質問
汗のにおいで病気がわかると聞きましたが、どういうことでしょうか?
答え
私は20年以上にわたり、汗やにおいの専門家として多くの患者さんを診てきましたが、その治療経験により、いい汗と悪い汗のあることがはっきりとわかってきました。
そもそも、汗は皮膚にある汗腺から分泌される水分と少量の塩分でできています。そのため、汗は基本的にサラサラしていて、においもありません。体が健康的ならば、通常はこのサラサラでにおいのない、いい汗が流れます。
しかし、汗の成分が変わり、においのすることがあります。これは、体に何かしらの悪影響が出ているためであり、悪い汗といえます。
では、どんなにおいの汗があるかをみていきましょう。
●アンモニア臭の汗
悪い汗の中で、最も多いものです。基本的に、冷暖房の使用などによる体温調節機能の衰えや過剰なストレスにより、汗を出す汗腺の働きが悪くなって起こります。というのも、汗腺の働きが悪くなると、本来は体内で吸収されるはずのミネラル(無機栄養素)が、汗といっしょに排出され、それが皮膚に住む細菌と結合して、アンモニア臭になるのです。
このため、汗腺の働きを悪くさせる多汗症や更年期障害といった病気でも、アンモニア臭の汗が出ます。
そして、意外なところでは腎不全や肝硬変といった病気でも、アンモニア臭の汗がでます。なぜなら、老廃物の処理を行う肝臓や腎臓に異常が起こると、本来は尿として排出される老廃物が血流に乗ってしまい、汗と一緒に出るからです。
●甘酸っぱいにおいの汗
糖を分解・消費するインスリンというホルモンの分泌が衰えると、糖の燃焼が進まないので、代わりに脂肪が燃焼されます。その結果、ケトン体という甘酸っぱいにおいのする物質が大量に発生し、汗にまじって出てくることがあります。これは、糖尿病の現れといえるでしょう。
●肉が腐ったようなにおいの汗
たんぱく質や脂肪が十分に消化されないまま、腸内のウエルシュ菌などの悪玉菌によって内容物が腐敗すると、肉や卵が腐ったようなにおいの汗をかきます。胃潰瘍や十二指腸潰瘍、腸炎など、消化器病があると出やすくなります。
また気管支炎や肺炎などの呼吸器病でも、同じようなにおいの汗が出ます。
上にあげたようなにおいの汗に気づいたら、念のため病気で検査を受けるとよいでしょう。
わかさ 2009年7月号