9月が訪れ、いつの間にか訪れた秋。しかし、暦の上で秋が訪れたからといって安心してはいられない。最近はともすれば10月くらいまでは真夏のような気温が続くことも珍しくない。しかし、いくら暑くても汗だくで洋服に汗染みがついているようでは、格好がつかないだけでなく清潔感からもほど遠い。そこで、残暑の多汗に役立ちそうな「汗対処法」について、五味クリニック院長の五味常明先生に伺った。

■■今回のアドバイザー
五味クリニック 五味常明さん

昭和大学形成外科等で形成外科学、および多摩病院精神科等で精神医学を専攻。患者の心のケアを基本にしながら外科的手法を組み合わせる「心療外科」を新しい医学分野として提唱。ワキガ・体臭・多汗治療の現場で実践。TVや雑誌でも活躍中。

■汗腺の発達は脳の発達によってもたらされた

五味先生「汗をかく理由は体温を調節するため。熱い道路に打ち水をすると熱が和らぐように、汗が蒸発するときの気化熱で体の熱を奪い体温を冷ます働きをします。

しかし、このように体温調節のために汗をかくのは、猿の一部を除けば人間だけ。体の組織の仲でも、脳細胞はとくに熱に弱く、体温が1度上がるだけでも頭がボーッとしてしまいます。それだけでなく、2〜3度体温があがると、神経やホルモン系までもがオーバーヒートしてしまうのです。

このような熱のダメージから脳を守るために、人間は汗をかくための器官『エクリン腺』という『汗腺』を発達させてきました。汗をかくことは、人間の脳が他の動物に比べて非常に発達している証なのです」

■汗を恐れずに生活するためのテクニックとは?

五味先生「とはいえ、見た目の清潔感を保つ上では、大量に流れる汗は嬉しいとはいいがたいもの。外出先で汗がとめどなく流れて困っている…という人のために、汗を引かせるためのテクニックを3つご紹介しましょう。

・首筋を冷やす
体温調節をするために発汗するということは、体温が適温であれば発汗量が減少する場合があるということ。大きな動脈が通っている体の部分を保冷剤などで冷やすと、血液が冷却され体温が低下し、汗を抑えてくれます。オススメの場所は、首筋、ワキの下、股の間、手首。仲でも首筋は、脳へと続く頸動脈が通っている場所。脳音を低下させる事ができるので、発汗中枢が反応してスピーディーに汗を減少させることができます。

・圧迫する
顔など、体の一部の汗を止めるために有効なのが、『皮膚圧反射』を応用した方法です。


皮膚圧反射とは、体のある部分を圧迫することで汗が蒸発しにくくなるため汗が抑圧され、体の別の部分が代わって汗をかく作用のこと。仰向けに寝ると背中が圧迫され汗が減少し、代わりに胸側の汗が増加します。顔やワキなど上半身の汗にお悩みの方は、胸の上の肋骨を両手で強く圧迫してみてください。上半身を圧迫することで、上半身の汗が減少し下半身の汗が増える実感があるでしょう。両手で長時間胸を圧迫するのがむずかしい場合は、ひもなどを使って圧迫するのもひとつの方法。舞妓さんが顔に汗をかかないのは、高帯で胸を圧迫しているからと言われています。

・ボトックス注射をうつ
シワ消しなど、プチ整形などで名前を聞くことがある『ボトックス注射』は、多汗にも効果的。ボトックスの成分であるボツリヌス菌毒素が交感神経の末端に結合し、発汗刺激を抑制するのです。一回の注射で得られる効果は、個人差はあるもののおよそ半年。痛みも少なく傷も残らないため、生活への支障もありません。特にワキの汗には効果的とされています」

■「もう大丈夫」という安心が汗を減少させる

五味先生「基本的には気温の変化や運動・病気による体温上昇を調整するためにかく汗ですが、極度の緊張や興奮による『精神性発汗』も存在します。

汗かきで悩んでいる人のなかには、『また汗をかいてしまうかも』といった不安や緊張によって悪循環に陥っている人も少なくありません。

上記のような方法を試してみて『もう大丈夫』と心の底から安心することが、多汗を改善することもあるのです。あまり悩みすぎないことが第一歩かもしれませんよ」

■最後にアドバイザーからひと言

「体にとって大切な役割を持つ汗。コントロール方法を身につけて上手に付き合いましょう」


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