使えば使うほど鍛えられ、サラサラで蒸発しやすい「よい汗」をかけるようになります。毎日、なるべくゆっくり湯船につかり、全身の発汗を促して。体臭を抑えてくれるクエン酸を大さじ1杯、湯に混ぜるとさらに効果的。クエン酸はドラッグストアなどで購入できます。入浴後は湯ざめしない程度に自然に体温が下がるのを待ち、汗が乾いてから衣類を身につけましょう。



元気ときれいの教科書 からだの本 vol.20  より