汗が果たす役割とは
1. そもそも、なぜ人間は汗をかくのですか?
「汗というのは、体のどの部分のためにかいているか?
それは、脳細胞を守るためです。人間の脳には、中枢神経が入っています。脳細胞は熱に弱く、常に37度前後という温度に保たれていなければなりません。なので、私たちは汗を放出し、蒸発する時の気化熱で体温を下げているんです。人間は、汗をかくための機能・汗腺(かんせん)も発達しているんですよ。暑いからといって、ゾウのようにしょっちゅう水浴びするわけにはいきませんからね」


あなたの汗は、ベタベタor サラサラ?
2. いい汗と悪い汗の違いは、どのようなものですか?
「汗の原料となるのは、血液です。汗腺が、血液の血球を除いた血しょうをくみ取って、汗として排出しています。また、汗腺にはろ過機能があり、必要な塩分やミネラルが排出されすぎないように、体に『再吸収』しています。
いい汗はサラサラとした水のようで、かきたての状態はほぼ無臭です。また、少ない量で体温を下げることができます。
ところが、汗腺の『再吸収』機能が低下すると、血しょうを多く含んだ濃い汗をかきやすくなります。悪い汗はベタベタしていて、ムダ汗になりやすい。また、大量にかかないと体温を下げることができません。すると、どのようなことが起こるでしょうか?血液を大量に使うわけですから、水が失われて脱水症状におちいりやすく、ミネラルも失われます。つまり悪い汗をかく人は、熱中症になりやすいんです。さらに、悪い汗というのはアンモニアなどのニオイ成分が強いため、かきたてから臭く、雑菌のエサになりやすいという特徴があります。


ニオイは「衣服でブロック」するのが合理的!
3.先生が提唱されている「経衣類消臭法」について教えてください。
「経衣類消臭法は、体から出るニオイを、衣類で消臭する方法です。
そもそも、多くの人が気にしているのは、体から出た自分のニオイそのものではありません。
そのニオイが他の人の鼻に伝わって、その人を不快にしてしまうことが心配なのですよね?もしも、自分ひとりだけで過ごしているならば、体臭は個性ですからそれほど気にならないわけです。
私たち人間は、誰しも服を着ます。ですから、服そのものを消臭してしまうことは、とても理にかなっていると思いませんか。方法はふたつあって、衣類に消臭スプレーをかけるか、機能性繊維でできた服を選ぶかです。
あなたが毎日着る服を『消臭剤』にできれば、第一の皮膚からニオイ分子が出ても、第ニの皮膚である衣類がニオイ分子を抑えてくれて安心ですね。このように、経衣類消臭法は、ニオイで悩む人が失ってしまいがちな『安心』や『自信』といった気持ちも回復してくれます。汗のニオイが気になっている人には、皮膚に塗布するタイプのデオドラント剤と合わせて試してみてほしいと思います。
嬉しいことに、今は繊維メーカーからも、吸水性、通気性、速乾性に長けた機能性繊維がたくさん出ていますね。そうした機能性繊維を用いたインナーもぜひ活用してください。多少高くても、お金をかける価値は十分にあると思います。何よりも安全ですし、機能性繊維を使ったインナーを着るほうが、ずっと快適に過ごせるでしょう」


汗のニオイ予防にも!お風呂でできるトレーニング
4.いい汗をかき、夏場を乗り切るための汗腺トレーニング方法を教えてください。
「ひとつは、43度くらいのお湯に、ひざ下とひじ下を10分から15分間ひたす手足入浴法です。
脳から遠いところにある手と足の汗腺は、いちばん衰えやすい場所でもあります。そこを集中的に刺激することで、汗腺を鍛えることができます。また、手と足には細かい血管が通っているので、血液が体中を巡り、5分ほどでいい汗をかくことができます。
もうひとつは、半身浴です。さきほどの手足入浴法のあと、交感神経を優位にし、リラックスさせるために行います。36度くらいのぬるめのお湯を足し、コップ半分くらいの酢(クエン酸)を入れると、汗のニオイ予防効果も期待できます。半身浴や岩盤浴は、体の深部が温められるので、いい汗をかくことができますよ。
さらに、お風呂からあがったあともトレーニングのひとつです。汗は、エアコンで急激に蒸発させず、うちわなどを使ってゆっくりと体温を下げるようにしてください。
また機能性繊維を使ったインナーなら、お風呂あがりから着ることができます。
お風呂あがりに暑いからといって、いつまでも裸で過ごせば湯冷めしてしまいますし、すぐにTシャツを着ても、衣類が汗で蒸れてしまえば、体を冷やしてしまい逆効果になりかねません。綿素材は吸湿性にすぐれていますが、放湿性が悪く、汗をかくと重くなりやすいですが、その点、機能性繊維を使ったインナーは、吸汗速乾性にすぐれたものが多く、さらさらとした着心地でお風呂あがりも気持ちよく過ごせるかと思います。
ゆっくりと体温を下げるための汗腺トレーニングにも適していると言えますね。
汗腺は比較的新しい器官なので、このトレーニングを2週間ほど続けていれば、機能が高まり、いい汗をかけるようになるでしょう」

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