汗のもっと大事な役割は体温調節
汗をかくのは、単に水分を体外に排出しているだけではありません。体内の温度を一定に保つという重要な役割があります。周囲の温度や体内の熱が高くなったときに、発汗によって熱を体外に発散しているのです。

発汗による体温調節は人間にしか備わっていません。犬は舌を出して熱を発散させたり、象は水浴び、豚は泥をからだにこすりつけるなどして、体温を下げています。

人間にこうした機能があるのは、人間の脳が熱に弱く、40度以上の熱が数十分続くと意識障害を起こしてしまうためです。つまり熱に弱い脳を守るため、体内に熱がたまったときに、すみやかに体温を下げるシステムなのです。このほかにも、いい汗をかくと新陳代謝が高まる、肌がきれいになるといったよい面があります。


できるだけかきたくないと嫌われがちな汗
現代人は汗をかきにくくなっている傾向があります。エアコンの普及で、室内や電車・バス・車の中は春夏秋冬一定の温度に保たれ、交通手段が発達してからだを動かす機会が減ったことが関係しているのでしょう。

さらに、昨今の「清潔志向」の影響も考えられます。日本人は特に「臭い」に敏感です。「汗=くさい」というイメージがあるらしく、汗を汚いものの象徴としてとらえがちです。「オヤジ臭」などという言葉がはやった影響で、若い世代だけでなく、中高年までが汗を敬遠するようになっています。ところが、その一方で、健康のために汗を出そうと、お金を出して岩盤浴やサウナにせっせと通う人もいるのです。なんと矛盾しているのでしょうか。

一昔前は額に汗して働いたり、からだを動かして汗を流すのは美徳であり、健康の象徴でした。汗をかかないでいると、汗腺の機能はどんどん低下していき、汗をかきにくくなってしまいます。上手に汗がかけなければ、発熱したり、外気温が高いところにいるときなど、いざというときの体温調節がうまくできなくなります。

夏になると、熱中症で倒れる人のニュースが聞かれますが、汗を上手にかけなくなったことも影響しているのかもしれません。エアコンが普及して快適な生活が送れるからといって、汗を軽視しないようにしたいものです。


MOANALIFE 2008年5月



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