多汗症や汗のニオイに悩む方のためのブログ(五味クリニック)

わきが多汗症治療に長年携わってきた五味クリニック院長が、汗に悩む方の心のケアを重視した、様々な対策や治療法をご紹介します。

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  •  熱中症を予防するよい方法はありますか?
  • 熱中症対策は、汗を止めない、拭きすぎない

熱中症対策

 熱中症を予防するよい方法はありますか?

Q 質問 熱中症を予防するよい方法はありますか?

毎年、夏の暑さに体がついていけません。熱中症も心配なので、よい予防方法があれば教えてください。

 

A  お答え 梅雨どきの汗腺トレーニングが有効

運動不足やエアコンで現代人は熱中症体質になっている!

 熱中症は、高温環境で生ずるさまざまな障害の総称です。熱中症は体をクールダウンさせる汗腺がうまく働かないことと関係があります。濃度の濃い「悪い汗」をかくと、血液の塩分が低下して疲労感やけいれんを、大量の汗が出すぎると脱水で脱力感やめまいをおこします。その結果、血圧が急に低下すると失神、逆に発汗量が低下して体温が著しく上昇すると脳にダメージを与え意識障害が生じ、ときには死に至ることもあります。
 近年、熱中症が増加しているのは、猛暑のためだけではありません。現代人が、運動不足や快適な空調生活に慣れ、常日頃から汗をかかなくなったからです。汗をかかない生活を続けると汗腺機能が衰えて、暑さに弱い「熱中症体質」になりやすいのです。

積極的に汗をかくことで暑さに適応

 熱中症は衰えた汗腺を鍛えて「良い汗」をかくことで予防可能です。それには、まず汗をかき慣れること。エアコンに過度に依存しない。ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動で適度な汗をかく。夏でも食事は体を温める食材も摂取する。夏の鍋料理などはおすすめです。汗は必要以上に拭きとらず、できるだけ蒸発させる。こまめな水分補給も大切です。冷たいものより温かい飲み物がよいでしょう。
 また、積極的に汗腺を鍛える「汗腺トレーニング」も有効です。入浴時に、発汗機能が衰えやすい足と腕をやや熱めのお湯(43℃〜44℃)に15分くらい浸します。ただ、皮膚の弱い人は熱傷に注意してください。これを梅雨どきに2〜3週間くらい行うと、汗腺が暑熱順化(暑さに適応すること。発汗機能が高まることで熱を発散し、体が暑さに慣れる。)して元気な能動汗腺が復活し、夏の暑さに負けない体をつくることができます。風呂上がりには、団扇などで汗を蒸発させ脳温を十分下げてから寝ると、睡眠に入りやすく夏バテ防止にもなります。


ヘルスアップ21 2011年6月号より


多汗症についての相談(回答内容別)
多汗症についての相談(質問内容別)

熱中症対策は、汗を止めない、拭きすぎない

婦人公論2011年8月22日号
「お風呂と眠りにひと工夫 全身の汗腺を開けば、汗はさらさらになる」5/5


女性の場合、汗が一番気になるのは外出時など人と会っているときかもしれません。大汗をかくのもイヤですが、汗の匂いも気になり、「汗が出るとすぐに拭いてしまう」という人が多いようです。しかし、実はこの「汗の拭きすぎ」はかえって逆効果なのです。


汗は拭けば拭くほど出てきます。なぜなら汗は蒸発させてはじめて、体温が下がるからです。ほどほどに肌表面に汗を残せば気化熱で体温が下がり、長い間ダラダラと汗をかくことはありません。汗を拭き取るより、額や首筋に扇子で風を送って気化をうながし、クールダウンさせるのが効果的。


本来、匂うのは皮脂であって、汗自体ではありません。ところが、汗をかき慣れていない人は汗腺に老廃物がたまっているので、臭い汗が出るのです。汗の匂いが気になるようなら、濡れタオルなどで肌表面に残った汗の匂い成分や塩分、匂いを強くする雑菌などを拭き取ってしまうといいでしょう。


夏の外出時は、水分補給の方法にも十分な注意が必要です。体は1日に3〜4リットルの水分を必要としているのですが、それを補うために一度に水をたくさん飲んでも吸収できません。ペットボトルなどを持ち歩いて、ちびちび飲むのが理想的です。のどが渇いていなくても、たとえば20分おきに少量口に含みましょう。


「のどが渇いた感じ」というのは脱水状態かどうかの判断基準にはなりません。いつもよりトイレに行く回数が少ないようなら、実はかなり危険な状態なのです。


飲み物はなんでもいいのですが、温度には注意が必要。口の中には体温調節のセンサーがあると考えてください。氷の入った冷たいドリンクなどが口に入ると、体が「体温が下がった」と勘違いして汗が出なくなってしまい、うまく体温が下げられなくなります。


ガラス風鈴づくりの職人さんは、灼熱の仕事場でも冷たい水は飲まないそうです。それが熱中症にならない秘訣の一つなのでしょう。


まずは汗腺を鍛えて良い汗をかく。眠るときは体のメカニズムを利用して上手に汗をかき熟睡する。汗腺を開いて、脳が上手に体温コントロールできるようになると、残暑の季節も涼しく過ごせ、気温が下がる秋も体調を崩すことなく迎えられるでしょう。


汗腺トレーニング3か条

1.「手足高温浴」で、手や足の眠っている汗腺を開こう
2.「半側発汗」で、寝ている間に良い汗を書こう
3.水分補給はこまめに、汗は止めない、拭きすぎない




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プロフィール

医学博士・五味常明
1949年、長野県生まれ。一ツ橋大学商学部、昭和大学医学部卒業。 昭和大学形成外科等で形成外科学、および多摩病院精神科等で精神医学を専攻。 患者の心のケアを基本にしながら外科的手法を組み合わせる「心療外科」を新しい医学分野として提唱。ワキガ・体臭・多汗治療の現場で実践。 わきがの治療法として、患者が手術結果を確認できる「直視下剥離法(五味法)」を確立。 TVや雑誌でも活躍中。 99年からは、ケアマネージャー(介護支援専門員)として、デイケア事業や、高齢者介護の現場でのニオイのケアにも取り組む。

五味クリニック院長
流通経済大学 客員教授
日本心療外科研究会代表
体臭・多汗研究所所長

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