幼少時にしっかりと汗をかかなかった人は「クールビズ」などで推奨される室温28度程度でも熱中症を引き起こす危険性があり、かつ重症化しやすい−。そんな「熱中症体質」が10〜20代の若者を中心に増えているとして、専門家が注意とセルフチェックを呼び掛けている。

 汗は人間の体温調節には欠かせない機能で、全身の表面にある「エクリン汗腺」と呼ばれる汗腺から分泌する。汗腺は胎児期に発生するが、すべてが汗を分泌するのではなく、汗をかく能力を備えた汗腺を「能動汗腺」、汗を分泌しない汗腺を「休眠汗腺」と呼ぶ。

 流通経済大客員教授で医師の五味常明さんは、汗がかけるかどうかの確認実験を同大スポーツ健康科学部(茨城県龍ケ崎市)の2年を対象に実施。43度前後の湯に手と足を15分漬けてもらったところ、2015年の実験では、77人のうち12人(約16%)は、漬けた部分が赤くなっただけで汗がほとんど出なかった。16年の実験では、99人のうち33人(約33%)で同様な結果が出た。五味さんは「人が汗の分泌機能を獲得する『汗腺の能動化』は、幼児期までに完成するとされている。実験で汗が出なかった学生は、幼少期にあまり汗をかかず、能動汗腺が十分に増えなかった可能性がある」と分析。東京都内などで汗専門クリニックを開く五味さんは近年、「こういった若者が増えている。クーラーの効いた環境で育った影響があるのでは」と推測する。

 「彼らは、体内に熱がこもりやすく、気温が28度前後でも熱中症を起こす危険性がある。いきなり体温調節機能を失い、重度の熱中症の熱射病に陥る恐れもある」と指摘する。その上で「確認実験で汗が十分に出なかった人、気温が高いのに汗ばまない人は、能動汗腺が少ない可能性がある。クラブ活動などで炎天下や気温の高い場所で活動をする場合は別のメニューにしてもらうよう申告するなど、本人と周囲がともに対応したほうがいい」と訴えている。【共同】


http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/450974


多汗症についての相談(回答内容別)
多汗症についての相談(質問内容別)