多汗症や汗のニオイに悩む方のためのブログ(五味クリニック)

わきが多汗症治療に長年携わってきた五味クリニック院長が、汗に悩む方の心のケアを重視した、様々な対策や治療法をご紹介します。

多汗症や汗のニオイに悩む方のためのブログ(五味クリニック)トップ > よい汗悪い汗

新着情報
  • 最近気になる体調不良 汗との関係
  • 汗っかきと汗の臭い
  • 汗をかかないことが冷え・うつ・脳梗塞まで引き起こす万病のもと
  • 汗はメタボのバロメーター
  • 自然塩入浴で「寝たふり汗腺」を呼び起こそう
  • よい汗をかく生活法
  • 汗のにおいで病気がわかる?
  • あなたは汗についてどの程度知っていますか?汗に関する10項目
  • 汗をかかないと、低代謝に。もっともっと、よい汗をかきましょう

よい汗悪い汗

最近気になる体調不良 汗との関係

夏の到来とともに気になるのが“汗”。「汗をかかないほうが快適なのに」なんて思ってはいませんか。
じつは、私たちは汗をかくことで、体の機能を整え、健康を守っているのです!
汗をかかない生活を積み重ねると「低体温」になり、冷えやだるさなど不調を招きます。
健康のためには、上手に汗をかくことが不可欠。
ここでは、気持ちよく汗をかくための方法をお伝えします。


○汗は健康のバロメーター!
汗には「よい汗」と「悪い汗」があることをご存じですか?
悪い汗をかく人は、「代謝機能(食べ物が酵素の力を借りてエネルギーに変換される仕組み)」が衰え、自律神経の働きや免疫力も低下している恐れがあります。
そのため、だるい、疲れやすい、体が冷える、眠れない、風邪をひきやすいなどのトラブルを抱え込むようになり、さらに、血液がドロドロになって、脳卒中や心筋梗塞などの怖い病気を引き起こす可能性もあります。こうしたトラブルを改善するには、上手に汗をかく=「よい汗」をかくことが必要。よい汗は、体を守り健康を維持することはもちろん、皮脂を分泌させて肌をしっとり、ツヤツヤにしてくれます。
また、精神的にもすっきりリフレッシュします。


あなたの汗はよい汗?悪い汗?

次の項目に「はい」「いいえ」で答えて、チェックしてみましょう。
□じっくり汗をかくよりも、突発的にたくさん汗をかくほうですか ……はい・いいえ
□汗をなめると、塩辛い味がしますか              ……はい・いいえ 
□汗はサラサラでなく、ベタベタした感じですか         ……はい・いいえ
□小粒ではなく、大粒の汗をかきますか             ……はい・いいえ
□汗をかくとニオイ(体臭)が気になりますか          ……はい・いいえ

「はい」の数が多いほど、「悪い汗」です。このままでは、体にさまざまなトラブルを起こす危険性大。いまの生活を見直し、悪い汗を改善して、体を守る「よい汗」をかくようにしましょう。

☆悪い汗とは……だらだらと大量に流れて、塩辛く、ベタベタした感じがします。また、粒が大きくてなかなか蒸発しません。アルカリ性なので皮膚表面に細菌が繁殖しやすく、ニオイが強くなります。現代人はほとんどが悪い汗です。
☆よい汗とは……あまり塩辛くなく、水のようにサラサラしています。表面張力が小さいので、粒々になって、すぐ蒸発してしまいます。酸性なので、皮膚表面の雑菌の繁殖を抑えて、ニオイはそれほどしません。

 


○汗が体を守っている

汗の働きは「体温調節」
人間は外の気温が変化しても、体温をほぼ36〜37℃に保たなければ生きていけません。そこで、暑さや運動などで体温が上昇したときには、脳が自律神経に命令を出して発汗を促し、汗を蒸発させることによって体温を下げる仕組みになっています。
脳が発達した人間は、とくに頭にたくさんの汗腺を集中させ、熱に弱い脳を汗によって守っています。とかく嫌われがちな汗ですが、そのおかげで私たちは健康でいられるのです。


○汗をかかないとどうなるの?

エアコンの普及や運動不足などによって、必要なよい汗をかかなくなると、汗腺の働きが鈍くなります。すると、いざというときの体温調節がうまくできなくなり、かいてもほとんどが「悪い汗」となります。悪い汗は、突発的に大量に出るため、体内の大切なミネラル分を血液中に戻せず、ミネラル分を含んだまま体外に流れ出してしまいます。この結果、さまざまな体調不良や不具合が起こるようになります。

●こんなトラブルが!
熱が体にこもってだるくなる

体に熱がこもって体温が上がるのが「うつ熱」の状態で、体がだるくなります。さらに体温が上昇して40度を超え、熱射病(熱中症のひとつ)が起こると、意識がもうろうとして、ひどいときには、命にかかわることもあります(直射日光によって起こる熱射病が日射病)。

●こんなトラブルが!
汗を大量にかいて疲れやすくなる

やっと汗をかいても悪い汗なので、なかなか蒸発せず、汗のわりには体温が下がりません。さらに大量の水分を失うので、血液が濃く血行不良となり、筋肉に乳酸がたまって疲労感に襲われます。ひどくなると熱疲労(熱中症のひとつ)で、めまいや失神、吐き気などを起こすことも。また、体の水分・ミネラル分不足により、疲れ、食欲不振などの夏バテや、内蔵機能低下につながります。

 

●体のなかはSOS!
低体温になり、冷え症になる

体に熱がこもると危険なため、体温が上がりすぎないように、体は「基礎代謝(生きていく上で必要なエネルギー)」を下げて、余分な熱ができないようにします。この結果、「低体温」となり、血行が悪くなって体が冷え、また、活動に必要なエネルギーが不足して覇気がなくなったり、脳がうまく働かずに考えがまとまらなかったりします。

●体のなかはSOS!
太りやすくやせにくくなる

基礎代謝が低下するので、食べたものがエネルギーに変換されず、体脂肪となって体に蓄積され、以前と同じ量を食べても太りやすくなります。また、ミネラル分の不足によって、体についた余分の脂肪もエネルギーとして十分燃焼できず、なかなかやせない体になってしまいます。

●体のなかはSOS!
自律神経が乱れ、免疫力が低下する

低体温になると、外気温の変化に反応して、すぐに体温が上がったり下がったりして一定に保てなくなります。こうなると自律神経自体の働きが低下し、頭痛、肩こりがする、動悸や息切れがする、よく眠れないなどの症状があらわれます。また、免疫力も低下し、風邪をひくなど感染症にかかりやすくなります。

○汗ってそもそも何?

汗は、血液中の水分とミネラル分(血漿)を汗腺に取り込んだもの。
99%以上が水分で、残りは塩分、カリウム、カルシウムなどのミネラル、重炭酸イオンなどの電解質が含まれています。
このミネラル分は体に必要なもなので、汗腺には、血漿を汗としていったん取り入れた後に、ミネラル分を再び血液中に戻す働きがあります。
汗として皮膚に出るのは、水分とわずかな塩分だけです。
これが本来の「よい汗」です。


もっと汗をかいて、心も体も健康に!

○よい汗をかくには?

健康でいるためには、本来のよい汗がかけるようになることが第一です。その方法はとても簡単。
文明に頼りすぎず、自分のチカラで体温を上げて積極的に汗をかき、その汗で、上がった体温を下げること、これだけです。

1.よく歩く、よく動く
まずは体内で熱をつくり、汗を出しましょう。しっかりと歩いて、体をたくさん動かしていると、普段から汗が出にくい人も少しずつ汗をかけるようになります。激しい運動は必要ありません。ウォーキングなどの有酸素運動(酸素をたくさん取り入れる運動)で、少し汗ばむくらいが目標です。

2.お風呂に入る
入浴は汗をかくのに最適。夏はシャワーですませずに、できるだけ湯船につかって体を温め、汗を出しましょう。とくにエアコンで体が冷えすぎている人は血行を良くするためにも大切。コップ半分くらいの酢(クエン酸の多い醸造酢あるいは黒酢)を入れると、皮膚の雑菌の繁殖を抑え、体臭の予防にもなります。

3.エアコンで冷やしすぎない
体には脳と皮膚とで温度を感じるセンサーがあります。暑い戸外から冷房のきいた部屋に入ると、皮膚のセンサーが働いて一気に発汗を抑えようとしますが、じつは体の中はほてったままのうつ熱状態になるので、脳のセンサーは発汗を促そうとします。エアコンによるこの矛盾した状態に2つのセンサーは混乱し、必要な汗がかけなくなって、体温調節ができなくなります。できれば外気温との差を5℃以内に抑え、エアコンで冷やしすぎないこと。また、熱めのお茶を飲んで、内側から体を温めることも大事です。


お風呂あがりには
エアコンは厳禁、汗はすぐふき取らない

エアコンで汗を無理に抑えると、脳の温度は高いままになり、寝汗をかいてかえって体が冷えすぎ、体調を崩します。かいた汗の力で、体温を自然に下げましょう。うちわを使って、動脈が皮膚のすぐ近くを通っているワキの下や首筋をあおぐと、効率的に体温が下がります。額にも温度センサーがあるので、額も忘れずに。汗がひいてから、衣服を着ます。

クエン酸ドリンク、ショウガ湯を飲む
水分補給に、リンゴ酢や黒酢などのクエン酸ドリンクを飲むと、疲労回復効果もあります。発汗を促す作用のあるショウガ湯(すりおろしたショウガをコップに入れ、ハチミツを加えてお湯を注ぐ)もおすすめ。


COLUMN
人間の体もヒートアイランド
エアコンの普及とともに、建物の中は冷房がきいて快適に暮らせるようになりましたが、その分、エアコンの熱が外気に排出されて、都会は熱くなる一方。見渡すと、地面はアスファルトに埋めつくされて、以前のように降った雨が蒸発するときに地表の熱を奪い、外気を冷やしてくれることはなくなりました。その結果、外気温はますます上がるばかり。これって、汗をかかなく(かけなく)なって、熱を放出できない私たちの体と似ていませんか?人間も大地も、本来の姿から離れ、いまや危機に瀕しているのです。

3歳までに汗腺はできあがる!
人間の汗腺は3歳くらいまでにできあがるとされています。ですから、この時期には、暑さを体感させ、きちんと汗をかかせることが重要です。
でなければ、汗腺機能が十分に発達せず、体温調節のできない体になってしまいます。すると、ぼうっとしてやる気がなくなる反面、慢性的に苛ただってキレやすくなる危険性も大。「汗をかくとかわいそう」とエアコンに頼った子育ては、子どものためには逆効果なのです。

 

○気になるニオイを防ぎ、さわやかに過ごすコツ

1.水分をたくさんとろう
「汗をかくから、水分を控える」という人がいますが、これは間違い。水分はすべて汗になるのではなく、必要な分だけ汗として出て、余分な水分は尿として排泄されます。飲む水の量を減らしても汗は減りません。逆に水分不足は便秘の原因になり、体臭が強くなることも。
心配せずに、普段から水分をよくとって水分補給しましょう。できれば天然のミネラルが含まれたミネラル炭酸水を。汗で失いがちなミネラル不足を補い、疲労回復に役立ちます。

2.肉類を控え、大豆をとろう
肉類は糖質などに比べて約5倍も多くの熱を産出するので、たくさん食べると体温が上がり、汗が出やすくなります。また動物性のタンパク質や脂肪が多く、ニオイの原因にもなるので、肉類をなるべく控えましょう。
おすすめは、納豆や豆乳などの大豆。大豆に含まれるイソフラボンは、女性ホルモンと同じような働きがあり、更年期のホルモン不足を補うほか、汗腺に直接働きかけて、更年期障害による多汗を抑えます。また、大豆のレシチンは、界面活性作用で汗を小粒にし、蒸発しやすい汗に変えてくれます。


3.ニオイを防ぐ知恵
自分でつくる制汗剤

汗を抑えるには、制汗剤を使うこともひとつの方法です。ミョウバンや重曹(薬局などで市販)を使った、体に優しい昔ながらの制汗剤を、2つ紹介しましょう。

ミョウバンを使って

・水道水300ミリリットル(コップ1杯半)に、焼きミョウバン10グラム(生ミョウバンなら15グラム)を入れて溶かし(2〜3日置く)、液が透明になったら原液の出来上がり。冷蔵庫で1〜2週間保存できます。使うときは、水道水で原液を20〜50倍に薄め、ガーゼに浸してワキの下などをふいたり、直接肌にスプレーしたりします。消臭効果もあり、原液にレモン1切れ(1/5個程度)を絞って入れたり、水道水の代わりに緑茶を使ったりすると、消臭効果もよりアップします。

重曹で

・重曹制汗剤はすぐに作れるので、急ぐときは便利。重曹大さじ1杯をコップ1杯の水道水に入れて溶かせば(すぐに溶ける)出来上がり。スプレー容器に入れて、直接肌に吹きつけます。ワキの汗を抑えたいときは、重曹の粉を軽く塗布しても効果があります。

:肌の弱いかたは、かぶれることがありますので、十分注意してください。


○汗をとめたい!
こんなときの緊急対策は

外出先で急に汗が出てきてこまった……。そんなときには次の方法を試してみましょう。ぐんと発汗が抑えられます。

●皮膚をつねる
私たちの体には、圧迫されると、その部分の発汗量が減少する仕組みがあります。顔の汗を抑えたいときは、両手の指で、両側のバストの5?ほどうえをの皮膚を少し強めにつねる(または押す)と、胸から顔までの発汗が一時的に減少します。下半身の汗をとめたいときは、左右の腰のあたりをつねります。なお、抑えられた汗の分は、他の場所に回って排出されるため、全体の発汗量は変わりません。

●冷たいものはゆっくり飲む
冷たいものを飲むときは、すぐに飲み込まずに、口の中で冷たさを実感してください。口の中には温度を感じる冷温受容器があるので、ここで冷たさを感じると、体温が下がりやすくなります。

●冷たいタオルで、首のつけ根などをふく
手首、首のつけ根、ワキの下などを、冷たいタオルや冷えたジュースの缶などを押し当て冷やします。これらの場所には、皮膚の表面近くを動脈が走っているため、効率的に体温が下がり、発汗が抑えられます。乾いたタオルよりも水で濡らしたタオルで汗をふくと、イヤな汗のベタベタがとれて、さっぱりします。

 

○汗と上手につきあうためのグッズ

●ハンカチ
汗をよく吸うガーゼ地のものが最適。ひとつだけでなく、厚手のタオル地のものや大判のものなど、いくつか持ち歩くとよいでしょう。

●肌着
汗をすばやく吸い取り、発散させる素材に、防臭効果もほどこされた肌着が人気です。汗が気になるワキの下に汗とり機能のついたものも便利。

●汗対策スプレー
衣類にスプレーする新しいタイプの消臭剤や、汗に反応して寄ってくる虫をガードするさらさらミスト。

●扇子
汗を抑えるのに意外に役立つのがこれ。折りたためる扇子やうちわなど、涼しげな模様のものをいくつか取りそろえておきましょう。

大気汚染の影響で都会人は汗臭い?
東京医科大学の研究によると、通常なら尿にはほとんど排出されない重炭酸イオンが、都会暮らしの人に増えてきているそうです。これは、自動車の排気ガスなどで二酸化炭素濃度が高くなっていることが原因だとか。汗の中の重炭酸イオン量も同じく増加していて、皮膚表面がアルカリ性に傾いて雑菌が繁殖し、汗くさくなると考えられています。都会の人は空気の澄んだ田舎暮らしの人より、汗対策を念入りにする必要がありそうですね。

 

○悪い汗をよい汗に変える岩盤浴

よい汗をかくのに、汗の専門家である五味先生もおすすめなのが最近注目の「岩盤浴」。
岩盤浴とは、お湯を使わず、温められた天然の鉱石(ブラックシリカや天照石など)の上に、バスタオルなどを敷いて横たわり、発汗を促す新しい入浴法。五味先生によると、「鉱石が出す遠赤外線が体の深部までじっくり温めるので、脳がゆっくり発汗命令を出し、同時に出るマイナスイオン効果も重なって、めざすサラサラ汗がかけるんです」とのこと。
皮脂腺も刺激され皮脂を分泌して美肌づくりができるほか、カドミウムなどの有害物質や老廃物を排出する作用も期待できるとか。
岩盤浴室は、一般的に室温40℃前後、湿度65%ほどで、息苦しくなく、快適。



pumpkin 2005年7月号


多汗症についての相談(回答内容別)
多汗症についての相談(質問内容別)

汗っかきと汗の臭い

 現代人は昔にくらべて汗の臭いが強くなっているといわれます。これだけ世の中が清潔志向になっているのに、なぜでしょうか? それでなくても、夏は自分や他人の汗の臭いが気になる季節。それぞれに汗対策を講じているでしょうが、ただ汗を目の敵にしているだけではこの問題は解決しないようです。 


かいたばかりの汗は臭わない

 なぜ私たち人間は汗をかくのかというと、その一番の目的は体温調節にあります。人間が他の動物と大きく異なるのは、飛躍的に発達した脳を持っていることです。脳はいうまでもなく、思考したり、記憶したり、また生命維持にかかわる重要な中枢がある場所ですが、熱に弱いという弱点があります。そこで、常に体温を一定に保って大事な脳を守ることが、体温調節の究極の目的なのです。
 そのために、人間は暑くなると、血管を流れる血液中から水分をとりだして汗腺から皮膚に放出し、その気化熱によって体温を下げるというテクニックを身につけたのです。これが汗です。
 脳を守るために作られたともいえる汗腺は、人間の器官の中では新しく、まだ発展途上の未熟な器官といえます。そのため、汗を出すときには水分だけでなく、血漿に含まれる大切なミネラル分や、尿素、窒素、アンモニアなどの臭いの成分も一緒に出てしまいます。
 ただし、これらの成分は僅かな量なので、かいたばかりの汗は無臭です。ところが、汗が皮膚の上にとどまったまま1〜2時間経つと、そこに皮膚の常在菌が繁殖して臭い物質を生成し、汗臭くなってしまうのです。


エクリン腺とアポクリン腺

 汗には2種類あります。1つは、全身に分布しているエクリン腺という汗腺から出る汗です。エクリン腺は、多い人では全身に500万もあるとされている、肉眼では見えない小さな汗腺です。ここから出る汗は99%以上が水分で、割合サラッとした汗です。僅かに塩分や尿素、アンモニアなどが混ざっていますが、ほとんど臭いません。  もう1つは、わきの下や、おへその周り、耳の外耳道、乳首の乳輪や、性器、肛門の周りなど、体の特定の部位にだけあるアポクリン腺から出る汗です。
 エクリン腺は単独の汗腺ですが、アポクリン腺は毛穴と出口がいっしょで、ここから出る汗は、たんぱく質、脂質、糖質、グルコース、コレステロール、アンモニア、鉄分、色素リポフスチン、ピルビン酸などの多種の成分を含んだ、やや粘り気のある汗です。栄養分を多く含むので皮膚の常在菌が繁殖しやすく、その醗酵臭が、ワキガと呼ばれる独特の臭いになります。動物はこのアポクリン腺が発達しており、ここから出る汗の臭いは異性を惹きつけるフェロモンのような役目もしていますが、人の場合、強いワキガ臭は嫌われます。


汗にも“いい汗”と“悪い汗”がある 

 ところで、汗にもいい汗と悪い汗があります。エクリン腺の汗はほとんどが水分で、サラサラしているため蒸発しやすく、ほとんど臭いません。このような汗は“いい汗”と言えます。
 これに対して、“悪い汗“もあります。それは血漿の成分がたくさん出てくる濃度の濃い汗です。濃度の濃い汗はねばねばしていて蒸発しにくいので、体温調節には不向きです。しかも、このような汗をかくと、ミネラル分が多く失われるので体が疲れやすくもなります。また、臭い成分もたくさん含まれているため、汗の臭いが強くなります。
 本来、かいたばかりのの汗は臭わないはずなのに、最近はそうではない人が増えています。つまり、現代人は、かきたてから汗が臭う人が多くなっているのです。その理由は、このような悪い汗をかく人が増えているからです。


現代人の汗は臭くなっている
そのわけは?

 現代人が悪い汗、つまり濃度の濃い汗をかくようになったのには3つの理由が挙げられます。
 1つは汗腺を使わなくなったために、汗腺機能が衰えてしまったことです。ふだんから運動不足で汗をかくことはめったになく、本来ならたくさん汗をかくはずの夏も、エアコンの普及であまり汗をかかないし、むしろ汗をかくことを嫌っているのが一般的な現代人の姿ではないでしょうか。
 体の機能を使わなくなったためにその働きが低下してくることを廃用症候群と言いますが、汗腺は特にその傾向が強く現れます。汗腺が廃用症候群になると、血液から水分を取り出した後、血漿成分を元に戻すことができなくなって濃い汗をかくようになるのです。
 汗が臭くなった2つめの理由は、腸内環境が乱れて悪玉菌が増えたことです。実は、汗は食べ物とも大きくかかわっています。食べたものは腸で分解されますが、炭水化物はほとんどが善玉菌によって二酸化炭素に分解され、臭いません。それに対して、肉類などに多く含まれるたんぱく質は悪玉菌によって分解され、インドール、スカトール、硫化水素、アンモニアなどといった悪臭の元が発生します。つまり、悪玉菌が増えれば、当然、臭いの元も大量に発生するというわけです。
 このような臭い物質、一部は便とともに排泄されますが、一部は腸で吸収されて肝臓に送られ、ここで無臭化されます。ところが、年をとって肝臓の機能が衰えてくると、無臭化しきれなかった臭い物質が血液中に混じって全身に回ります。それが呼気とともに出れば口臭に、汗とともに出れば、いわゆる加齢臭となります。
 悪玉菌が増えて腸内環境が悪化する原因は、老化や肉食に偏った食生活が挙げられます。老化は生理現象なのでしかたがないとしても、肉食に偏った食生活は、まさに現代人に当てはまります。


一気に出る汗は臭い
 
 現代人の汗が臭くなった3つめの理由は、急激に汗をかくことが多くなったためです。内臓や脳の中にある体の深部の温度センサーが働いてゆっくりじっくり汗をかけば、いったんくみ出された血漿成分が再び血液中にもどる時間があるために、汗で出ていく臭い成分も少なくなります。岩盤浴などで身体の芯から温まって出る汗や、ジョギング、ウォーキングなどの有酸素運動で出る汗はこのような汗です。
 ところが、急激にどっと汗をかくと、血漿成分も多く出てしまって、濃度の濃い臭い汗になります。たとえば、緊張した時にはどっと汗が出ますが、手のひらやわきの下にかくこのような汗はじっとりと濃い汗です。クーラーの効いた室内から真夏の炎天下に出たときも同じです。このような時は体の深部のセンサーではなく、皮膚のセンサーが外気温に反応して一気に汗が噴き出します。これも濃い汗で、臭いが強くなります。
 汗をかく機会がなくなったこと、食習慣、空調の完備など、いってみれば文明の恩恵が、私たちの汗を臭くしているといえるでしょう。


ワキガは治療すれば簡単に治る

 汗臭さの代表といえばワキガでしょう。臭いの強い汗を出すアポクリン腺は、人種や個人によって差があり、もともと多い人と少ない人がいます。ワキガの人は、このアポクリン腺が多い人です。
 単なる汗の臭いをワキガと思って悩む人もいますが、判断の手がかりになるのが耳垢です。溶けたキャラメルのような耳垢、いわゆるあめ耳の人は、外耳道のアポクリン腺の働きが活発な証拠で、このような人はワキガ体質と思って間違いありません。逆に、カサカサ乾いた耳垢の人はワキガ体質ではありません。また、白い下着やシャツを着ていると、いつの間にかわきの下が黄ばんでくる人もワキガ体質のことが多いようです。
 ワキガといってもその程度はさまざまです。軽ければ、制汗剤を使ったり、わきの下の毛を剃るだけでもそれなりの効果があります。それでも臭いが気になるなら手術という方法もあります。
 わきの毛の1本1本に細い電極針を指して高周波電流を通し、毛根組織を熱で凝固させる電気凝固法は、軽度のワキガで、メスを入れる手術には抵抗があるという人に向いています。永久脱毛もできます。
 ボトックスもあります。ボトックスとは、最近は顔のシワ取りに使われている技術としてよく知られていますが、ボツリヌス菌の毒素を無毒化してわきの皮下に注射するものです。これによって汗の出が5〜7割程度減り、臭いも抑えられます。ただし、ボトックスは約半年ほどしか効果が持続しませんから、一時的な治療です。ワキガを根治したいなら、手術でわきの下のアポクリン腺を摘出する方法が最も確実です。
 いずれにしても、ワキガであれば、原因がはっきりしているし治療法も確立されているので、比較的簡単に治すことができます。


汗をかいたらすぐに拭くのが原則

 汗が臭くなるのは、時間がたって雑菌が繁殖するからです。臭いを抑える最も手っ取り早い方法は、汗をかいたらすぐにシャワーを浴びたり、体を拭いたりして清潔にすることです。仕事中にシャワーを浴びるのは無理ですから、その場合はウエットティッシュなどで拭くといいでしょう。それだけで汗臭さの問題はかなり軽減します。 
 それと同時に、臭いの強い“悪い汗”をできるだけかかないようにすることです。汗が臭くなる原因は先に述べたように、「汗腺機能の低下」、「腸内環境の悪化」、「急激に汗をかく」の3つですから、これらをなくすように努力すればいいのです。
 夏は「汗臭くなるのはいやだからできるだけ汗をかかないようにしよう」と思いがちですが、そうするとますます汗腺機能が衰えて汗が臭くなります。夏はできるだけ汗をかいて汗腺を働かせた方がいいのです。部屋の中をクーラーでガンガン冷やすのはやめて、外気温との差は5℃以内に留めましょう。そして、汗ばむくらいの軽い有酸素運動をすることも大事です。
 機能の低下した汗腺を積極的に鍛える「汗腺トレーニング」もおすすめです。浴槽に37〜38度のぬるめのお湯を張り、みぞおちの深さまでゆっくりつかる半身浴は家庭で簡単にできる汗腺トレーニングです。
 汗の臭いを抑えるには、食物繊維、オリゴ糖、プロバイオティクスである乳酸菌をとって腸内環境を整えることも大事です。とくに乳酸菌は、皮脂腺から出るノネナールという成分の加齢臭を抑えてくれます。「オヤジ臭」とも呼ばれる加齢臭は汗からも出て、汗の臭いを強くしている要因の1つですが、これは何もオジサンだけに限ったことではありません。女性も更年期以降は女性ホルモンが減って男性ホルモンが増えるために、皮脂腺からの加齢臭が強くなります。
 また、急激に汗が噴き出すのを防ぐには、冷房の効いた場所から炎天下に出る時には、階段の踊り場やロビーのようなところで5分間ぐらい体温を調節し、汗腺を慣らすようにするといいでしょう。


自分にふさわしい制汗剤を選んでいますか?

 夏になるとドラッグストアの店頭には種々のデオドラント剤が並び、どれを選べばいいか迷います。それだけ汗の臭いを気にする人が多いということでしょう。このデオドラント剤もさまざまありますから、自分にふさわしいものを選ばないと逆効果になってしまいます。
 耳垢が溶けたキャラメル状の人は強いワキガ体質ですから、塩化ベンザルコニウムなどが入った殺菌作用の強力なものがいいでしょう。耳垢が単に湿っているだけの中等度のワキガの人は、殺菌作用が比較的マイルドなフェノールや銀などの入ったものがおすすめです。そして、耳垢がカサカサしていてワキガでない人は、植物抽出エキスなどを配合した制汗剤を使ったり、ウエットティッシュで拭くだけでも十分です。ワキガではない人が殺菌作用の強い制汗剤を使うと、皮膚の常在菌が死滅してもっと強力な悪玉菌が繁殖し、かえって汗の臭いが強くなってしまいますから、自分に合った制汗剤を使うことが大事です。
 また、制汗剤はわきの下に局所的に使うものなのに、全身に塗る人がいます。これは常在菌を殺してしまったり、体にある汗腺をふさいで体温調節をできなくしてしまうので、決して全身には塗らないようにしましょう。


汗の臭いで病気がわかることも

 汗の臭いは時として病気のサインとなることもあります。加齢臭の原因となるノネナールは中高年になると誰にでもできますが、まだ若いのに加齢臭が強い人や、それまであった加齢臭が急に強くなった時は要注意です。ノネナールが作られるのと、生活習慣病が起きる過程はまったく同じで、加齢臭は別名“メタボ臭”ともいえます。加齢臭が急に強くなったら生活習慣病にかかっている可能性があります。
 ほかにも、汗の臭いで病気がわかることがあります。汗の臭いが甘酸っぱくなったら糖尿病の可能性があります。アンモニアの臭いが強くなると腎臓の病気、卵の腐ったような臭いなら胃腸の病気、肉が腐ったような臭いの場合は肺の病気が疑われます。まさに、汗は健康のバロメーターです。
 汗をかかなくなった現代人は汗が臭くなっているといいましたが、もっと深刻な問題があります。汗をかかなくなると体温を下げられなくなるので、体は体温を上げないようにエネルギー代謝を落とします。代謝が低くなると新陳代謝が悪くなって血行も悪くなり、さらに代謝が落ちるという悪循環に陥ります。その結果、低体温になったり、また、体温調節がうまくできないために、外気温に合わせて体温が上がったり下がったりする、まるで変温動物のような体になってしまいます。炎天下ですぐに倒れてしまう子どもなどはその典型です。自律神経失調症やうつ病なども、さかのぼれば、このように汗をかかなくなり、体温調節がうまくいかなくなったことと大きく関係しています。
 夏本番の今こそ、汗を毛嫌いせず、大いに汗をかきましょう。もちろん、かいた汗は早めに拭いて清潔にするのはいうまでもありません。



あすの健康にむかって「ヘルシスト」2009年7−8月号より


多汗症についての相談(回答内容別)
多汗症についての相談(質問内容別)

汗をかかないことが冷え・うつ・脳梗塞まで引き起こす万病のもと

汗をかくことで一定の体温に保つ

人間の体は熱に弱く、特に脳は40度を超える高熱にさらされると、数十分で大きなダメージを受けてしまいます。

そのため、体の内外で熱が生じたときは、すみやかに冷却しなければなりません。水分が蒸発する際に、熱を奪う作用があります。この性質を利用して、体温調節の機能を果たしているのが「汗」です。

どんなに暑い日でも、発汗によって私たちの体温変化は1度以内に抑えられ、たいせつな脳は守られます。これは、人間特有の優れた機能です。

ところが現代では、“普通に汗をかける”人が少なくなり、極端に汗かきだったり、ほとんど汗をかかなかったりという人が急増。冷房の普及や運動不足などで、汗をかく機会が失われているのが原因です。

一般に「汗=汚い」というイメージが広がっているせいか、「汗をかかないのはいいことだ」と思っている人も少なくないでしょう。

しかし、汗をかかないのは、皆さんが思う以上に危険なことなのです。汗と同じ冷却機能を持つものに、車のラジエーターがあります。これが壊れるとオーバーヒートしてしまいますが、車の場合ならエンジンを止めれば危険を回避できます。

では、人間の場合はどうか。いくら汗をかけなくなったからといって、呼吸や臓器の動きを停止させることはできません。仕方がないので、なるべく熱を出さないように、代謝活動を抑えるしかないのです。

代謝を抑制するというのは、体内でのエネルギー消費をへらすことになります。すると体温が下がって血行が悪くなり、末端の細胞にまで酸素が行き渡らなくなってしまいます。これが冷え性の始まりでもあるのです。

血液循環は私たちが生きるために欠かせないもの。ですから、血流が悪くなれば、必然的に体全体の機能にも悪影響を及ぼします。

例えば、自律神経(自分の意志とは関係なく働く神経)を調節する中枢が悪影響を受け、体に必要なホルモンがうまく分泌されなくなることも。

思考や感情をコントロールするホルモンが不足すれば、イライラしたりうつになったりするなど、精神的なバランスを狂わせてしまいます。血管性の疾患を引き起こす危険も高まりますので、脳梗塞や心筋梗塞にもなりやすいのです。

汗をかかないのは、まさに万病のもと。だからといって、単純に汗をかけばいいというわけではありません。

同じ汗でも、「いい汗」と「悪い汗」があるからです。

いい汗とは、サラッとした水に近いもの。汗の粒自体が細かいため、肌の上ですぐに蒸発してしまうのが特徴です。一方、塩分が強かったり、嫌なにおいのするものは悪い汗。不純物を多く含むので、ベタベタして不快感があります。

蒸発しにくい大粒の汗も×。体温が下がらなければ、いつまでも汗が止まらず、体内の水分を不足させたり、疲労を伴うのです。

そもそも汗は血液中の「血漿」から作り出されますが、血漿そのものを分泌してしまっては、心身の維持に必要なミネラルなどの成分が失われすぎてしまう。それに体温を下げるには、水分だけ蒸発するほうが都合がいいのです。

こうした理由から、血漿に含まれる成分のほとんどは血管に再吸収させ、なるべく純粋な水分だけを汗として出すことがたいせつなのです。

ところが、汗をかく機会がへると、「エクリン腺」(汗腺の一つで発汗によって体の熱を放出する)という汗腺の働きが悪くなり、再吸収の作業がスムーズに行われなくなる。すると、血漿の成分もいっしょに対外へ出てしまいます。

寒暖の差を緩やかにすること

私たちの全身には、多い人でおよそ500万ものエクリン腺が張りめぐらされています。これは体のなかでも未発達な器官。使わなくなるとすぐに退化してしまうのです。

先ほど、冷え性の人は汗をかきにくいといいましたが、その反面、一定の温度を超えるとドッと大汗をかくことも。急激な汗には血漿の成分を再吸収させる時間もないため、やはり悪い汗になってしまいます。

いい汗はゆっくり出すもの。冷え性の人に限らず、寒暖の差はなるべく緩やかにしなければなりません。

特に真夏は冷房の効いた寒い部屋からいきなり暑い屋外へ出たりせず、5分ほど中間温度で体を慣らしてから移動するといいでしょう。

また、この時期には汗をかきすぎるという相談も多いのですが、どうしても困ったときには、一時的に発汗を止めるのも有効な手段です。左右の胸から5cmほど上のあたりをそれぞれ親指で強めに指圧すれば、上半身の汗が一時的にストップ。逆に下半身の汗を止めたい場合は、ベルトの位置を少しさげてキュッと締めます。

多汗症の人は、「汗をかたらどうしよう」という緊張や不安を抱えていることが多く、そのことがさらに発汗を促します。それにはまず、精神的な不安を取り除くことが重要。一時的でも汗を抑えることができれば安心感や自身につながり、徐々に汗の量も普通になっていくのです。

リラックス効果のあるものとしては、指先でトントンとたたく「タッピング」などもお勧めです。

汗の出やすい頭皮やわきの下、首周りにタッピングするのも、緊張をやわらげて汗を抑える作用が期待できます。

それでも気になる場合は、ミョウバンや重曹を使った手作りの消臭制汗剤を使うのも手。どちらも食品に使われているものですから安心して体につけられるうえ、スーパーなどで簡単に購入できます。

作り方は、ミョウバンや重曹を好みの濃度で水に溶かすだけ。布にしみ込ませて肌を拭きたい場合は、やや濃いめに。薄めに溶かして洋服にスプレーすれば、消臭効果を持続させることもできます。

アンモニア系の強いにおいがする人はミョウバン水、加齢臭や皮脂のにおいが気になる場合は重曹水を使うのがいいでしょう。

暑いからといって、いたずらに汗を抑えようとするのは逆効果。冷房ばかりに頼らず、ちょっとした工夫で不快指数をへらしながら、上手に夏を乗り越えてください。

 

ゆほびか 2009年9月号より

 


多汗症についての相談(回答内容別)
多汗症についての相談(質問内容別)

汗はメタボのバロメーター

暑さも本番、汗の季節を迎えました。とはいえ、自宅も電車もオフィスもエアコンで、特に運動習慣もなし……これではほとんど汗をかくことがありません。汗をかくことが少ないと、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)にもかかわってくるとか。しっかりと健康的な汗をかけるように、汗(汗腺)のトレーニングを始めましょう。


汗をかかない生活は、メタボの危険

さまざまな機能が集中する脳は、温度が37度弱で最もよく働きます。これに合わせてヒトの体温は通常37度弱に保たれ、超える場合は汗で冷やすしくみになっています。ところがエアコン漬けになっていたり、運動不足などで、汗をかくことが少ないと、汗をかく機能が衰えて(退化して)しまいます。
すると体は、汗を必要としないように、体温を上げない。すなわち熱を発生させない体質に変わっていきます。そうなると、脂肪の燃焼には熱が必要なのですが、これも抑えてしまうため、肥満やメタボリックシンドロームの危険性が高まります。


体自身が作る熱での発汗は「いい汗」

では、健康的な汗をかくにはどうしたらよいのでしょう。まず、ウォーキングなど外気に触れながらの軽い有酸素運動を行いましょう。体自身が作る熱によって発汗する習慣が身に付きます。老廃物などが少ないサラサラした「健康的な汗」です。
このほか、汗腺を刺激して自然な発汗を促すのによ、下記のような「汗腺トレーニング」を取り入れてみましょう。


汗腺トレーニングで「いい汗」かこう

1.お風呂は半身浴
・お湯の量はみぞおちがかくれる程度。
・お湯の温度は38度くらいのぬるめ。
・首までつかってしまうと、入浴中に汗をかけない。

2.湯上がりにはうちわ
・入浴後にクーラーで急に体を冷やすと、汗腺が働かず、床に就いてから(就寝中に)汗をかきやすくなる。
・うちわであおぐ程度にして、自然な発汗で体が冷めるのを待つ。

3.根菜類、大豆製品をしっかりとる
・大根、にんじん、ごぼうなどの根菜類や大豆製品の多くは体を温める。
・すったしょうがをガーゼでこした汁を、お湯や紅茶に入れて飲む。

冷房の効きすぎは自然な発汗を妨げます。冷房の温度に気をつけ、室温と外気温の差は5度(猛暑でも7度)以内に抑えましょう。


ふき出す汗はぬれタオルでふいて

肌がしっとりぬれる程度の汗には、塩分がほとんど含まれていないために、汗ふきは乾いたハンカチやタオルで十分です。しかし、ふき出すような汗には塩分が多く、肌に付いた塩分が水分の蒸発を妨げることになるため、ぬれタオル(おしぼり)でふき取りましょう。


健康のひろば 2008年6月21日号より

 


多汗症についての相談(回答内容別)
多汗症についての相談(質問内容別)

自然塩入浴で「寝たふり汗腺」を呼び起こそう

人間の知的活動は汗の賜物である

最近汗をかかない人が増えているといいます。あるいは臭くなる、ベタベタするといって汗をかきたくないという人も多いそうです。この状況は専門家から見れば、「文明の危機」と言っても過言ではありません。
汗ごときで文明の危機とは大きく出たものだと思われるかもしれませんが、この文明社会をつくり出したのは人間の脳、その脳の働きと汗とは非常に密接な関係にあるのです。
人間は恒温動物であり、ある一定の範囲内で体温を調節して生きています。なぜ体温をある程度一定に保たなければならないかというと、脳細胞が温度変化に弱いからです。
運動前に準備体操をしてウォーミングアップするように、筋肉にしろ、臓器にしろ、私たち人間の体は温めたほうがよく機能します。しかし、脳だけは例外です。誰しも経験があると思いますが、平均体温が37度の人が38〜39度に上昇した時、会社に行くことはできても頭はボーっとして、じっくりものを考える、細かい計算をやる、難しい資料を読みこむなどといった頭を使う仕事は困難になります。これは体温の上昇と同時に脳の温度も上昇しているからです。
この事例からわかるように、脳の温度が1℃でも2℃でも変化すると人間は思索する、哲学する、文明を発達させるような発明・開発に取り組むなどといった知的活動が行えなくなります。そこで人間の体温、というよりも脳の温度を一定に保つために重要な働きをしているのが汗なのです。
ここで体内における熱と汗の関係を簡単に説明しましょう。
人間は生きていくためにエネルギーが必要であり、このエネルギーを生みだす働きを「代謝」といいます。車のエンジンが回り出すと熱くなるのと同じ原理で、代謝をすると体内に熱を生じます。するともっと代謝が活発になります。つまり、代謝する→熱が出て体温が上昇する→もっと熱が出て、さらに体温が上昇する・・・というように、放っておくと人間の体温はらせん状に上昇していくことになります。
しかし実際に体温が上昇し続けることはありません。それは次の3つの方法で熱を外へ放出しているからです。
1つは放射といって、体温より外の温度が低い時、熱は自然と体外へ出て行きます。2つ目は伝導といって、豚や象、カバの水浴びなどがそれに相当します。例えば豚が泥水の中でゴロゴロしているのは、ただ泥んこ遊びをしているのではなく、冷たい水に触れることで体内の熱を放出しているのです。要は打ち水の原理です。しかし人間は体温が上昇したからといって、いちいち水浴びをしていられるほど暇ではありません。もっと効率的に熱を放出しなければなりません。それが発汗なのです。


良い汗・悪い汗

私たちはエクリン腺という汗腺から汗を出していますが、人体の発達段階からみると非常に未熟な器官です。重要な役割を担っていながら怠け者で、実際に「汗を流して」働いているのは半分程度。子どもの頃から空調の整った環境で育った現代人は汗腺を使う機会が減っているため、エクリン腺がどんどん退化しています。
しかし、汗もただたくさんかけばいいというものではありません。汗にも良い汗と悪い汗があるのです。次の項目でみなさんが普段かいている汗が、良い汗なのか悪い汗なのかチェックしてみてください。

○平均体温が低い
○汗はめったにかかないが、かくときは玉のような大粒の汗がとめどなく流れる
○汗をかいた後はベタベタして臭う
○慢性疲労である
○冷え症である

これらに該当した方は、おそらく悪い汗をかいているのではないかと思われます。
そのメカニズムを簡単に説明しますと、人間には適応能力があり、うまく汗をかけないとなるべく熱を出さないよう、低代謝で低体温の体質へ変わっていきます。発汗による体温調節ができませんから、外気温が上がれば一緒に体温も上がり、下がれば下がる。つまりカエルやトカゲなどの変温動物と何ら変わらなくなるのです。
機能している汗腺が少ないと、いざ体温が上昇した時、限られた働き者の汗腺から一気に汗を出さなければなりません。本来、脳の温度を下げるためにかく汗はさらさらしていて水に近いのですが、どっと噴き出した汗には体内のいろいろな成分が含まれ、ベタベタや汗の臭いの元となります。また、人間の元気の源であるミネラルまでもが流失してしまうため、慢性疲労に陥りやすくなってしまいます。
ベタベタする、汗臭くなる、するとますます汗をかきたくなくなる。ますます代謝をしなくなる。その結果血行不良になり、冷え症になって、さらには体内の血液が濃くなり血栓ができやすくなります。当然、脳梗塞や心筋梗塞への危険性が高まっていきます。
また、脳の視床下部には体温を調節する中枢がありますが、その温度が上がったり下がったりして乱れると、隣接する自律神経の中枢やホルモンの中枢も乱れます。最近、自律神経の失調やホルモン系のいろいろな失調を訴える人が増えているのも、汗をうまくかけないからだと指摘する専門家も少なくありません。
汗が私たちの体にとって非常に重要な存在であることを認識していただけたと思います。冒頭で、「汗をかかなくなったことは文明の危機」と申し上げたのも納得いただけるでしょう。


自然塩入浴で汗腺トレーニング

日本には四季があり、かっての日本人は夏には夏の、冬には冬の皮膚感覚で、五感を働かせて汗をかいていました。空調機能が整った現代でも、外気温との差を5℃に設定したりするなど汗腺を眠らせない努力が必要です・・・、などと昔を懐かしんだり、現実味のないことをいっても始まりません。
この冷房列島日本では汗腺機能を高める積極的な方法を考えなくてはなりません。そこでお勧めするのが、「自然塩入浴」です。
自然塩をお風呂に入れるだけ、という至って簡単な入浴法ですが、その効果は絶大です。
何と言っても、塩には温熱効果があり体の芯まで温まります。お湯だけの場合、最初に皮膚表面が温まりますが、芯まで温まるには時間を要します。皮膚表面が温まって出る汗はどっと噴き出すベタベタ汗、芯から温まって出る汗は、粒状でうっすら皮膚に浮かぶ水のようなサラサラ汗です。
冷え症や冷房病などは体の芯が冷えているため、内臓部に一所懸命血液を集め、手足に血液を届けられないことが原因です。芯から温まれば自然と改善されるでしょう。
ただ汗をかくだけならば精製塩を使った入浴でもいいのですが、先ほどお話しした通り、汗と一緒に体内に必要なミネラルも流失してしまいます。それを補うために、ぜひ海水のミネラルが入った「自然塩」を使っていただきたいのです。
また、自然塩入浴には体内の毒素を排出する働きもあります。
毒素にも体内でできるものと、体外から入ってくるものの二通りあって、体内でできた毒素、つまり老廃物は腎臓でほとんど分別され、尿と一緒に排出されます。
しかし、現代社会では環境汚染によって水銀や鉛、カドミウムなど、体外から入ってくる有害金属があります。これらの物質は腎臓がその働きを完成させた500万年前には存在しなかったため、尿として排出することはできません。
一方、前述の通り汗腺は、未熟な器官であるため、あれこれと分別することもなく、体内に入り込んできた有害金属を汗と一緒に排出するのです。かって水俣病が問題になった時、水銀中毒の患者に発汗を促して水銀を体外に排出させたことをご記憶の方もいらっしゃるでしょう。
また、自然塩入浴では皮脂腺の毛穴を広げてくれる作用があります。有害金属は脂肪とくっつきやすいため、毛穴が広がって皮脂が出やすくなる分、有害金属も一緒に排出されるのです。自然塩入浴で眠った汗腺を呼び起こし、トレーニングさせることによって、日常的にいい汗をかけるようになるでしょう。

自然塩入浴を効果的に行うために

さてここで、「自然塩入浴」を行う際の留意点やポイントをいくつかお話ししておきます。

(1)自然塩を使う
前述の通り、流失するミネラルを補うためにも自然塩を使いましょう。精製塩を使用する場合は、「にがり」を入れて、ミネラルを補完してください。

(2)自然塩の量は約30〜50g
浴槽の大きさやお湯の量によっても異なりますが、家庭の標準的な浴槽の場合、30〜50gが適当。

(3)お湯の温度は38〜39℃程度
自然塩によって温熱効果が高まるので、38〜39℃くらい。ぬるくても十分体は温まり、汗が出てきます。

(4)入浴時間は約15〜20分
慣れないうちは長く入っていると皮膚がふやけて、汗腺の出口をふさいでしまうので、15〜20分が目安です。うまく汗腺が働くようになるとそういうことはなくなるので、徐々に長くしていけばいいでしょう。

(5)お風呂あがり、要注意!
「ああ、暑い、暑い」と言って、すぐビールを飲んで冷房のきいた部屋で過ごしていませんか?実はこれが一番よくないのです。お風呂あがりはまだ体温は上昇したままで、タオルで拭いてもまだ汗は出てきます。しかし、そこで服を着たり、冷房を浴びると皮膚のセンサーが「汗を止めろ!」という指令を出し、止めてしまいます。体は熱を持ったままなので、睡眠に入ってからどんどん汗が出てきます。それが寝汗となって、明け方寝冷えするのです。出る汗は出しきってから服は着たほうがいいのです。

(6)水分補給はたっぷりと
自然塩入浴はたくさん汗をかくので、その前後はしっかりと水分を取ってください。酢に含まれるクエン酸は代謝を促進させるので、リンゴ酢や黒酢など摂取するとより効果が上がるでしょう。
繰り返しますが、汗は人間が生きていくのに欠かせない存在です。いきいきと知的生活を送っていくためにも、汗をかかない低代謝、低体温のサイクルを断ち切っていかなければなりません。空調が完成されたこの現代社会で、いい汗をたくさんかくことが心身ともに健康に生きる秘訣です。



致知 2005年9月号より

 


多汗症についての相談(回答内容別)
多汗症についての相談(質問内容別)

よい汗をかく生活法

Q.よい汗をかくためには「汗をかき慣れること」が必要だそうですが、どうすればよいのでしょう?
日常生活に気軽に取り入れられるヒントを教えてください。

A.季節ごとに変わる温度や湿度を肌で感じることが第一。夏はとくにエアコン漬けに注意しましょう。

 

現代人の汗が臭いのは、濃度の濃い汗をかいているからだと前号でお話ししました。悪い汗をかく理由は、汗をかいても汗腺を使用しないから。エアコン依存や運動不足によって汗をかかなくなったことから、現代人の汗腺機能は低下し、ネバネバした濃度の濃い汗をかくのです。

におわないよい汗をかくためには、何はさておき、汗をかく訓練を日常的にすることです。そのためには、季節ごとに変わる温度や湿度を肌で感じられるようにすることが第一。エアコンに頼りがちな昨今ですが、外気との差は5度以内にするなどルールを決めれば、その時々の温度や湿度に応じた量の汗をかくことができます。とくに、夏は暑気と寒気を短時間で交互に受けることが多いため汗腺疲労がおき、夏バテの原因となります。エアコンの効いた部屋と暑い戸外を行き来するときは、すぐに暑気や寒気にあたらず、5分ほど玄関先や階段の踊り場などにとどまり汗腺を慣らしてください。

正常に機能するためには、汗腺も慣らし運転が必要なのです。

さらに、有酸素運動などで積極的に体を動かし、内側から沸いてくるエネルギーであせをかきます。体の中を温めて汗腺機能の働きをよくしてかく汗は、においません。エアコン漬けになっている人は、シャワーだけでなく、入浴で体の芯を温めるとよいでしょう。ただし、湯船に浸かっているときは汗が出ても蒸発しないので、体の中に熱がたまっています。風呂上がりはすぐエアコンにあたらず、うちわなどであおいで汗を十分蒸発させ、熱を逃がしてから服を着ましょう。

より積極的な「汗腺トレーニング」は、入浴前に腕と足だけを42〜43℃くらいの熱めの湯に5分ほど浸してから微温浴をする方法です。腕と足の汗腺は老化しやすいので、腕と足の汗腺機能が高まると体全体でまんべんなく汗をかけるようになります。2週間くらい続けると、におわないよい汗がかけるだけでなく、体温調節機能が高まり、熱中症の予防にもなります。



へるすあっぷ21 2009年8月号


多汗症についての相談(回答内容別)
多汗症についての相談(質問内容別)

汗のにおいで病気がわかる?

質問
汗のにおいで病気がわかると聞きましたが、どういうことでしょうか?


答え
私は20年以上にわたり、汗やにおいの専門家として多くの患者さんを診てきましたが、その治療経験により、いい汗と悪い汗のあることがはっきりとわかってきました。

そもそも、汗は皮膚にある汗腺から分泌される水分と少量の塩分でできています。そのため、汗は基本的にサラサラしていて、においもありません。体が健康的ならば、通常はこのサラサラでにおいのない、いい汗が流れます。

しかし、汗の成分が変わり、においのすることがあります。これは、体に何かしらの悪影響が出ているためであり、悪い汗といえます。

では、どんなにおいの汗があるかをみていきましょう。

●アンモニア臭の汗
悪い汗の中で、最も多いものです。基本的に、冷暖房の使用などによる体温調節機能の衰えや過剰なストレスにより、汗を出す汗腺の働きが悪くなって起こります。というのも、汗腺の働きが悪くなると、本来は体内で吸収されるはずのミネラル(無機栄養素)が、汗といっしょに排出され、それが皮膚に住む細菌と結合して、アンモニア臭になるのです。

このため、汗腺の働きを悪くさせる多汗症や更年期障害といった病気でも、アンモニア臭の汗が出ます。

そして、意外なところでは腎不全や肝硬変といった病気でも、アンモニア臭の汗がでます。なぜなら、老廃物の処理を行う肝臓や腎臓に異常が起こると、本来は尿として排出される老廃物が血流に乗ってしまい、汗と一緒に出るからです。

●甘酸っぱいにおいの汗
糖を分解・消費するインスリンというホルモンの分泌が衰えると、糖の燃焼が進まないので、代わりに脂肪が燃焼されます。その結果、ケトン体という甘酸っぱいにおいのする物質が大量に発生し、汗にまじって出てくることがあります。これは、糖尿病の現れといえるでしょう。


●肉が腐ったようなにおいの汗
たんぱく質や脂肪が十分に消化されないまま、腸内のウエルシュ菌などの悪玉菌によって内容物が腐敗すると、肉や卵が腐ったようなにおいの汗をかきます。胃潰瘍や十二指腸潰瘍、腸炎など、消化器病があると出やすくなります。

また気管支炎や肺炎などの呼吸器病でも、同じようなにおいの汗が出ます。

上にあげたようなにおいの汗に気づいたら、念のため病気で検査を受けるとよいでしょう。


わかさ 2009年7月号

参考になったという方はクリックを
人気ブログランキングへ


多汗症についての相談(回答内容別)
多汗症についての相談(質問内容別)

あなたは汗についてどの程度知っていますか?汗に関する10項目

知っているようで実は知らない汗のアレコレ
このQが終わる頃にはあなたも「汗博士」の仲間入り!?
これからは「快汗生活」を送りましょう!


Q1 汗には2種類あり、それぞれ発生する場所が違う

1.はい 2.いいえ


Q2 汗が出るのをコントロールしているのはどこ?

1.脳 2.内臓 3.皮膚


Q3 汗をかかないと新陳代謝が低下する

1.はい 2.いいえ


Q4 よい汗とはどんな汗のことを言うか?

1.しょっぱい汗 2.サラサラした汗 3.粒が大きい汗


Q5 岩盤浴で汗をかくと免疫力がアップする

1.はい 2.いいえ


Q6 汗の成分は何と同じ?

1.尿 2.血液 3.唾液


Q7 臭う汗になる原因は?

1.脂肪の多い食事 2.ストレス 3.運動不足

Q8 加齢臭のもとになる物質は汗腺から分泌される

1.はい 2.いいえ


Q9 よい汗をかくと肌が美しくなる

1.はい 2.いいえ


Q10 汗に水分以外の成分は含まれていない

1.はい 2.いいえ

 


質問ごとに正解を紹介し、詳しく説明しています。

Q1の正解は 1.はい

汗は汗腺から分泌されます。汗腺にはエクリン腺とアポクリン腺があります。エクリン腺は体温を調節するために、ほとんど水分に近い汗を出し、全身の至る所に存在します。一方アポクリン腺はそのほとんどがワキの下に存在し、臭い、いわゆるワキガの原因となります。嫌われがちですが、本来はフェロモンのように異性を惹きつける役目がありました。


Q2の正解は 1〜3.すべて

ヒトは急激な外気温の変化を、まず皮膚で感じます。その後、温熱刺激がからだの芯に到達すると内臓や脳にある温度の受容器が体温の上昇をキャッチします。これらが互いに連携し合って発汗を調節しています。炎天下を歩いて冷房が効いた部屋に戻ったときには、脳や内臓は「まだ暑い」、皮膚は「涼しい」と相反する信号を出します。このときは皮膚からの信号が優先されるので汗は止まりますが、体内ではまだほてった状態が続いているのです。


Q3の正解は 1.はい

汗をかけないと体内の熱が行き場を失ってしまいます。すると、からだは自衛手段として熱が出ないよう対応します。人間の体内でもっとも熱が発生するのは、エネルギーがつくられるとき、つまり代謝の過程です。体内で熱をなるべくつくらないようにするためには、代謝が抑制されます。この結果、熱とエネルギーが十分につくられなくなり、体温が低くなり、新陳代謝が低下するのです。


Q4の正解は 2.サラサラした汗

「よい汗」とはかぎりなく水に近く、サラサラしていて粒が細かい汗のことです。こうした汗だと体温調節が効率よく行え、からだに必要な成分は極力含まれていません。逆に「悪い汗」は濃度が濃いうえに粒が大きく、ネバネバしてしょっぱかったりすっぱかったりします。こうした汗にはからだに必要なミネラル分が含まれ、大量にかくと夏バテなどの原因になります。


Q5の正解は 1.はい

免疫のなかで中心的な役割を担っているのが「NK細胞」です。NK細胞とは白血球の一種で、がん細胞やウイルスなどに感染した細胞を攻撃します。カプセル式岩盤浴で発汗した前後と10日後の免疫機能を8人の治験者で測定したところ、岩盤浴後に免疫機能の指標となる「NK細胞の活性」が高まっていました。


Q6の正解は 2.血液

ここで言う汗はエクリン腺から出る汗を指します。体温調節のために出る汗は、血液の血漿成分を薄めたものと同じです。99%以上は水分で、わずかな塩分と微量のミネラル(カリウム・マグネシウム・亜鉛・鉄など)、老廃物などが含まれています。体温調節のために水分が必要だったうえに、エクリン腺は全身にあるため、水分の安定した供給源として、全身にくまなく流れる血液が選ばれたのでしょう。


Q7の正解は 1〜3.すべて

汗は血液から水分を取り込むので、血液の成分によって汗の質も異なります。肉など脂肪の多い食事を多くとっていたり、ストレスが多い、運動不足といった環境だと悪い汗になりがちです。悪い汗をかくと、皮膚がアルカリ性となり常在菌が繁殖して臭いがきつくなります。逆にいい汗は皮膚を酸性に保つので、常在菌の繁殖があまりありません。


Q8の正解は 2.いいえ

オヤジ臭とも呼ばれる加齢臭の原因は、ノネナールという物質です。ノネナールは皮脂腺から分泌されています。このノネナールに口臭、汗やワキの臭い、タバコや食生活日常生活の環境による臭いがないまぜになったものが、加齢臭と考えられています。生活習慣病にかかっている人は加齢臭が強くなると考えられているので、暴飲暴食、睡眠不足、喫煙、過度のストレスなど生活習慣病の要因を避けるようにするとよいでしょう。


Q9の正解は 1.はい

汗は天然の保湿剤であり乳液でもあります。よい汗には適度な皮脂が分泌されているので、皮膚を保湿し、肌がしっとりしてくるのです。市販の化粧品と違って合成の界面活性剤が含まれない汗は、安全で天然の美容液と言えます。サウナや岩盤浴で汗をかいたときには、すぐに洗い流さず、皮膚になじませるようにして、自然に乾燥させるのが理想的です。


Q10の正解は 2.いいえ

汗は血液血漿成分と同じですが、すべての成分が排出されてしまうと、汗をかくたびに、からだに必要なミネラルが失われてしまいます。そのために、汗腺はくみ取った血漿の成分を、一度血管に戻し、残りの水分を汗として出しています。よい汗にはミネラル成分はほとんど含まれていないのですが、濃度の濃い悪い汗はこの濾過機能がうまく働かず、多くのミネラルを含んでしまっているのです。

 


MOANALIFE 2008年5月


参考になったという方はクリックを
人気ブログランキングへ


多汗症についての相談(回答内容別)
多汗症についての相談(質問内容別)

汗をかかないと、低代謝に。もっともっと、よい汗をかきましょう

よい汗をかくと



1.代謝がよくなります。

2.低体温が解消されます。

3.ダイエットにつながります。

4.心身ともに元気になります。


汗をかくと代謝がよくなる。なのに、私たちは汗をかけない体になってきています。

最近、汗をかいていますか? 実は、クーラーの普及などによって、ここ20年間で、私たちはどんどん汗をかけないからだになってきています。また、40〜50代ぐらいから、汗腺はどんどん衰えていきます。

汗とは、体内の温度調節のためにかくものです。というのも、脳とからだはそれぞれ適温があります。たとえば熱が38度出たら、頭がボーッとしますね。ところが内臓器官はそれぐらいの温度のほうが活性化し、免疫力もあがります。だから、低体温はからだによくないのです。脳とからだの両方のために、汗をかいて熱を発散する方法を人類はとっているのですね。

熱は、栄養素がエネルギーに変わるときに発生します。汗をかいて熱を発散させると、代謝が活発になり、栄養素がどんどんエネルギーに変わります。代謝がよくなれば体温も上がる。栄養素がなくなると、体内に蓄積された脂肪酸をエネルギーに変えるため、ダイエットにもつながる。汗をかけば、いいことずくめなのです。


よい汗とはからだの中からじんわりかく汗。それには訓練が必要です。

汗にもよい汗と悪い汗があります。よい汗とは、からだの中から温まってかく汗。サラサラで蒸発力が高く、からだを冷やしません。逆に悪い汗はからだを冷やしがちです。

よい汗をかくための汗腺トレーニングとしては、からだの中から温めるのがいちばん。とくに半身浴はおすすめです。全身浴だと皮膚温がすぐ上がって悪い汗を大量にかくうえ、全身がお湯につかっていて汗が蒸発しません。ウォーキングなどの有酸素運動も、外気にあたることで汗が蒸発しやすいのでいいですね。生姜などのからだを温める食材を積極的にとるのも効果的です。

汗腺は衰えるのが早いかわりに、訓練次第ですぐに変化が現れます。昔は、季節に応じて汗をかいたり抑えたりしていました。夏の初めはベタベタした汗でも、かき続けることで汗腺が訓練され、夏の終わりにはサラサラの汗をかけるようになっていたものです。しかし、汗腺が衰えている現代人の私たちは、意識してもっともっと汗をかくことが必要なのです。


よい汗、悪い汗とは?

よい汗

・体の中から温まって出る。

・血漿に含まれる大事な成分を
 血液に戻してから出る。

・じんわり出るため
 濃度がうすく、サラサラ。

・蒸発力が高いため、
 からだを冷やさない。

悪い汗

・皮膚温が急激に上昇して出る。

・血漿に含まれるミネラルなどの
 大事な成分まで出てしまう。

・急激に出るため
 濃度が濃く、ベタベタ。

・蒸発力が悪く、
 からだを冷やしがち。

 

よい汗をかくには?


1.からだの中から温める。
   ●半身浴 ●手足高温浴

2.有酸素運動をする。

3.発汗を促す食材をとる。
 生姜のほかに、大豆やブロッコリーなどもからだを温めます。

高温手足浴


 43〜44度の熱めのお湯にひじから先とひざから下をつける
手足高温浴も、衰えた汗腺を刺激するのに効果的です。


別冊附録 ふくふく 2008年10月号 ふくふくの温熱生活




この情報が参考になったという方はクリックを
人気ブログランキングへ


多汗症についての相談(回答内容別)
多汗症についての相談(質問内容別)

記事検索
リンク

加齢臭、その原因と対策
活性酸素の生成を抑える抗酸化食品を摂る等の加齢臭防止の方法をご紹介しています。

体のニオイの悩みに応える体臭ブログ
においをケアして、悩みを解消、もっときれいになろう。

わきがで悩んでいる方のためのブログ
ワキガの原因から、ワキガの悩みを解消するための様々な方法を取り上げています。

健康食品関連リンク

各種ビタミンの健康への効果を紹介した書籍
トマトのリコピンやトコトリエノールなどのビタミン関連の健康食品を紹介したサイトです。ハート出版の健康書籍ふるさと文庫から。

健康によいビタミンの本(ブログ)
アスタキサンチンやリコピンなど健康によい各種のビタミン類を紹介したブログです。

ソムリエのいるイタリアン酒場、何駄感駄
池袋での結婚式の2次会や忘年会など各種宴会、パーティーで人気のお店、何駄感駄(なんだかんだ)公式サイトです。

訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

since 2009.04.07

プロフィール

医学博士・五味常明
1949年、長野県生まれ。一ツ橋大学商学部、昭和大学医学部卒業。 昭和大学形成外科等で形成外科学、および多摩病院精神科等で精神医学を専攻。 患者の心のケアを基本にしながら外科的手法を組み合わせる「心療外科」を新しい医学分野として提唱。ワキガ・体臭・多汗治療の現場で実践。 わきがの治療法として、患者が手術結果を確認できる「直視下剥離法(五味法)」を確立。 TVや雑誌でも活躍中。 99年からは、ケアマネージャー(介護支援専門員)として、デイケア事業や、高齢者介護の現場でのニオイのケアにも取り組む。

五味クリニック院長
流通経済大学 客員教授
日本心療外科研究会代表
体臭・多汗研究所所長

QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ