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 夏本番前に始めたいのが、汗をしっかりとかける体をつくる発汗トレーニング。入浴法や運動など、汗腺の機能を高める効果的な方法を、上下2回で紹介する。本格的に暑くなる前にぜひ“汗トレ”に取り組んでみよう。

 「汗を分泌する汗腺は、熱に弱い脳を守るために、体温調節を担う器官として発達してきた。今なお進化の過程にあるため、使わないでいると衰え、退化してしまう」。汗を専門とする五味クリニック(東京・新宿)の五味常明院長はこう話す。

 汗腺には2種類あり、汗をかくときに使われるのはエクリン腺。唇や爪の下以外の全身に分布し、その数は400万〜500万といわれる。ただ、「実際に活動している能動汗腺は半分程度。エアコンの使用や運動不足などで汗をかく機会が少ないと、汗腺の機能が衰えたり、退化して休眠状態の汗腺が増えたりしている人も多い」(五味院長)。

 気温が高くなったり、運動をしたりして体内に熱が生じると、汗腺から汗を分泌し、皮膚から蒸発させることで体温を調節する。汗腺は血液から血球を除いた血漿(けっしょう)をくみ上げて汗の原料としているが、体に必要なミネラル分はろ過して血液に戻し、残った水分が汗となる。

 汗腺機能が正常であれば、汗は小粒で水のようにサラサラしていて、蒸発しやすい「良い汗」となる。汗腺の機能が衰えていると、ミネラルの再吸収がうまくいかず、大粒でベタベタとした、蒸発しにくい「悪い汗」となってしまう。


 水に近い良い汗はほぼ無味無臭だが、血漿成分が多く残る悪い汗は、皮膚表面にある雑菌を繁殖させるため不快な臭いを放ちやすい。「悪い汗は体に必要なミネラルを奪うため、夏バテや熱中症を招く原因にもなる。今の時期から汗腺機能を高めて、良い汗をかけるようにしておくことが大切」(五味院長)


 汗腺機能を高めるトレーニングとして、五味院長は2種の入浴法を組み合わせることを勧めている。一つは休眠している汗腺が多い手足の先を、42〜43度の熱めのお湯で温めて目覚めさせる「手足高温浴」。もう一つは36度前後のぬるめのお湯で体を中心から温め、じっくりと汗をかく「半身微温浴」だ。入浴の前後や最中には水分を補給し、湯上がり後は自然に汗が引くまでクールダウンしてから着替える。

 「この入浴法を2〜3週間続けると、汗腺機能が高まる」と五味院長。「手足高温浴で汗が出にくかったり、皮膚が赤くなったりする人は汗腺が衰えているサイン。その場合は、40度程度の低めの温度から慣らしていくとよい」