多汗症や汗のニオイに悩む方のためのブログ(五味クリニック)

わきが多汗症治療に長年携わってきた五味クリニック院長が、汗に悩む方の心のケアを重視した、様々な対策や治療法をご紹介します。

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新着情報
  • Q 汗が出すぎてしまうので、多汗症ではと心配に。受診したほうがいい量の目安は?
  • 脇汗の手術
  • 薬を使ってニオイや多汗の不安を除く治療
  • 多汗で心理的療法が必要な場合
  • 精神性発汗の手術治療法

多汗症治療

Q 汗が出すぎてしまうので、多汗症ではと心配に。受診したほうがいい量の目安は?

■A 「生活に支障が出ているな」と感じたら医師に相談を

「汗の量を人と比べるのは難しく、〇mlという基準があるわけではありません。自分自身で生活に支障をきたすと感じるかどうかを、ひとつの目安にしましょう。副腎に異常があると多汗になるケースもあるので、一度専門の病院で診てもらうといいでしょう」(五味さん)

多汗症、トイレの回数・・・汗にまつわる疑問Q&A!
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20170810-00010001-shueishaz-life



多汗症についての相談(回答内容別)
多汗症についての相談(質問内容別)

脇汗の手術

脇汗の手術は、汗の原因となるアポクリン腺とエクリン腺を摘出することで減汗を期待するものです。物理的に汗の元を取り除くわけですから、ほかの治療法に比べて効果が非常に高く、永続的です。しかし、手術後の生活への影響や傷が残ることがあるなどのデメリットを考慮すると、手術の適応を正しく選択することが大切です。

そのため、精神性発汗型多汗の場合は手術ではなく、ボトックスや市販の制汗剤を上手に使用するのがよいでしょう。なぜなら、精神性発汗の原因のエクリン腺は手術ではすべてを摘出できず、一部残存するからです。精神的緊張の強い人では、残存したエクリン腺から多くの汗が出ることもあり、手術の結果に満足できない人もいます。

一方、ワキガ型多汗の場合は、原因となるアポクリン腺が手術で100%摘出できるため、非常に効果が高く、約70〜90%の減汗効果が永続的に期待できます。ただし、ワキガ型でもにおいより汗が主に気になる人、においの程度が軽度の人は、まずボトックスを選択するほうがよいと思われます。手術療法を選択しても、両脇を一度に行うのではなく、左右別々に行い、減汗効果を比較して、納得の上でもう片方を行う方法がよいでしょう。



五味常明・読売新聞大手小町編集部 著
『汗っかきを治す72のワザ+α』(保健同人社)より


汗っかきを治す72のワザ+α




多汗症についての相談(回答内容別)
多汗症についての相談(質問内容別)

薬を使ってニオイや多汗の不安を除く治療

強い不安感から強迫観念にとらわれるようになると、精神安定剤や自律中枢調整剤などのほか、漢方薬を使った治療も行うこともあります。


●薬物療法

精神性発汗が恒常化して悪循環に陥ったような場合、実際に汗をかく前から、「人と会ったら汗をかくのでは?」というぐあいに汗をかくことを予想し、それへの不安(予期不感)を抱くようになります。強度の自己臭恐怖と同じような不安に陥るわけです。

薬物療法は、このような強迫観念から逃れるために、薬剤によって心の不安を取り除く方法です。

投与に用いられるのは主に、精神安定剤(マイナートランキライザーなど)、自律中枢調整剤(ベレルガルなど)、中枢性睡眠剤(バルビタールなど)ですが、眠気・ふらつきなどの副作用や常飲にともなう問題もあり、穏やかな効き目の漢方薬を用いることもあります。

それ以外にも、発汗の生体的機構に直接働きかける薬剤(抗コリン剤など)の投与も有効です。

これらの薬剤使用によって予期不安が減り、汗の量が減少してくると、安心感と自信が生まれ、薬剤を使用しなくても不安がなくなり、緊張と発汗の悪循環を断ちきることができるようになります。

このように、薬物療法がある程度の効果を上げた後は、お守り代わりに薬剤を持っているだけでも「いざとなったらこれを飲めばだいじょうぶ」という安心感が得られるという場合も少なくないようです。

私の治療経験から見ると、発汗恐怖や多汗恐怖の患者さんのほとんどは、軽症の心身症とほぼ同等なので、ここにあげたような精神療法で充分対応できるという印象を持っています。

しかし、自己臭妄想の場合、なかには、重症の神経症や統合失調症に近い患者さんも含まれます。こうなると、自己臭妄想だけにとどまらず、幻聴などの知覚障害をともなったり、被害妄想や誇大妄想を訴えることもあります。

このような重症の自己臭妄想(自己臭恐怖症)に対しては、精神療法のみの対応では不十分な場合が多いため、治療としては、向精神薬の投与が最初に行われることになります。また、ときには精神科の病院に入院した上での治療が必要となるケースも考えられます。



五味常明著『気になる口臭・体臭・加齢臭』(旬報社)より


気になる口臭・体臭・加齢臭


多汗症についての相談(回答内容別)
多汗症についての相談(質問内容別)

多汗で心理的療法が必要な場合

緊張や興奮、不安、ストレスにともなう発汗やニオイは誰にでも起こるものであり、恥ずかしいことでも病気でもありません。しかし、「人前で汗をかいてしまったらどうしよう」「汗をかいていることが人にしれたらどうしよう」などの不安にたえず悩まされ、生活や対人関係に支障をきたすほどになると、体臭恐怖などの対人恐怖症と同様、神経症の治療を受けることをおすすめします。


●精神分析療法

この療法の特徴は、汗やニオイという自覚的な症状よりも、本人が自覚していない無意識の衝動に注目する点です。現在の症状を、幼児期の体験や対人関係などの生活史と関連させながら、連続性をもって考えていきます。

第2の特徴は、症状そのものが持つ、隠された意味を重視する点です。たとえば、親への反抗心が発汗というかたちで表現されていたと判明したケースもあります。

治療には、「自由連想法」という方法がよく行われます。患者さんがリラックスした状態で治療者(医師、カウンセラーなど)と面談し、頭に思い浮かんだことを自由に話してもらいます。治療者はそのときの態度や仕草、話の内容、感情などから分析して、患者さんに伝えます。患者さんはそれに基づいて幼児期の体験やコンプレックスを洞察し、過去のさまざまな記憶を思い出して、現在の感情との関係について理解を深めていくのです。

この方法は、患者さんの心に潜む無意識を、治療者と一緒にさがしていき、今まで気づかなかった本音の衝動や願望を探り、それが現在の症状に結びついていると気づかせる治療法であるといえます。


●ロゴセラピー(逆説志向)

「『汗をかくまい』と意識するほど緊張して、余計に汗をかいてしまう。ならばいっそのこと、どのくらい汗をかけるか試してやろう」。

ロゴセラピーとは、このような逆説的な発想で緊張からの解放を目指す、いわば“開き直り療法”です。こんな簡単な方法で本当になおるのかと疑う人もいるでしょうが、意外にこれが有効で効果があがりやすく、実際、たった一回の面接で発汗が激減したケースもありました。

ただし、執着性の強いタイプの人では、開き直りの発想自体がかえって症状(汗、ニオイ)に意識を向けさせることになり、逆効果となる場合もあります。

このタイプの患者さんには、過剰な自意識を他者や社会へ向けさせ、意識をより高い次元に持っていくことが大切です。


●自律訓練法と系統的脱感作法

訓練によって自律神経のコントロール法を身につける治療法で、系統的脱感作法なども含みます。

系統的脱感作法というのは、たとえば、緊張すると手のひらによく汗をかくという人の場合、汗をかきそうになったとき、緊張とは逆のリラックスするような状態に自分をもっていくことで緊張を解くという方法です。多汗の引き金となる緊張状態に反するようなリラックス状態に身を置くようにするわけです。これは自律訓練法の練習で、弛緩反応がマスターできると可能になります。

自律訓練法も専門医やカウンセラーから練習法を学びマスターすれば、自分でコントロールできるようになります。


●呼吸法

誰もがより簡単にマスターできるようにした自律訓練の簡便法です。この呼吸法を正しくマスターするだけでも、ある程度発汗が減少することもあります。脳波をα波状態にし、身体をリラックスさせるのが、この呼吸法の目的です。

基本は次の4つです。

(1)呼気 お腹をしぼり、体内の古い空気をすべて出し切る。

(2)吸気 お腹の筋肉をゆるめ、自然に新鮮な空気を肺に満たす。

(3)保息 そのまま息を止める。

(4)呼気:吸気:保息 この3つの時間配分を2:1:4の割合にする。


●集団療法

多汗恐怖や体臭恐怖に悩む人同士が知り合い、同じ悩みや本音を打ち明け合って共感を得ることで、日ごろの役割に縛られない本音の自分を発見し、それに従って生きる練習をすることが、この療法の目的です。

具体的には、さまざまな演習やゲーム、ロールプレイなどを通じて、自分を無理なく主張できる自己主張訓練、自己表現訓練、他者を理解するための傾聴訓練、対人関係における自己理解を深めるための性格分析などを行います。



五味常明著『気になる口臭・体臭・加齢臭』(旬報社)より


気になる口臭・体臭・加齢臭


多汗症についての相談(回答内容別)
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精神性発汗の手術治療法

とても緊張したときなど、手のひらに汗をかいてしまうというようなことは多かれ少なかれ誰しも覚えのあることでしょう。しかし、なかには、ちょっとした緊張や少しの気温の変化などでもびっしょりと手のひらに汗をかき、止めようと思えば思うほど、どんどん汗が吹き出てきてしまう、という人もおり、このような症状を精神性発汗と呼んでいます。

精神性発汗は、基本的に心理的療法での治療が中心となりますが、次のような人には手術による治療法もあります。


(1)精神療法の効果がまったく感じられなかった人

(2)精神療法を行う時間的余裕がない人

(3)ある程度でもよいから、短期間で汗を減らしたい人

(4)ある程度でも減汗効果が得られれば、自信を回復して前向きに社会生活を送れるであろう人

(5)ワキガとの混合型の人


精神療法には多くの努力と時間を要する場合が多く、一部では期待したほどの効果が得られないなどの理由で、かえって失望して自信をなくしてしまうケースがあります。

しかし、「ある程度でもよい」という控え目な要求水準を持った人なら、半分程度の減汗でも大きな喜びを得られます。たとえ半分でも効果が得られたという実感が、患者さんの不安を軽減して安心感をもたらし、手術の効果以上に汗が減ることもあるのです。

精神性発汗の手術に適しているのは、直視下剥離法です。しかし、ワキガ手術とは違います。


●より厚く剥離 真皮層の剥離する部位を、ワキガよりも厚くします。皮膚をより薄く剥離することで、削除されるエクリン腺の量が増えるからです。

●より広く剥離 わきのエクリン腺は、毛が生えている部分だけでなく、その周辺にも多数あるので、ワキガの場合よりも広範囲の剥離を行います。


また精神性発汗とワキガ型の混合型と診断される人もいます。この場合、エクリン腺ともアポクリン腺ともいえるような汗腺の存在が認められます。

これは、両者が一体となった混合腺であるアポエクリン腺というものと推察されます。この場合は、手術による減汗効果が非常に高いので、汗腺を完全に摘出することが大切です。





五味常明著『気になる口臭・体臭・加齢臭』(旬報社)より


気になる口臭・体臭・加齢臭


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プロフィール

医学博士・五味常明
1949年、長野県生まれ。一ツ橋大学商学部、昭和大学医学部卒業。 昭和大学形成外科等で形成外科学、および多摩病院精神科等で精神医学を専攻。 患者の心のケアを基本にしながら外科的手法を組み合わせる「心療外科」を新しい医学分野として提唱。ワキガ・体臭・多汗治療の現場で実践。 わきがの治療法として、患者が手術結果を確認できる「直視下剥離法(五味法)」を確立。 TVや雑誌でも活躍中。 99年からは、ケアマネージャー(介護支援専門員)として、デイケア事業や、高齢者介護の現場でのニオイのケアにも取り組む。

五味クリニック院長
流通経済大学 客員教授
日本心療外科研究会代表
体臭・多汗研究所所長

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